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- 2024年11月
正直なところ、普段はあまり自民党の政策に共感できないことが多いのですが、だからといって全ての政策が悪いということでもありません。今回の自民党の税制改正大綱(リンク先はPDF)には、目玉のひとつとして大企業の交際費を50%まで損金算入できるようにするという、とても経済への影響が大きい項目が含まれています。この政策については、私は賛成です。
企業の交際費課税では、資本金1億円超の大企業を対象に飲食費の50%までを税法上の費用(損金)として認め、法人税負担を軽くする。企業による接待を活発にして中小・零細事業者が多い飲食店を潤し、景気を下支えする狙いがある。
日経の記事は有料会員でないと全文読めないのが申し訳ないのですが、このニュースはさまざまなところで取り上げられているので目にした方も多いのではないでしょうか。
デジタルライフを彩るガジェットをメインで販売している会社のブログの割に、この記事がアクセスランキングのトップになっていることからわかるように、特に企業経営者の中では交際費の取り扱いについてはとても敏感です。上記の記事では、2013年4月からの税制改正で中小企業の交際費の上限拡大と100%損金算入が認められたことの影響力について書いています。日本の企業数の99%を占める中小企業の交際費の使い方が変わるということで、かなり経済に良い意味でのインパクトが与えられたのではないかと思います。
この勢いで大企業にも拡げていくことで、景気の上向きを持続したいというのが自民党の考え方です。
そもそも、なぜ交際費を損金算入させないのかが問題です。諸説さまざまあるようですが、交際費を自由に認めてしまうと自社の利益を簡単に操作できてしまい、結果として納税額を操作することができるということに繋がるからということのようです。それはそれでよくわかるのですが、それでも正当なビジネスの過程として会議室内だけの商談ではなく、懇親することで深く信頼感を築く場合もあると思います。その際の費用を会計上では経費として計上しても税法上は損金不算入として認められないというのは、あまり理解できる仕組みではありません。
今回、前述の交際費支出による利益操作を簡単に行なわせないようなブレーキ役として、交際費にかかった費用の50%までは損金計上を認めるということでモラルハザードが起きないように配慮している点も良いと思います。
もちろん、ただ交際費を使うことは納税金額は下げられることができるとしても、上記エントリーのように、結局のところキャッシュフローを悪くさせるだけなので、本当にビジネスとして成り立つ、最終的には果実が刈り取れるための投資だけに使われることが望ましいと思います。
これにより、2013年4月からの中小企業向け交際費の税制改正と合わせて、2014年4月からこの施策が成れば、特に飲食業界にとってはかなりの追い風になることと思います。ちょうど、消費税増税のタイミングと合わせて日本経済が冷え込むのではないかという見えない不安の中で、この施策がひとつのカンフル剤として影響するのではないかと思います。
また、元々大企業は交際費が損金不算入だったとして交際費としては支出していたわけですから、支出を増やすという目論見も期待しつつ、これまで使っていた分の50%は損金算入できるようになるので、事実上の大企業に対する減税措置とみることができます。個人的には、特に大企業への法人税減税には反対なので、このような正当なビジネスの過程における支出を費用として認めるという主旨や、経済を回すための支出を伴う減税施策の方は是非ともやっていただきたいと思います。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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