- 10月
- 2024年11月
HDMIバージョン1.3について数多くのお問い合わせをいただいています。まず、HDMI バージョン1.3(以下、V1.3)についての概要を下記にまとめてみます。
【V1.3の特長】
・10.2 Gbps高速伝送
HDMIバージョン1.2a以前では4.95 Gbpsだった伝送レートが10.2 Gbpsまで引き上げられました。これに伴い、ディープカラー(後述)やより高解像度な映像(DVIデュアルリンク相当)、より高いフレームレート(120Hz)をサポート。
・ロスレスオーディオフォーマットサポート
Dolby TrueHDとDTS-HD Master Audioという新しいオーディオコーデックをサポート。
・リップシンク機能
オーディオとビデオ信号の同期を行なうリップシンク機能をサポート。
・ミニコネクター
ビデオカメラなどに搭載するための小さいコネクターを定義。
・ディープカラー
従来の24ビットだけでなく、30, 36, 48ビットまでをサポート。
・広帯域なカラースペース
次世代カラースペース「xvYCC」をサポート。
当社取り扱いのGefen HDMI製品はHDMIバージョン1.2(V1.2)までのサポートとなっており、V1.3では使用できないのではないかと危惧されている方が多いようです。
HDMIの規格はすべて下位互換性が保たれているため、V1.2機器をV1.3機器と組み合わせて使用した場合にはV1.2のフルスペックでの信号伝送が可能となります。したがって、Gefen HDMI製品をV1.3機器で使用した場合にはV1.2スペックでの信号伝送となりますので、前述のような新機能は使用することができません。ただし、信号に電気的な付加をしないケーブルやアダプターなどはV1.3対応として使用することができます。
しかしながら、HDMIバージョンはその機能を使用できる器として規定はされているものの、すべての機能を搭載しているという意味と同じではありません。つまり、V1.3対応機器であっても、解像度がV1.2で規定されている1080pを越えて1440pで出力できるということではなく、あくまでも仕様として可能というだけにとどまります。
また、V1.3の本当の仕様を満たすためには、ソース機器とディスプレイ機器がそれぞれV1.3対応で、機能的にも前述の仕様を搭載している必要があります。現実的に1080p以上の高解像度を実現している一般的なコンテンツは現在の所存在しておりませんし、ソース機器もSony Playstation 3をはじめとした一部のハイエンド機器のみで、ディスプレイ機器ではほとんどがV1.2対応までとなっています。価格的な問題もあり、実際に普及し始めるのは2007年末から2008年といわれています。
切替機や分配機といった中間機器として考えた場合、ソース機器とディスプレイ機器の橋渡しをする際に、実際に流れている信号だけを考えればV1.2で十分な仕様であるといえます。
少し回りくどい書き方になってしまいましたが、シンプルな質問と回答にするならば、
「Gefen HDMI製品はV1.3に対応していますか?」
「いいえ、現行製品ではV1.2aまでの対応となります」
「Gefen HDMI製品はV1.3機器では使用できませんか?」
「V1.2のフルスペックで使用することができます」
「Gefen HDMI製品をV1.3機器と組み合わせて使用すると問題がありますか?」
「HDMI機器は自動的にバージョンを判別して、それに合わせた信号を出力するため問題は発生しません」
「Gefen HDMI製品を使用するとクォリティが落ちますか?」
「一般的なコンテンツでは差がありません」
なお、もちろんGefen社でもV1.3対応製品は開発しており、今夏にはリリース予定となっていますが、すべての信号経路をハイスペック対応にし、最新チップを採用する関係上、現行ラインナップよりも高価になる予定です。実際問題として一部のハイエンド機器以外ではメリットを享受できるわけではないため、現実的な価格としては現行のラインナップをご使用いただくのが妥当と考えています。
割とバージョンが低いと使えないんじゃないかと思っている方が多く、上記のような説明をするのですが、結構ややこしいので説明も難しいですね。現在1080pでフルスペックハイビジョンとうたってAV機器を販売しているわけで、そのフルスペックハイビジョンはV1.2で問題なく表示できるのです。コンピューターソフトウェアで考えると、バージョンが低いというのは致命的な場合もありますが、HDMI規格は安定的なものなので、そこまで心配する必要はないのではないかと個人的には思っています。
今回はテキストばかりで長くなってしまいましたが、参考になればと思います。当社フォーラムにもFAQとして掲載しておきたいと思いますので、ご質問などがあればそちらにもどうぞ。思えば、Gefen FAQは全然記事がありませんでした…(汗)
あわせて読みたい
このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
コメントを投稿
ログイン
登録
他のサービスIDでログイン
Log in with Facebook Log in with Twitter Log in with Googleログインせずに投稿する場合には名前とメールアドレスを入力してください。
管理者の承認後、コメントが表示されます。