- 9月
- 2024年10月
ここ数日、衆議院選挙の話題で持ちきり菜日本ですが、私たちの業界でいうととても大きなニュースがありました。プラスワンマーケティング社というFREETELブランドを展開してきた会社のサービスの一部をネット通販大手の楽天が買収したというものです。
格安スマホ事業を買収などと書かれていたりするのでややこしいのですが、同社はいわゆるMVNOとしてドコモから回線を借りて通信サービスを提供している事業と、格安スマホと呼ばれるスマートフォンを開発・販売する事業と2つを持っており、それを統合してFreetelというブランドで展開していました。今回の買収はこの前者部分を楽天グループで通信サービスを提供している楽天モバイルが買収をしたということになります。
買収にもいくつかのカタチがあって、「敵対的買収」「事業統合などを見据えた合意による戦略的買収」「救済的買収」あたりがあると思います。今回は「救済的買収」にあたるかなと思います。MVNO事業だけで赤字だったということも明かされていますので、そのままでは会社自体が傾いてしまうということで切り売りしたというのが実際のところだと思われます。
現在、このMVNOというビジネスモデルが非常に難しいものになっていて、競争する会社が多すぎるためにレッドオーシャンと呼ばれています。そして、企業体力のある会社に統合、淘汰されていく流れになっています。MVNOという分野でのトップはソフトバンクのサブブランド「Y!mobile」だったり、KDDI(au)のグループ会社「UQモバイル」だったりと、いわゆるキャリア本体に紐付いているサービスと、OCN(NTTグループ)もNTTドコモと遠からずの関係性であるとも言えますし、そしてIIJが独立系ですが、楽天モバイルやLINEと本当に大手ばかりがシェアを取っています。
その中で生き残って行くにはお金をかけてでも契約者数を稼いでいき、全体でボリュームで勝負して行かざるを得ないのだと思いますが、それがうまくいかなかったということなのだと思います。その他の大手も、実際問題としてはMVNO事業だけで黒字になっているというところが大手ですら余りないのでは無いかと想像していますが、大手は体力があったり、楽天やLINEなどのようにMVNO事業単体での黒字よりも経済圏を拡げたり会員数を増やしていくことが目的になっている場合もあるので、その場合にはやっていけるのだと思います。
さて、FREETELの残った事業としてスマートフォンの開発・販売というのがありますが、昔からかなり頑張っている印象があり、凄いなと思いつつも、ラインナップが多いなとも感じていました。ここ最近は新しい端末の話もあまり聞かなくなってしまい、日本企業として尖っていただけに寂しい思いでした。
スマートフォン端末も、どうしても大手が規模で勝負してくるので、価格面でも性能面でも、広告宣伝や販売チャネル面でも勝てなくなっていきます。FREETELの場合、MVNO事業とのセットという面白いビジネスモデルをしていたので、端末だけでもない、通信だけでもない、総合的なカタチでの提案ができたのがユニークさだったと思いますが、その片方を失ってしまったので、これからどのようにしていくのかが注目です。
当社のように、そういう販売シェアなどのレースからはまったく離れたところで、とはいえ端末としては他にはまったくないという製品をやっていると、ものすごく売れることもないですが、他社がどんどん新しい端末を出したとしてもあまり売上に影響がないというところがありますが、やはり日本企業には頑張って欲しいなと思って応援しています(実際に何かができるわけではないので、「心の中で」だけですが)。
増田社長、某量販店の待合室で何度か見かけましたが、オーラを持っていて、やっぱりひと味違う人だなと思っていました。Twitterなども動きがなくなってしまっているようですが、ここから再起動してまた凄いものを見せて欲しいです。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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