ネット上で流れてくるニュースの中でたまたまこの記事を見つけたのと、先日、当社の全体会議で会社のビジョンや評価指標などを語るタイミングがあって、その時にも少し話していたのを思い出したので、少し思うところを書いてみたいと思います。
当社は2006年の起業時には3名でした。女性2名と私が男性という構成比でした。それ以降、ほとんどの時期で男女比はほぼ半々で推移してきました。これはものすごく意識していたということではなく、求める人財を採用していったらたまたまそうなったという結果です。

当社の場合、外部から招聘する場合を除いて、基本的な年俸は一律になっています。年齢も性別も、学歴も職歴も関係ありません。当社のような零細企業の場合、新卒から入社してもらって育てるという体力はありませんので、当社の社員は全員中途採用、つまり前職が あります。そして、中途採用ということは仕事の内容自体は教えるものの、即戦力として貢献してもらうことを期待しています。

当社内では各部門毎にチームになっていて、そこでの役割が与えられて、チームとして、そして会社全体として目標を達成していくことに邁進してもらいます。そこには年齢が影響することもなければ性別もありません。したがって、当然ではありますが労働の対価としての報酬にもまったく影響がありません。評価はいくつかの指標に沿ってマネージャーがレベル分けをして決めていくだけです。ちなみに、役員とマネージャーの人数もほぼ男女比が同じです（奇数なので1人だけ男性が多いですが）。

元の記事はタイトルが男女の賃金差となっていますが、内容を読んでいくと最終的には年齢が高くて社歴は長いけれども「働かない高給取りのオジサン」が一番アブないとしています。当社はまだ会社の歴史自体が短いということもあって、そんなに高齢な人がいませんが、それでも年齢よりも、今何ができるかが一番大事だと考えています。

年齢に寄らないということですから、若い人の方が入社すれば25歳だったとしても35歳の同時期に入社した人と同じ報酬になりますから、相対的には報酬が高いということになります。それでも、25歳の人の仕事内容と35歳のそれは何か大きく変わるでしょうか。実際には求めているスキルがあれば同じなのです。したがって報酬も同じという そのままの回答になります。

ちなみに、記事にあるような手当は当社にはなく、マネージャーとしての手当と会社のそばに引っ越してきたら住宅手当が支給されるという2つしかありません。

マネージャーといっても当社の場合は人数も少ないので、プレイングマネージャーとして管理だけでなくふつうの仕事も割り当てられますので、かなりのハードワークになるので通常の報酬に上乗せするのは妥当と考えています。

住宅手当は通勤時間をなるべく減らしたいという思いから、会社のそばに来ることにメリットを持たせて引っ越してくることで、結果通勤時間が減るというインセンティブにしています。実はこれによって通勤手当が減るのでプラスマイナスゼロになるということで財源は確保されていたりします。

私が前職では1時間半もの通勤をしていて、往復で考えれば3時間。1日24時間として6時間寝るとすると残り18時間。多少の残業なども入れて10時間仕事をしているとすると残りが8時間。朝昼晩の食事をおおよそ1時間ずつと考えると残り5時間。そこから通勤の3時間を引くと自由になる時間はたったの2時間ということになります。せめてこの通勤時間が無くなれば、とずっと思っていたのです。その頃は少し残業が長引くと帰ってもまた通勤してくるという億劫さで、よく会社に寝泊まりしていました。今は、自宅から歩いて10分以内にオフィスがあるので、この思いが実現したというわけです。

少し脱線しましたが、年齢や性別などで報酬を判断するのはナンセンスで、今この会社が求めることをどれくらい達成してくれるか、で決めるのが正解だと思っています。女性の活用とか叫ぶ必要はなく、普通に成果に対する報酬と考えれば良いだけなのですが。その意味では女性を優遇することもありません。どうしてそうなっていかないのでしょうか、不思議でなりません。