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- 2024年11月
シリコンケース、当社が初めてiPod nano用製品をオリジナルで製作をして販売したのもシリコンケースでした。当時は台湾の工場と一緒に開発をしていて、その工場が元々キッチン用品を作っていたのですが、そのシリコン製の製品はすべてコーティングがされていて使っていても埃がこびり付かない仕様でした。シリコンという素材は元々は粘着性の素材なので、当時のiPod用シリコンケースは長く使っているとベトベトになってしまうという問題が多く発生していたので、このコーティングを使ってその問題を解決できるのではないか、と思いついたのが開発のはじまりでした。
そして、使い続けていても埃が付きにくい「アンチダストコーティング」といううたい文句で発売をしたところ大ヒットを記録し、現在ではどのメーカーも「さらさらコーティング」などと名前は違えど同じ仕様で、ほぼ一般的になりました。
では、その頃から今に至って、シリコンケースに新しいことはないのだろうか、とずっと考えていました。特に、今回のiPhone 4からiPhone 4Sへのモデルチェンジは、iOS 5とハードウェアが刷新され中身は非常に変わったもの、デザインは踏襲されていますので(細かいところで変化はあります)、ケースなどは新しいデザインを活かしたケースデザインというわけにもいきません。かといって、単にパッケージを刷新しただけで中身が同じというものをもう1年間売り続けて本当に良いのだろうか、いえ良くないのです。
iPhoneが記録的ヒットを続ける中で、「売れそうだ」という匂いを嗅ぎつけて参入してくるメーカーは星の数ほどあり、Simplismというブランドがそれらとの違いを見せつけていくには、デザインだけではなく製品としての工夫が必要なのです。
まずひとつの違いは「抗菌コート」をすることで、デザインはまったく同じながらも付加価値を付けられたのではないかと思っています。保護フィルムとケースの両方を抗菌コートすることで、iPhoneを全方位で傷や埃だけでなく、細菌からも守ることができる訳です。
抗菌コートでしっかりと付加価値は付けつつも、価格は据え置きでお買い得感はそのままにすることができたのですが、それ以外にも考えていたことがありました。
それが、今回のシリコンケース【Simplism】iPhone 4S用シリコンケースセット [Silicone Case Set for iPhone 4S]のひとつの特長である、「ポートカバー一体型成型」です。
当社では従来より、Dockコネクターに埃やゴミが溜まってしまうのを防ぐために、Dockコネクターカバーを付属させていました。このカバーも、普通にポートを埋めるだけの代物だと、充電の際などに外してしまってそのまま無くしてしまうことが多いということから、ストラップを付けられるようにして、ケースのストラップホールに引っかけて無くさないようにするという工夫を凝らしました。
しかしながら、それもケースに一体化してしまえないか、ということを考えました。そして、なるべくケースの周囲に穴がぼこぼこ開いていないようなスマートなデザインにしたかったのです。そして今回、若干チャレンジではありましたが、Dockコネクター、ヘッドフォン端子のみならず、サウンドオン/オフスイッチまでもカバーするデザインにしていましました。
分かる人には分かるのですが、この形の成型は非常に難しく、エンジニアや工場からは非常に大きな反対がありましたが、1回やらせて欲しいということで押し切りました。どうしても、スピーカー部分を埋めることはできないのと、ボリュームスイッチ、スリープスイッチの突起は作らなければいけなかったのですが、それ以外は外周は極力フラットな形にすることができました。
サウンドオン/オフスイッチをカバーしたことは賛否両論があるかもしれませんが、私個人的にはずっとオフ状態にしていることもありますし、そこまで頻繁にオン/オフはしないだろうということで決断してしまいました。みなさんの反応が怖くてたまらない毎日を過ごしております。
そんなこんなで、ただのシリコンケースといえども、いろいろ無い知恵を絞り、少しでも工夫して、なおかつ美しく、作っていく努力の結晶とも言えるのです。開発の苦労話をするのはカコワルイという向きもあるかもしれませんが、言いたいので言わせてください(笑)
少しでも、この思いが多くの人に伝播すると良いな、と思ってこのエントリーを書いております。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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