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- 2024年11月
トリニティに入ってから、スケジュールや打ち合わせなどで手書きのメモをとる量がすっかり減っていますが、なるべく手帳と筆記用具を持ち込むので、ほっしぃには「最後のペン派」などとからかわれています。
例えばスケジュール管理はGoogleカレンダーで管理していく方が便利ですが、重要な会議があるとか、「いやだなー」と思っている仕事の予定、会うのが楽しみな人との約束など同じように自分で書いている文字でも目の飛び込み方は違うので、やはりできるだけ手で書くことは省きたくないですね。むしろ、増やしたい。
昨今のニューノーマルな!? ビジネスマンのバイブルのようにもなった前田裕二さんの『メモの魔力』でも、書く瞬間に脳が受けるインパクトの大きさからアナログの文字は一度見つめてみるべき、とも書かれています。
手書きさえも減って、さらにタテ書きとなると、どうでしょうか? 個人的なところですぐ思いつくのは、私の母親が、孫である私の子どもに送ってくる便箋にタテ書きした手紙くらいです。自分の手書きも、ほとんどがヨコ書き。
今やWeb、メール、SNSなど目に触れ、書く文字は圧倒的にヨコ書きですから仕方がないかもしれません。
7月2日付の朝日新聞記事「タテ書き 絶滅危惧種?」で、情報学者のドミニク・チェンさんは、ある実証研究で読むときの負荷はヨコ書きの方が少ないという結果が出ていて、タテ書きよりも、情報を効率的に取得するのに向いているかもしれないと指摘しています。読み書きの効率化がヨコ書きということでしょう。
確かに、タテ書きの方が重みを感じるし、時間もゆっくり流れ、文字をじっくり味わっている気になります。新聞、雑誌といえどWeb版となれば、ヨコ書きがほとんどなので、タテ書きは今で言うところの不要不急の表記なのでしょうか。
同じ記事で日本語学者の屋名池誠さんは書き文字の方向は、時間順を示すと言っています。絵巻物や屏風などはストーリーの表現が右から左へ流れていることの例からもわかるように、日本のタテ書きも時間とものの考え方の順序と関係しているというわけです。書き文字の方向が変わることで古来からの日本人の時間感覚、ものの考え方は変わっていくのかも、いやすでに変わっているのだろうと思います。
これが悪いというわけでもないです。ただ世界的に、タテにもヨコにも書いたり読んだりできる言語は日本語くらいで非常に珍しいとされていますから、これを大事にしないのはもったいない。
判子しかりペーパーレスになっていく世の中にちょっとタテついて、手書き・タテ書きという絶滅危惧種を守ろうではありませんか。
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このブログを書いたスタッフ
マーケティング
ぽーる
雑誌編集者を経て転身。菓子パン、じゃが芋、ベーコン、ソーセージetc.人生を形作ってきたともいえるものを断ってきて、トリニティ入社を機に断酒。コーヒーもやめてみようかと思っていたが、思った以上にトリニティのコーヒーが美味しく、むしろワンモア・コーヒー。
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