第7期決算を終えて、試練は乗り越えるもの

2013.07.06

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さすがに中身の詳細まではお見せできませんが、当社の第7期決算が終わり、税務署への届け出などの各種手続きを済ませました。まずは無事に7年目の決算を終えられたのは、関係各所に多大なるご協力をいただいたおかげです。ありがとうございました。

これまで7年間走り続けてきて、なんとか右肩上がりに進んでこられたわけですが、ここで初めての試練の年を迎えることになりました。昨年の中間納税が還付されるくらいだ、と書くと、分かる人には分かるのではないかと思います。ここまで何回かこの現状について書いてきたことがあると思いますが、改めて原因を振り返ってみたいと思います。
・売上高の減少

ビジネスの基本中の基本といえる売上高が減少したということは、当社にとって一番大きな打撃になることは想像に難くないでしょう。ソフトウェアやサービスなどと違い、単純に製品を販売することで収益を得るビジネスモデルの場合、売上高は何よりも大事なものです。簡単に考えるならば、ビジネスの基本はいかに売上高を上げ、いかにコストを下げていくかが利益を最大化するための方法です。このひとつが崩れてしまったのですから、第7期は試練の年だったというのは間違いありません。

・原材料費の増加

周知の通り、当社の製品のほとんどは中国で生産をしています。中国は急激な成長と共に、物価や人件費の高騰が加速しており、同じものを作っていたとしても中国委託工場からの請求額は上がっていく一方です。これは我々の企業努力だけでなんとかなるものではなく、中国という生産地の宿命ともいえるものです。

・輸送コストの増加

地球上の限られた資源を使いながら輸送をしているので、短期的だけでなく長期的に見れば、たとえば太陽光発電で飛行機が飛ばせるようになるなどの劇的なエネルギー革命が起こらない限り、輸送コストは増加していく一方だといえます。

・為替の影響

日本の巷ではアベノミクスと呼ばれる金融緩和などに代表される円安誘導政策により、着実に為替は円安方向に進んでいます。Appleが値上げを行なったように、現状市場に流通している現行製品のほとんどが昨年の参院選前に1ドル80円前後の為替レートを元に値付けがされています。今日の為替レート(2013年7月6日)で1ドル101円前後ですから実に20%も円安に振れています。つまりは、たとえば1ドルの仕入価格の製品があると仮定すれば、これまで80円で仕入をしていたものが今では101円で仕入をしなければいけないわけですから、まったく同じものを同じように作って、同じ価格で販売していれば20%も利益が減少するということになります。

・人件費の増加

普通に考えると、会社に入社して1年が経ち、給料の改定が行なわれるとしたら、誰もが昇給することを期待すると思います。しかし、人件費だけはどんな状況においても自動的に上がるとしたら、会社の利益が伸びていないとすればどんどんコストだけが上がり、結果として会社の利益は下がっていきます。個人の給料が上がるということは会社から見れば、その個人の生産性が上がり会社の利益に貢献するであろうという仮定の下に昇給するのですが、実際には昇給をしたからといってこれが約束されるわけではありません。それでも、毎年、基本的には給料は上がっていくものだとという社会通念からすれば、人件費というものは上がっていくわけです。

また、当社の場合には前述のように売上高が減少し、コストも上がっている、つまりは利益が下がっているのにもかかわらず、人財は投入する方向にしていますので当然さらなる利益低減に繋がっています。

・競争の激化

みなさんもご存じの通り、当社のビジネスモデルはケースやフィルムなどのアクセサリーを販売することで成り立っていますが、この分野は参入障壁が低い、つまり新たな参入がしやすいマーケットであるともいえます。だからこそ、毎年新しいブランドが出てくるわけです。もちろん、いろんなノウハウがあり、ある程度のブランド力も付けていますし、差別化を図る製品開発も行なっていますが、結局のところ徐々にコモディティ化と呼ばれる機能・品質などの差・違いが少なくなり、均質化していってしまうことで価格競争に巻き込まれていってしまうわけです。

・多品種少量によるコストの増加

これまでは1つの製品が多く売れることで回転率を高めていくことができるようになりましたが、特にケースなどは前述のようにコモディティ化してしまうことで、たとえば服のようにほとんど趣味で購入対象を決めるようになってきている現状からすると、バリエーションの多さというのもひとつの戦略になります。しかし、そうなると多品種少量という生産方式になるため、ひとつひとつに関わるプロモーションやパッケージ、開発コストが回収できない製品も出てくるようになります。

・廃棄損の増加

前述のような競争の激化や多品種少量とはいえある程度の数量を作らなければ工場運営ができないために、販売できる数量と生産する数量に乖離が出てきてしまった場合、特に特定の機種に依存するケースなどはその対象製品が販売終了になってしまったら売れ残りが発生するリスクがあります。たとえばiPhone 4S用製品はiPhone 4Sが販売終了になってしまったら劇的に売れ行きが悪くなります。もちろん、これを回避する策はいろいろと講じていますが、それでも多品種少量の生産の場合においてもある一定のMOQ(最低発注量)がある場合には売れ残りが発生するのを防げません。

同業者とお酒を飲みに行ったら、これらの項目はウンウン、とわかり合えるような話ばかりだと思いますが、これが現実です。とはいえ、私たちも販路の拡大や付加価値の付いた商品開発、効率の良い生産、運営コストの削減、為替ヘッジなどの手段を講じており、試練の年ではあったとは言いつつも、納税を行なっていますので、あまり申告にご心配をいただく必要はありません。また、試練は乗り越えるものですから、原因が分かっているのでその対策をしっかりと実行していくのが第8期ということになりますので、なにとぞご期待ください。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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