CESで発見した興味深かったこと 〜Google白づくめスタッフの波〜

2019.02.05

投稿者 : ようへい

今更ながら、アメリカ、ラスベガスで行なわれていたコンシューマー向け家電ショー、CESへ視察に行ってまいりましたので、記事を書かせていただきます。

巷では散々報道されているので、まったく速報性のない記事で大変失礼いたします。

まず、CESは一般ユーザー、コンシューマー向けの展示ということで、少しだけ近未来の製品が並ぶことが多く、今のトレンドと近未来の今後の流れが見られる、ということで毎年どんどん大きくなっています。

インターネットから先につながるものすべてがこの展示会に揃う、という印象で、昨今叫ばれている5G通信、IoTや車の自動運転、ヘルスケアまで、どんどんと展示されているものが増え続けています。

私自身としてはCESへの参加は2014年以来5年ぶり、またその時は出展者として参加していたということもあって、視察だけで回るのは初めての経験でした。

今後のテクノロジーのトレンド、萌芽をつかむため、ブースをくまなく歩き回るにあたり、日によっては3万歩を超えるほど歩き回っていました。

サンズ・エキスポ・コンベンションセンターの大変換

CESのメイン会場であるコンベンションセンターから少し離れたベネチアンホテル横の展示場、サンズ・エキスポ・コンベンションセンターですが、私が訪れていたときはメイン会場から押し出された感じのブースが散在し、寂寥感が漂う空間でした。

今回行ってみると、ここには工夫を凝らした国ごとの出店ブース、スタートアップ、と規模こそそれほど大きくはなくとも今後を占う製品が目白押し、巨大家電メーカーや自動車メーカーの出店するメイン会場よりも、よりCESらしい展示が並んでいました。

ちなみに大昔はCESに並行してセクシー系のアダルトエキスポが開催されていたこともあります。

それからすると大変換を遂げたと言えそうです。

日本のスタートアップ企業の様子、展示ブースが非常に工夫され訪問者が多数、通路が狭すぎて通れないくらいでした。
どんな状況でも賑やかに拍手してくれる、にくいやつです。

展示物の大型化

過去においても車をそのまま展示する、ということはやっていましたが、一部ブースでは目を引くために展示物が巨大化、大型クルーザーや自動運転のついた農作業マシン、ヘリコプターサイズのドローンなど、度肝を抜かれる大型展示物が多々ありました。

Googleのマーケティング

最近のテクノロジー業界でのキーワードとしてIoTがあり、それを管理するものとしてIFTTT(イフト)が大きく取り上げられています。そのIFTTTを利用したサービスの代表として、GoogleGoogle HomeAmazon Echo2台スマートスピーカーがシノギを削っている状況で、過去にはCESに出展してこなかったGoogleも巨大ブースをメイン会場の入り口に作り、無料でピザを配りまくり、帽子から靴まで真っ白なGoogle洋服を着た人たちで声を張り上げてパーティー感を出したりして、大きな存在感を発揮していました。

大きな展示会場があっても、彼ら自身で発売しているハードウエアはほぼスマートスピーカーだけで、実際にはそこからIFTTTを使って機能するプロダクトが必要です。

そこでGoogleは、Google Homeに対応しているすべての製品、ブースに、対応しているという「ノボリ」とGoogleスタッフを送り込んでフルタイムで製品説明させるという暴挙に出ました。

何が恐ろしいかというと、すべてのブース、製品ということは、大型企業はもちろん、中国から来ているサプライヤーブースの隅々に至るまで派遣した、ということです。

当然、このGoogleスタッフは派遣の方々でしょう、出展の日まで自分がどんな企業のどんな製品に張り付くのか想像もしないまま直前で製品ブリーフィーング、あたかも派遣された先のセールスタッフのようにフルタイムで立ち続けるのです。

中国、香港の展示会に行ったことがある方ならわかるかと思いますが、彼らはブースからいなくなることが多く、展示時間が終了していなくても慌てて帰ってしまいます。お昼時も交代で昼食をとる、ということもなくブースの中で一斉にお弁当を食べていたりします。

そんな、誰もいないか全員で弁当を食べている中国情緒たっぷりなブースの中、おそらく契約上でフルタイム立たなければいけないアメリカンなGoogleスタッフが(全身白ずくめで)呼び込みをしている、という絵は非常にシュールで、派遣されたスタッフも派遣先を選べずに悲しい思いをしたでしょう。

ちなみに、この衣装は会場からホテルまで帰る時もそのままで、それぞれが宿泊しているホテルでもこの格好のままで、ホテルロビーでうなだれているのを見て大変だね…と同情してしまいました。

Appleの一撃

CES自体には展示していないApple、ただし会場近くに大きな広告を出していました。

「あなたのiPhoneで起きることはすべてあなたのiPhoneの中だけ」

昨今のスパイウエア疑惑、IoTIFTTT、スマートスピーカーの普及によって個人情報はどこまで守られているのかが叫ばれる中、Appleがもっとも強みにしている、そしてこれからも重視されていくことになるであろうキーワードだけで広告を打っています。プロダクトではなく、セキュリティだけを広告する、というのはさすがの戦略だなと思いました。

久々に見て回ったCES、各社の創意工夫がすごく、非常に刺激的な視察でした。

次回は一転してラスベガスのハンバーガーを紹介しようと思います。

エアバイクつきPCデスクです…

このブログを書いたスタッフ

開発

ようへい

開発、生産工程に関わる。家具メーカーのセールス時代に星川と出会い、意気投合してトリニティに転職。製品開発で中国に何度も通ううちに辛い食べ物に覚醒。隙があれば食べ物にハバネロソースをかけてしまうため、周囲から嫌がられている。

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