CES 2014にみるウェアラブルとライフログデバイスの本当のところ

2014.01.16

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さまざまなニュースでも報じられているとおり、CES 2014ではたくさんのメーカーからウェアラブルデバイスが発表されました。今年はウェアラブル元年ということで、これから実際に多くの製品が出てくるものと思われます。私自身は、CES 2014においては自社ブースがあったこともあって、なかなか周りをじっくり見ることができなかったのでニュースサイトを見て回るくらいでの情報収集にはなってしまっています。ただ、周りの人から「UP by Jawboneの強力なライバルがたくさん出てきたね」と言われることがありますが、あえて強気にいわせてもらえれば、特に脅威な製品はなかった、といえます。
まず、整理しておきたいのはウェアラブルデバイス=ライフログデバイス=UP by Jawboneではないということです。ニュース系のサイトでもウェアラブル、ウェアラブルと書き立てていますが、これは大きくくくれば「身につけることができる」ということですから、Google GlassもGoProのようなカメラ系やRingのようなデバイスも、その中のひとつにライフログデバイスとしてUP by Jawboneがあるという位置づけです。それぞれまったく目的も違いますので、ウェアラブルということで比較する対象ではないと考えています。

ウェアラブルとUP by Jawboneのようなライフログデバイスは、パスタとスパゲティ、人類と日本人、料理と和食、銀河系と地球、…そろそろ良いですかね?(笑)

ということで、まずウェアラブルデバイスがたくさん出てきたからといって、UP by Jawboneに脅威、という話ではないということは理解していただけたかなと思います。また、腕輪型のウェアラブルデバイスという、ある意味ライバルに見えるようなデバイスもたくさん出てきていました。しかしながらこれもまた、それを使うことでどんなことを目指すのか、とよくよく考えてみるとUP by Jawboneの目指すものとはかなり異なるデバイスばかりであるということがわかります。これは実のところ、一番のライバル視をされるNike FuelBandですら目指しているところが違うので、一概に比較できないのです。

最近の技術から考えれば、モーションセンサーを中に入れてそこから歩数をカウントしてカロリーを記録すること、アプリでそれをグラフィカルに表示すること、もう一歩進んで睡眠の長さやリズムを測ることなどはそれほど難易度の高いことではありません。もちろん、技術的な裏付けや制度の問題などもあり、できれば良いということでもないのとはいえますが、それでもできるかできないかでいえば、できるデバイスはあります。

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しかしながら、ハードウェアから見れば、引き合いに出して申し訳ないですが、iPhoneとAndroidのように前者はシンプルにやれることをかなり限定する代わりに秩序ある使い方を提供することで使いやすさを実現していて、後者は自由度が高く機能としては上だけれども分かる人にしか分からないところが出てくるという対比に似ていると思っています。つまり、後発製品だからということで、どんどん機能を入れて、ディスプレイも付けていろいろ表示できて、と詰め込んでいくので複雑でわかりにくくなってきています。

ウェアラブルデバイスの中でも、ライフログデバイスというカテゴリーで考えた場合に、一番大事なことは何でしょうか。それは着け続ける(続けられる)ことです。たくさん機能がついていて、いろいろ表示してくるデバイスは、当然大きくて重いし、身につけるには存在感がありすぎます。もちろん、それでも良いという人もいるでしょうが、ライフログデバイスにそこまでの存在感があると、そこから解放されたくなってしまいますし、身につけるモノとしてのデザインもとても重要になってきます。

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よく、UP by Jawboneに時計機能があれば良いのに、と言われます。しかし私はいつも、時計機能がないから良いのです、と答えます。時計というのは時間を確認するという機能だけでなくファッションの一部として重要な位置を占めています。ギークなデバイスで機能として時間を知ることができたとしても、それが時計の代りにはなり得ないのです(なり得る人もいるのは知っています)。また、本当に時計の機能を提供するのであれば、ボタンを押さないと時間が出ないようなデバイスはダメで「MUTE WATCH」のように見るだけで時間を知らせるという機能を提供しなければ代りにはならないと思っています。
少し脱線してきたので戻します。

CES 2014で出てきたたくさんの「ウェアラブルデバイス」は、もちろん面白いモノもあります。しかし、UP by Jawboneと真っ向でぶつかるデバイスはほとんどなかったと思っています。強いて言うならば、Sony Coreなのかもしれません。ただ、これでさえも、まだまだUP by Jawboneが目指している未来と比べると、まだ「今」の段階です。

ウェアラブルデバイスのキーになるのは、ソフトウェア(アプリ)とサービス連携です。これを真の意味で実現しているデバイスはまだ一握りしかありません。それは結局、FitbitだったりiHealthだったりと昔から取り組んできているメーカーなのです。これらは一朝一夕にできるものではなく、莫大な時間と人、つまり資金がないとできないのです。

じゃあ、UP by Jawboneと他のライフログデバイスとの違いは何よ、というところは、別エントリーに続けます。

変な強がりでも何でもなく、CES 2014ではライフログというカテゴリーにおいてはUP by Jawboneにとって脅威となる製品はなかった、と言えるのです。なお、私が知る限り、という枕詞がありますので、こんな凄いのあったよという情報があれば教えてください。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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