テレワーク(リモートワーク)を1週間トライアルして見えた課題

2020.03.07

先週一週間は、政府の小中高校の休校施策をきっかけに、この1、2週間がヤマ場だという話もあったため、トライアルで対象の子供がいる社員、および通勤して会社まで来ている社員を対象にリモートワークを実施しました。

1人、2人というレベルだったり、私自身も出張などもあることから、軽くはやったことがあるものの、社員の半数以上が出社しないでの業務というのは初めてでした。

前回の記事でも触れたり、ようへいもネットワーク環境の記事を書いたとおり、当社としては大枠としてはリモートワークができる環境にあるのですが、それでも一週間やってみるといくつかの課題が見えてきました。

そもそもの問題として、リモートワークに向く仕事とそうでない仕事に分かれます。たとえば、店頭での商品陳列など客先で仕事をする必要があるセールスチームのメンバーは、急にずっと自宅で仕事をしなさいと言われてもなかなか難しいところです。もちろん、資料作りやデータの解析などやること自体はあります。ただ、ずっとお店などを回っていたのが原則禁止となると結構困ってしまうところもあります。

また、マーケティングなどではパッケージサンプルをチェックしたり、試作をしたり、プリントしてみてのチェックはなかなか家ではできません。紙であろうとパッケージであろうと実物があるものをリモートで吟味するのはかなり困難です。

それらの個別の事情もあるにせよ、それ以外にもやってみて感じたことがいくつかあります。社内向けにグループウェアに書こうと思いましたが、他の会社も同じような話があるかなと思って参考までに公開で書いておきます。週末なので先にこちらを書いて、社内にはこの記事を回覧することにします。

リモートワーク環境

ネットワーク、コンピューター、クラウドを活用したグループウェアやツールは揃っています。仕事ができるかできないかだけで言うとできる環境にあるはずです。しかしながら、たとえば一人暮らしだと家にはベッドにちゃぶ台(ローテーブル)のようなものしかない、という自宅環境がある人もいます。

普段は大きなディスプレイ、キーボード、マウスを繋いで仕事をしているのが、急にノートパソコンの小さな画面になってしまうと、作業効率も格段に落ちてしまいます。

少しだけの間であれば良いのですが、ずっと座布団に座って仕事をすると姿勢も良くないので腰や首に負担がかかることもあります。どうしても、自宅だと気が散ることも多くあると思います。

また、予想されたことですが、子供が家にいて、かつ書斎など独立した空間がない場合にはなかなか集中して仕事ができないことがあります。

長引きがちなミーティング

これが結構厄介で、1対1や少人数の場合には問題なくこなせていたオンラインミーティングが、半分以上がリモートだとなんだかんだ時間がかかってしまいます。参加者が多く、まずは開始するまでに接続確認だったり、誰かが声が聞こえにくかったり、周りのノイズが聞こえたり。普段はあまり気にならないキーボードのタイピング音も響いてしまうときがあります。

一堂に会していると誰が次に喋ろうとしているのかが見えたりして、あうんの呼吸で話すタイミングが決まったりするものです。しかし、このあうんが効かなくなるので、同時に話し始めて「どうぞ、どうぞ」となったりしてしまいます。

現在は遅延や音質の劣化を考えて、あまりビデオを繋いでいないので余計相手がどのような状態なのかが分からないために、ミーティングの効率はあまり良くない印象です。

ここらへんは、ネットワーク回線を見直してビデオを繋ぐ、現在はSkypeかGoogle Hangouts meetを使っているのでツールの見直し、ノイズ対策としてノイズキャンセリングヘッドフォンを用意する、発言のルールを決めるなどして対策できる可能性はあると思っています。

進捗管理の難しさ

一部の社員は毎日、もしくは毎週のタスクと時間割をしっかりと表にして進捗管理をしています。ただ、普段からこれをやっていない人の場合、進捗管理が非常に難しかったりします。また、書き出したとしても、種類がある仕事ではない場合にはなかなかタスク管理ができなかったりします。ここらへんは、もう少し検討が必要かなと思っています。

不必要なコミュニケーションの欠如

オフィスにいると、ちょっとすれ違うタイミングだったり、コーヒーを入れているタイミングでたまたま会った時、ランチのタイミングなどに不必要なコミュニケーションが発生します。これは直接的には不必要な何気ない会話でも、これがチームとしては必要なコミュニケーションだったりもします。

どうしても、オンラインで繋ぐようなことでないことは話さなくなってしまうということもありますので、コミュニケーションとしては密度が減ってしまいます。ちょっとだけ軽く聞きたいというようなことも、なかなかしづらくなってしまっているようです。

ここらへんは、元々はチャットコミュニケーションは多く取っているものの、軽く声かけるということは大切だということを改めて感じました。対策としては、定期的に何は無くても繋いでおくということもあっても良いのかもしれません。

運動不足になりがち

現時点では、目的が新型コロナウイルス(COVID-19)ですから、外に出て人混みに紛れるようなことがないというのが原則なので、自宅でのリモートワーク以外には外に出ることがありません。オフィスにいたとしても、そんなに動かないことが多いのに、通勤もせずに、一日中家にいるとなるとどうしても運動不足になりがちです。

残念ながら、全国規模でスポーツジムも閉鎖している状況なので、仕事が終わったら身体を動かすということもなかなか難しく、なかなか上手い対策は思い浮かびません。リモートワークしている人は意識的に散歩に出かけるなどするしかないと思います。

ドリンクやおやつ、トリニータでのフリーランチ

オフィスにいる時には、水、お茶、コーヒーがフリードリンクとなっていますので、リモートワークの人はこれらを享受することができません。また、会社負担でのおやつボックスがあり、それがちょっとした休憩時の気分転換も良いのですが、それも食べることができません。さらに大きいのは、トリニータでのフリーランチが食べられなくなります。

これらを自ら出費することになるので、リモートワークの人とオフィスに出社する人の間で不公平な待遇となってしまいます。

掃除当番のアンバランス

当社は火曜日と金曜日の朝に、全員でオフィス内外のあらゆるところを分担して掃除をすることになっています(もちろん、私もやります)。役割や掃除当番表になっているので、順繰りに担当していくことになります。

これがリモートワークの人は参加することができないため、出社している人が掃除する場所が増えてしまうので時間もかかり、大変になってしまいます。これが前述のドリンクやおやつ、トリニータでのフリーランチと逆の不公平な状況を生んでしまっています。

とりあえず1週間やってみただけでも簡単に解決できそうなことから、解決策がすぐには思いつかないものまで、割と課題が出てきました。現時点では、来週いっぱいを目処にトライアルは終了しようかと思っていますが、これは新型コロナウイルスの状況次第でもあります。それよりも長くなる場合には根本的な制度として上記の課題だけでなく、社員からもアンケートを募りながら対策を考えていく必要があります。

一口にリモートワークと言ってもさまざまな形があり、通勤がないから良いという面もあるものの、デメリットも多くあるということが分かってきました。世の中の会社はこれらの課題についてどのような対策をしているのか、知りたいところです。この記事を読んでくれているみなさまも、課題や解決策などあればコメントいただければと思います。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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