- 9月
- 2024年10月
本当はVAIO売却のスクープが出たときに書きたいと思ったのですが、どうしても展示会やらなんやらで忙しくしていて書けなかったのが、いきなり現実になってしまったので遅きに失した感がありありの中でそれでも書いてみたいと思います。
Sonyのブランド力は長い歴史から積み上げられてきたのだと思います。その一旦としてVAIOは存在していたと思います。近年は購入の選択肢になることもなかったので、あまり製品ラインナップを見ることもありませんでした。それでも、なぜだからもしも買うようなことがあればVAIOをまず検討したことでしょう。
コンピューター事業は赤字だったという話もよく分かりますし、成長事業3つに絞るというのもきっと切羽詰まった中での苦渋の選択だったとも思います。それでもVAIOは少なくともあと1期、もしくは2期は続けるべきだったと思います。
Sonyは電機の総合メーカーであることがひとつの財産だと思います。テレビ、ゲーム、レコーダー、スマートフォン、タブレット、ウォークマン、カメラ、シアターシステムなど、デジタルライフを作り上げていくための中核となるほとんどの製品を持っていることは、Appleにもない強みだと思います。これらをシームレスに、ユーザーの使い勝手を考えたシステムに作り上げれば、ひとつのソリューションとなりえると思います。その意味ではテレビも手放すべきではありません。
平井社長の「One Sony」もこれらの製品が縦割りになっているところを横串を挿して製品作りをしていきましょうということだったのだと思います。そして、テレビとコンピューター、スマートフォンはその中でも無くてはならないコアだと思います。今でもリビングの主役はテレビです。テレビを中心に他のものが繋がっているというのは今も昔も変わりません。少しはテレビ無しの独り暮らしはあるのでしょうが、それでは家族での「共有」ができません。
また、家でも外でもどこでも一緒に携帯するのがスマートフォンですから、これもデジタルライフの中心になることは間違いありません。さらに、まだまだコンピューターにしか出来ないことがあります。私も、iPadではなくMacBook Pro/Airを使い続けるには理由があります。
Sonyの考えるこれからのデジタルライフがどのようなものなのか、それは1ユーザーとしての期待でしかありませんが、前述のようなシームレスな連携による究極の使い勝手向上なのだと思っています。かくいう私も、テレビ、Blu-rayレコーダー、AVアンプ、ウォークマンとソニー製品を揃えて、そこに答えがあると思っていろいろと試してみました。しかし、これらにはまだ壁があります。リモコンはいまだに1つには統合できませんし、AVアンプも連携がイマイチです。ウォークマンはZX1という最高峰の製品を使っているのに、Blu-rayレコーダーで録画した番組をWiFi経由で自動的に転送することができません(Xperia Zでは可能でした)。ここらへんに事業部間溝がまだ感じられます。
VAIOも久しぶりにラインナップを見たところ、もっとSonyエコノミーの中での未来を見える形にする必要があるのではないかと思いました。Sony製品を持っていて、揃えたらどんな良いことがあるのか、まだまだ足りていないことがあると思います。
まずは、それを全力で解決して「One Sony」を実現し、Sonyの提案する未来をカタチにしてから、それでもユーザーの支持を得られないときに進退を考えるのが良いのではないかと思います。まだ、全力を出し切っていないのに諦めた感が強いのです。
コンピューターはもう終わっていくものだという話もあるようですが、世界中がお手本にしたいと言われているAppleが近年Macを止めるでしょうか。彼らはもっとAppleエコノミーの輪を増やして新しい未来を提示してくるのではないでしょうか。Sonyはさらに音楽や映画などのコンテンツまで持っていますから、総合力でAppleを上回ることはできると思います。
もちろん、今までの商品企画やデザインではダメなところもありますし、社長主導のプロジェクトに変えた方が良いと思います。それでも、4Kプロジェクターや音楽用レコーダー、レンズ型カメラなどよりも、取り組んでいくべき事業なのではないかと思います。デザインだって、外部デザイナーを起用しても良いと思います。
富士通やNECにはできないことができるのがSonyの総合力なのですから。儲かるビジネスだけやって儲からないものは切っていく、会社として未来を提示できないSonyをみんなが買い続けるでしょうか。
もちろん、すでに決まったことですから、未来的発想で考えればスマートフォンやタブレットでVAIOの穴を埋められるような製品を作り上げていって欲しいです。VAIOを買ったこともない人間が最後にごちゃごちゃ言っていますが、やっぱりSonyが好きなのです。頑張ってほしいなぁ。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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