- 10月
- 2024年11月
▼ようへいによる過去の知財に関係する記事
・模造品にご注意
・知的財産権は運用するものである(前編)
・知的財産権は運用するものである(後編)
その理由としては、以前にも書いてはいますがコピー品対策以外に、海外での商標ゴロ(最近ではパテントトロールなどと呼ばれています)対策、などもあります。
そして、この知財にかかかる取得費用というのは、私たちのような零細企業としては存外に大きな費用であり、将来の売りも見えない段階から大金をかけて投資していく、というような形になっています。
特許申請しても実際に権利化されるかどうかもわからず、もし権利化できてもコピー品に対する告発や、類似申請に対する異議申し立てなど、継続的にお金がかかってきます。
そうなりますと、私たち零細企業にとっては俄然、補助金をどうにか利用していこう、というモチベーションが出てきます。
さて、ここで一旦、日本という助成金を出す側にとっての特許出願の重要性を見てみたいと思います。
国別の特許申請数がニュースになります。これはどういうことかというと、端的に言って知財は国力をも表すものであるからです。
これを見ると、国の経済力、国力がそのまま出願件数ランキングとほぼ比例していることがわかるかと思います。逆に産油国などの資源国家はあまりランクインしてきません。中東など、国際的枠組みに参加しにくい事情があるとは言え、G20の中でも大きな格差があり、ドイツや韓国、日本などのこれといった資源のない国にとっては、特許は資源とも言えるかもしれません。
過去からの傾向について、2010年から比較すると日本も伸ばしているのですが、それ以上に恐ろしい勢いで伸ばしているのが中国であり、2017年ではとうとう日本を抜き去り、2位になっています。近い将来、一位のアメリカを追い抜くことでしょう。
中国の台頭について、特許は量だけではなく質がどうなのか、という点も非常に重要であり、ここについては疑問視されています。ですが、中には質の高い特許も相当数含まれてきているのは間違いなく、昨今の国力の一面を示唆しています。
中国は世界の工場から、世界の工場+技術開発研究所というように変貌しつつあるとも言えます。国や企業が経済活動を行なうにあたって知的財産権は非常に重要であり、知的財産権の質と量が揃う企業や国というのは、将来に渡って強い力を発揮していく物差しとして見ることもできるのです。
そして知財について国際的な枠組みが色々とありますが、それに参加する、しないもすべて政治的なことで左右されます。PCT国際特許出願において、EUについてはヨーロッパ各国が参加していますが、永世中立国であるスイスはEUの枠組みに参加していません。また、ブレグジットによりEUからの脱退が決まっているイギリスについても、今後はどうなるのかがわからないところです。
このように知財権というのはその国にとっての国力や、国際的な関係性を表すものという考え方から、政府としては国際出願を強く推進、助成金を出していく、ということになっているのだろうと思われます。
▶ 次回、『後編 – 補助金を受ける難易度』へつづく
あわせて読みたい
このブログを書いたスタッフ
開発
ようへい
開発、生産工程に関わる。家具メーカーのセールス時代に星川と出会い、意気投合してトリニティに転職。製品開発で中国に何度も通ううちに辛い食べ物に覚醒。隙があれば食べ物にハバネロソースをかけてしまうため、周囲から嫌がられている。
コメントを投稿
ログイン
登録
他のサービスIDでログイン
Log in with Facebook Log in with Twitter Log in with Googleログインせずに投稿する場合には名前とメールアドレスを入力してください。
管理者の承認後、コメントが表示されます。