Appleが驚異的なのは業績だけではない

2012.01.29

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Appleが1月24日(現地時間)に発表した2012年第1四半期(10~12月期)決算では、iPhone、iPad、Macがそれぞれ過去最高の販売台数で、四半期ベースで過去最高の売上高、純利益となったと報じられています。売上げの伸びもさることながら、その粗利益率が44.7%と前年同期の38.5%を上回ったというのも、恐ろしいといえるくらいの好決算です。

エンドユーザーが欲しがる製品を作ることに集中して売上げを伸ばし、製品ラインナップを絞って効率良く生産することで利益率も伸びているのだから当然ともいえますが、なかなか同じことをできる訳はありません。

さて、この業績についてはいろいろなところで報じられているのでみなさんもご存じかと思いますが、Appleが驚異的なのはこれだけではないのです。

先日の日経新聞にAppleのキャッシュコンバージョンサイクル(CCC)がマイナスになっているという記事が掲載されていました。このCCC、簡単にいうと製品を作るのに費やした費用と製品を売って手に入れる資金の流れを日数で換算したものです。

もう少し簡単に解説すると、どんな製品でも生産をするのにお金がかかります。そして製品を作って在庫になりその在庫が売れるまでの期間があります。さらに、売れた製品の代金を回収することによって最終的にビジネスが成り立ちます。一般的な企業ではこれが30日〜60日程度で推移します。これがAppleの場合、マイナスだということが驚異的なのです。

つまり、Appleは資金を投じて製品を生産する前からお金を手に入れていると言えるのです。そのため、すでに潤沢な手元資金があるにもかかわらず、それを使わずに生産することが理論上可能なのです。おそらく売り先の会社からは前金もしくは納品時に製品代金を受け取っていると推測されます。そして工場への支払いは長い期間の猶予があるのだと考えられます。

これが成り立つのはなんといっても製品に対する強い需要が市場にあり、売り先が喉からでが出るほどその製品を仕入れて販売したいという状況だからです。これもAppleが常にエンドユーザーの欲しがるものを作り込んできた結果といえるわけです。

冒頭のように売上高が伸びると一般的にはキャッシュフローが悪くなります(手元資金がなくなります)。なぜならば、売上げを上げてもそれがイコール現金収入ではないからです。利益率が伸びることである一定期間を過ぎると、利益余剰金の中だけで回すことができるようになるので無借金経営が可能になってきますが、Appleの場合にはCCCがマイナスなため、売上げが伸びてもキャッシュフローが悪くならないという理想的な経営なのです。

業績もさることながら、このような経営をしてきた会社は過去にほとんどなく、だから株価も世界一になるのは当然の結果とも言えるのですが、もう恐ろしいとしか言いようがない状況です。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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