
前回、Jawbone製品との出会い、無謀とも言えるアタックが結果として日本展開をする際に、日本代理店を任せてもらえる結果になったという話をしました。
世界初のインテリジェンスBluetooth® ヘッドセットJAWBONE ICON™ を発売 | トリニティ株式会社
そして、晴れて日本でのデビューを果たしました。ここまでも結構紆余曲折がありました。まずは前回良いところとして一貫したブランディングという話を書いたと思います。しかし、それが言語の壁を乗り越えていくのは非常に難しく、ローカライズという作業が発生してきます。Jawboneは当初、英語のままでいこうということだったのですが、さすがに一般的に普及しているものでもなく、なおかつ特長を伝えなければ、すでに当時も安いハンズフリーヘッドセットはすでに存在していましたので、差別化ができません。

結局、一部は日本語にしてもらう事を承認してもらったものの、いわゆる直訳しか認めてくれません。しかも、どこでどのように依頼したのか分かりませんが、我々日本に住む人間からすると「怪しい」と思える日本語を入れてくるのです。我々に任せてくれれば、ちゃんと直訳でなくても伝わる日本語を考え出して、パッケージなどの小さなスペースにも合うようにしていく、これが我々の役割のひとつでもあると思っていますが、これもなかなか許してくれません。
私は「ローカライゼーションとトランスレーションの違い」ということをよく話します。我々は単に翻訳(トランスレーション)するわけではなく、日本のマーケットに合うように現地化(ローカライゼーション)していくようにしていきたいと思っています。翻訳だけだと英語力だけで実施することができますが、現地化となると、製品自体を誰よりもよく知っていて、新規性、その良さ、市場での強みなどを鑑みて、適切な言葉を割り当てていくということが重要になります。
その時点で、私自身が日本において世界で一番Jawboneのことを知り、Jawboneのことを愛し、Jawboneを使っている人間だという自負がありましたので、絶対に良いローカライゼーションができるという自信がありましたので、長い長い長い間説得を続けていきました。

ICONがデビューした時には実は、パッケージは英語のままでそこにステッカーを貼ることで展開をしていました。なので、まだまだ伝えたいことが全然伝わりません。そのため、販売のほとんどはオンラインが多かったのです。ブランドの知名度もありませんし、どこにアドバンテージがあるのか分かりませんから仕方ありません。
その後、Jawboneが成長してくるにあたり、外部からエグゼクティブが招聘されてきました。その人が日系の人で(日本語は喋れません)、日本にも理解があったり、当社に来て我々といろいろ話す上で、当社にある程度任かせても良いだろうということを社内で説得してくれたため、その後は非常にやりやすくなりました。彼はJawboneを去った後も、いろいろな話を持ってきてくれたりして、アメリカのスタートアップで日本にも展開したいという時にはまっさきに紹介してくれます。
さて、今回も長くなりそうなので、ひとつJawboneの良いところを紹介したいと思います。
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