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中小企業を助ける特許の助成金について(後編 – 補助金を受ける難易度と”使える”助成金)

2018.04.06

前回、『中小企業を助ける特許の助成金について – 知財は国力を表す物差し』からの続きとなります。

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補助金を受ける難易度

さてその補助金ですがさまざまなものが発行されており、条件の難易度に応じて助成金の金額が変わります。通年で実施されているものから、年度末になると突然出てくる助成金など種々様々あります。

難易度の高いものはどうしても提出書類が多くなり、担当者は非常に時間がかかるのが実情です。その上、選定されなかった場合はすべて水の泡となってしまいます。

また、期限があるというのも問題で、知財は思いついたらなるべく早く登録する、というのが鉄則だと思いますが、どうしても公募のタイミングに合わせてしまうことで機会を逸してしまうリスクがつきまといます。

使える助成金について

そんな中でもざっと調べてみた、オススメの助成金を記載いたします。地域限定の助成金など、意外と弁理士さんも認識していない助成金も多く、確認することをお勧めします。
国際出願に係る手数料の軽減措置

こちらはPCTといわれる国際出願に関わる助成金で、非常に簡単に申請することができます。当社も2件ほどこの助成金を利用して出願しています。

問題点としては、企業規模の要件が厳しめなことになります。また期限もあるので将来も続くのかはわかりません。

平成29年度中小企業知的財産活動支援事業費補助金(中小企業等外国出願支援事業)

こちらは各都道府県ごとに期限がある助成金ですが、私たちも過去に申請して商標の国際出願で助成金を受けることができました。

関わる経費の半分を補助してくれるので大変大きな金額ではあるのですが、募集期間の短さ、商標の使用のプレゼンや、実績の報告など、種々やりとりが発生するため、難易度は高めではあります。

中小企業等海外侵害対策支援事業(模倣品対策支援事業)

海外で保有している商標権や特許権に対しての侵害があった場合、通常のケースだと日本の弁理士>現地の弁理士という経由で侵害への警告、折衝が行なわれます。

しかし、このプロセスは非常にコストがかかります。Webや露店で細々とやっているところが相手の場合は、損害金もほとんど回収できません。とはいえ、模倣品の廃棄などを厳密に行なわなければ、その国に蔓延ってしまいます。

当社の製品で香港の模倣品販売店に対して警告を行なった時は、1件でおよそ30万円程度のコストがかかりました。しかしながらWebショップが非常に問題で、小さな個人商店のようなところがいくつも乱立することがあり、警告文を送るだけでも大変なコストになりがちです。

現在は応募を停止しておりますが、また予算化されたタイミングであれば、この助成金は大きな力になってくれるものと思われます。

このブログを書いたスタッフ

開発

ようへい

開発、生産工程に関わる。家具メーカーのセールス時代に星川と出会い、意気投合してトリニティに転職。製品開発で中国に何度も通ううちに辛い食べ物に覚醒。隙があれば食べ物にハバネロソースをかけてしまうため、周囲から嫌がられている。

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