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2021.11.03
今回はマーケティングチームが定めた5〜9月のブログテーマから選んだ「自分のチームの仕事内容や取り組みについて」、先日作成したAmazon登録フォームをご紹介します。
▼『Amazon登録フォーム』との闘い
トリニティはAmazonでも製品を販売しています。Amazonで販売するためには、Amazonのセラーセントラルから製品登録用のエクセルファイルをダウンロードして製品情報を入力し、そのファイルをシステムにアップロードする必要があります。この製品を登録するためのファイルを『Amazon登録フォーム』と呼んでいます。この『Amazon登録フォーム』に入力する作業。実はなかなか骨の折れる作業です。
『Amazon登録フォーム』の入力作業が大変な理由
- 登録する製品数が多いため、製品リストから必要な情報をひとつずつ登録フォームにコピペするとなると、完成までに膨大な時間がかかってしまう。多いときは、一度に200型番くらい登録する。
- 製品型番が似ているため、コピペミスが発生しやすい。
- 登録すべき膨大な製品数と間違ってはいけないプレッシャーで、とんでもない目の疲労に襲われる。そして、ものすごく気をつけているのに、間違ってしまうこともたまにあって悲しい。
もしかすると、Amazonに製品を登録されたことのある方は経験したことがあるかもしれません。製品を一括登録するための外部サービスもあるのですが、トリニティでは製品のリストをGoogleスプレッドシートにまとめていて、外部サービスに合わせたリストを作る必要がありそうでした。そこで、現在トリニティで使っている製品リストを用いて、登録したい型番といくつかの条件を設定すれば、『Amazon登録フォーム』が完成する仕組みを作ってみました。
製品のJANコードや型番、製品名や仕様の書かれたGoogleスプレッドシートから、IMPORTRANGE関数やVLOOKUP関数を使って必要なデータを『Amazon登録フォーム』に転記させるというのが、おおまかな仕組みです。転記する方法は現在お使いの製品リストによって多少流れが異なると思いますので今回は思い切って割愛し、『Amazon登録フォーム』の「バリエーション登録」に関わる項目の入力するコツをまとめていきたいと思います。
▼Amazonの「バリエーション登録」
以下のスクリーンショットのように、1つのページの中で色違いや素材違いの製品を選択できるようなページは「バリエーション登録」されています。トリニティに限らず、1ページの中で色や素材を選べるページはAmazonに多くありますよね。
これは、「Amazon登録フォーム」の中の
- 出品者SKU(item_sku)
- 親子関係の指定(parent_child)
という欄に適切なデータを入力する必要があります。「親子関係の指定」という言葉がちょっと難しいと思いますので、トリニティの型番を例に考えてみます。
▼「親子関係の指定」と親型番・子型番
たとえば、前述のAmazonページにある製品について。このページには色や素材違いで8つの製品があります。型番は下記の8つです。
- TR-IP20S-BC-SMBK
- TR-IP20S-BC-SMKK
- TR-IP20S-BC-SMRD
- TR-IP20S-BC-SMBL
- TR-IP20S-BC-SMGR
- TR-IP20S-BC-TEDW
- TR-IP20S-BC-TENW
- TR-IP20S-BC-TEKE
並べてみると、「TR-IP20S-BC-」まではすべて共通ということがわかると思います。そこで、トリニティでは「TR-IP20S-BC」までを「親型番(Parent)」と呼び、元の形である「TR-IP20S-BC-SMBK」を「子型番(Child)」と呼んでいます。この「親型番」と「子型番」を『Amazon登録フォーム』の
- 出品者SKU(item_sku)
に入力し、
- 親子関係の指定(parent_child)
の親型番の行には「Parent」、子型番の行には「Child」を入力することになります。次の章でより詳しく見ます。
▼「バリエーション登録」に必要なデータをサクッと作る
以下のスクリーンショットは『Amazon登録フォーム』をだいぶ省略したものです。バリエーション登録に関わる情報だけに絞ってまとめると、このような表を作るのがゴールとなります。「親子関係の指定(parent_child)」に「Parent」と「Child」が入力されているのがわかると思います。「バリエーション登録」に必要なデータをサクッと作る最大のポイントは、B列:出品者SKU(item_sku)に「親型番」と「子型番」がセットになるようにデータを準備することです。トリニティの製品リストには親型番の記載がありませんので、子型番から親型番を作って整理していきます。
【親型番と子型番がセットになったデータを作る手順】
- 製品型番のリストを用意する
- 親型番を作る
- 親型番と子型番を昇順に並べる
作業はすべてGoogleスプレッドシートで行ないます。
【手順1】製品型番のリストを用意する
子型番のリストです。
【手順2】親型番を作る
親型番は、子型番を「-(ハイフン)」で分解して、親型番に必要な部分だけをまた「-(ハイフン)」を挟んで結合して作ります。トリニティの場合、製品によって型番の文字数は異なりますが、構造は同じです。計算式をひとつ作ってコピペすることで、親型番をいっぺんに作っていきます。
1. 型番を「-(ハイフン)」で分解する
型番を分解するために、「SPLIT関数」を使います。
B列に
=SPLIT(A2,”-“)
と入力すると、セル:A2に入力されている「TR-IP20S-BC-SMBK」が「-(ハイフン)」を境に、「TR」「IP20S」「BC」「SMBK」に分かれます。それぞれ、「ブランドコード」「端末コード」「シリーズコード」「素材・カラーコード」と呼ぶことにします。
- ブランドコード → TR
- 端末コード → IP20S
- シリーズコード → BC
- 素材・カラーコード → SMBK
作った「SPLIT関数」をB列すべての行にコピペすると、それぞれの型番が分解されます。
2. 「ブランドコード」「端末コード」「シリーズコード」を結合する
分解したコードのうち、「ブランドコード」「端末コード」「シリーズコード」だけ結合します。この3つが先ほどからご紹介している「親型番」になります。F列:親型番に
=B2&”-“&C2&”-“&D2
を入力すると、「TR」と「IP20S」と「BC」が「-(ハイフン)」を挟んで結合され、「TR-IP20S-BC」になります。F列すべてに計算式をコピペすると、一気に親型番が作成できます。
【手順3】親型番と子型番を昇順に並べる
UNIQUE関数とSORT関数を組み合わせて、親型番と子型番が1セットになるように並べます。A列の子型番とF列の親型番をH列にまとめ、さらに、製品Aの親型番→子型番、製品Bの親型番→子型番、製品Cの親型番→子型番という具合に並べます。
完成した計算式はこのようになります。
=SORT({UNIQUE(F2:F);UNIQUE(A2:A)})
関数がたくさん入っていて無理と思われるかもしれませんが、大丈夫です! 順に見ていきましょう。
まず、
=SORT({UNIQUE(F2:F);UNIQUE(A2:A)})
の UNIQUE(F2:F) の部分。
これは、F列:親型番に存在している型番をひとつずつ抜き出すための計算式です。F列には
- TR-IP20S-BC が8つ
- TR-IP20M-BC が8つ
- TR-IP20M-BC が4つ
- TR-IP20S-ST が2つ
存在しています。ここから
- TR-IP20S-BC を1つ
- TR-IP20M-BC を1つ
- TR-IP20M-BC を1つ
- TR-IP20S-ST を1つ
抜き出してくれます。
次に、
=SORT({UNIQUE(F2:F);UNIQUE(A2:A)})
の UNIQUE(A2:A) の部分。
これも同様に、A列:型番から重複しないようにデータをひとつずつ抜き出す計算式になります。型番は元々1つずつしか存在していませんが、UNIQUE(F2:F) の部分と合わせて並べ替えるために、UNIQUE関数を使っています。
そして、
=SORT({UNIQUE(F2:F);UNIQUE(A2:A)})
の { ; } の部分。
小さくて見づらいですが、UNIQUE(F2:F) と UNIQUE(A2:A) を「;(カンマ)」でつなげて、頭に「{(波括弧)」、最後に「}(波括弧)」を入れています。波括弧とカンマが使われている関数を「配列関数」と呼ぶそうですが、私は詳しいことは理解していません。ただ、計算式をくっつけたいときは
「;(カンマ)」でつなげて、「{ }(波括弧)」で挟む
と覚えています。他のシチュエーションでは、たとえば、IMPORTRANGE関数を使って複数のシートからデータを拾い出して1つのシートに転記したいときによく使っています。QUERY関数やFILTER関数を使った計算式なども、複数シートから1つのシートに転記させたいときは、「;(カンマ)」でつなげて、「{ }(波括弧)」で挟むを試してみることにしています。うまくいかないこともありますが、たいていは思いがけず、うまくいくことの方が多い印象です。
そして、最後に、
=SORT({UNIQUE(F2:F);UNIQUE(A2:A)})
の SORT() の部分。
「SORT関数」はカッコの中の部分を昇順や降順に並べ替えてくれます。この計算式でいうと、UNIQUE(F2:F) と UNIQUE(A2:A) によって抽出されたデータを全部まとめて昇順に並べ替えることになります。そうすると、ただアルファベット順になるだけなのですが、親型番 → 子型番、親型番 → 子型番…という具合に、セットになって表示されるというわけです。Googleスプレッドシートに作成された結果を書き出してみると、下記のようになっています。
- TR-IP20L-BC … 親型番
- TR-IP20L-BC-SMBK … 子型番
- TR-IP20L-BC-SMRD … 子型番
- TR-IP20L-BC-TEDW … 子型番
- TR-IP20L-BC-TENW … 子型番
- TR-IP20M-BC … 親型番
- TR-IP20M-BC-SMBK … 子型番
- TR-IP20M-BC-SMBL … 子型番
- TR-IP20M-BC-SMGR … 子型番
- TR-IP20M-BC-SMKK … 子型番
- TR-IP20M-BC-SMRD …子型番
- TR-IP20M-BC-TEDW …子型番
- TR-IP20M-BC-TEKE …子型番
- TR-IP20M-BC-TENW …子型番
- TR-IP20S-BC … 親型番
- TR-IP20S-BC-SMBK … 子型番
- TR-IP20S-BC-SMBL … 子型番
- TR-IP20S-BC-SMGR … 子型番
- TR-IP20S-BC-SMKK … 子型番
- TR-IP20S-BC-SMRD … 子型番
- TR-IP20S-BC-TEDW … 子型番
- TR-IP20S-BC-TEKE … 子型番
- TR-IP20S-BC-TENW … 子型番
- TR-IP20S-ST … 親型番
- TR-IP20S-ST-AG … 子型番
- TR-IP20S-ST-CC … 子型番
ここまで作成したら、『Amazon登録フォーム』の「出品者SKU(item_sku)」の欄にこのままコピペして、他の項目を埋めていけば完成です!
とはいえ、他の項目を埋めるのもまだまだ大変なのですが…今回のところは「バリエーション登録」をするために親型番と子型番のデータをサクッと準備するための方法をご紹介しました。型番の構成がトリニティと異なることもあるかと思いますが、型番の中から親型番を抜き出せる「法則」を見つけることがポイントです。トリニティのように、型番の構成がどの製品も同じで、「-(ハイフン)」などの記号で分解できるようであれば、ご紹介した方法で親型番を作ることができると思います。もっとシンプルに、左から決められた文字数が親型番になりそうであれば「LEFT関数」が使えそうです。あとは、親型番と子型番をそれぞれUNIQUE関数に入れて、UNIQUE関数をカンマでくっつけて波括弧で囲んで、それをSORT関数に入れれば、親型番と子型番のセットの完成です。
計算式を1回作ってしまえば、2回目以降は型番を貼り付けるだけで、親型番と子型番が1セットになったデータを作ることができて便利です。『Amazon登録フォーム』と闘っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ試してみてください。
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このブログを書いたスタッフ
経営企画
あさすけ
とてつもない悩み性であったが、この会社に入ってから「死なない! 大丈夫!」が合い言葉に。日々、色々な人に助けられながら元気に働いている。透き通った歌声の、トリニティの看板娘。
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