- 10月
- 2024年11月
当社トリニティ株式会社で運営していたイタリアンレストラン「トラットリア・トリニータ」は3月末をもって閉店することとなりました。残り1ヶ月弱の短い期間とはなりますが、最後に是非ともご来店いただければ嬉しいです。
デジタルライフアクセサリー会社のトリニティにとってのトリニータの立ち位置とは。
当社のメインビジネスとしては「デジタルライフを豊かにする」ためのスマートフォンやタブレット、コンピューターなどを中心としたアクセサリーを企画・開発し、販売していくことです。その当社がイタリアンレストランをオープンした経緯はトリログのどこかに書いたと思っていましたが、そのものはなかったです(汗)
約7年間、さまざまなことに取り組んできたので、トリログにも多く記事があります。久々に覗いて見ると私が書いたものもありますし、社員が書いてくれたものもたくさんあります。思い出としては数限りなくあるトリニータでした。
今後、もっと長く語るかもしれませんが、簡単に言えばトリニータオープンの経緯や立ち位置は下記の通りです。
- 1Fを倉庫として利用していたが、外部委託することになってスペースが空いた。
- 当時、志木駅前にあったレストランがとても美味しかったが、閉店するということでそのシェフに提案して一緒にレストランをやろうということになった。
- トリニティがオープンさせるのだからと、テクノロジーを使った新しいスタイルのレストランを構築した。
- 社員に対して、美味しいランチを提供したかったので、無償提供を実施した。
- 地元に密着したレストランとして、多くの方々にトリニティを知ってもらえるきっかけを提供した。
- 会社紹介の際に、面白い取り組みとして受け取ってもらうことでブランディングの一環となっていた。
- トリニータを口実に来社いただくことが多くあり、関係性の構築をするのに役に立った。
結果として、トリニティにとって大きな存在でしたし、私自身もよく利用していたので、閉店することはとても寂しいことです。
コロナ禍が遠因なれど、原因ではない。
世界がコロナ禍にはまってしまい、日本は光が差してきたとはいえ、まだゴールがどこにあるのかわからない状況です。そんな中で、私たちの街も特に飲食店の閉店が目立ち、寂しくなってきてしまっています。ただ、トリニータの閉店については、トリニータをどのように運営していくかを考え直すきっかけになったのは間違いありませんが、それが原因というわけではありませんでした。
コロナ禍にあって収支が赤字ではなかった。
タイトルは控えめに書きましたが、実際のところ、コロナ禍になり、飲食店が厳しいという話も報道などで流れているものの、トリニータは黒字運営でした。むしろ、2021年5月からの1年は、まだ期末を迎えていないものの、トリニータのみの独立採算として計算して過去最高益になる予定でした。したがって、業績が悪いのが閉店の理由ではありません。
少し「不都合な真実」になるかもしれませんが、書いておきます。緊急事態宣言や、まん延防止措置というのは、都心で大規模な展開をしていない限り、協力金による収入がそうでない平時よりも利益をもたらします。特に、トリニータのように埼玉県の駅前で高い家賃でもなく自社所有の土地建物である場合には、協力金は直接的に多くの利益をもたらすのです。
ルールに従って運営を行ない、適正に協力金の申請をして受け取っているだけで、お店としての集客が激減して売り上げが下がっても利益は増えるという歪な構造になります。個人的には、国や都道府県が民間の企業の活動を制限するので協力金は必要な施策とは思いつつも、仕組みは変えていったほうがいいと思います。
なお、たとえば赤字だったとしても、前述のようにトリニータは単体で収益を得るために運営をしているわけではなく、副次的な恩恵をトリニティ側にもたらしているので、それをもって単に閉店するようなことはありません。トリニティ側は安定的に運営していますし、ビジネス規模で言えばトリニータは1%にも満たないのでそこでの赤字というのは大勢に影響がないのです。
レストランは働く人で成り立っている。
トリニータは店名としてはトリニティとは別になっているものの、トリニティ株式会社の一部として運営されていました。トリニータのスタッフ(社員2名、その他アルバイト数名)もトリニティが雇用していました。その他、仕入れや売り上げ、在庫管理、販売促進、資金繰りなどの財務部分はすべてトリニティ側に依存していました。これを完全に分社化して独立採算を会社単位で行なうことを検討していました。
ほとんどのシェフは最終的に自分の店を持ちたいというのが夢なのではないかと思います。現在は、トリニティの社員であることから、ルールや決定事項はトリニティ側が決めることになっていましたので、独立採算をしつつ、決定権を持ちながら自分たちのお店として運営していってほしいという思いがありました。
完全自動化、ロボットレストランでない限り、レストランは人で成り立っています。そして、特にレストランの場合にはシェフによって味が変わってしまいますので、同じ看板を掲げていてもシェフが変われば同じお店ではなくなります。実は、トリニータも初代シェフから代わり、現在は2代目のシェフが運営してくれています。
しかし、ビジネスとしては継続性にとても大きなリスクを抱えているとも言えます。自分のお店であれば、自分が辞めない限り続けていけますが、会社として運営している限りはその社員が辞めること、それによって運営できなくなるというリスクは常に存在しています。
結果としては、閉店するということになったのは、分社化していくという構想がうまくいかなかったということと、前述のようなリスクを今後も抱え続けていくのは難しいと判断したからです。人それぞれ、人生に求めるものが違います。また、時代と共に変わっていきますので、当初から思いが変わっていってもおかしくありません。
トリニータというレストランを支えてくれた人がいなくなるのであれば、ここでいったんはトリニータという役割を見直す良い機会だと考えて、後任をすぐに探すのではなく、閉店という道を選ぶことにしました。
本当に長い間関わってきたので、寂しいという気持ちもありますし、残念という思いもあります。それでも、これを良い機会と捉えて、次に向かって進めていこうとポジティブに考えています。
新しいチャレンジのスタート地点として。
これから、トリニータという場所を活かして、我々ならではのカタチで新しいことを始めていくのか、または設備などはあるので場所を貸して新しいことを始めてもらうのか。まだ、トリニータ閉店の決断から時間が経っていないので、次については白紙です。ただ、それでもこの場所を何か活用していくことには間違いありません。
★
始まりがあれば、必ず終わりもあります。ただ、終わりがあれば、またそこに始まりもあります。これからどんなことができるのか、どんな出会いがあるのか、今はとても楽しみです。
もしも、この場所を活用してこんなことができるというようなことがあれば、是非ともご連絡ください。
トリニータ関連ブログはこちらからご覧いただけます。
あわせて読みたい
このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
コメントを投稿
ログイン
登録
他のサービスIDでログイン
Log in with Facebook Log in with Twitter Log in with Googleログインせずに投稿する場合には名前とメールアドレスを入力してください。
管理者の承認後、コメントが表示されます。