- 11月
- 2024年12月
2月の頭にThoughts on MusicというタイトルでApple社のCEO Steve Jobs氏がDRM(Digital Rights Management)、いわゆる著作権保護用のコピープロテクションを無くすという選択肢を提示したことで話題になりました。たしかに、CDから取り込んだ場合のみDRMフリーとなり、オンラインストアなどで正規に購入した楽曲には制限が付けられるという不公平さは、オンラインでのプロモーションから試聴、そして購入に至るプロセスがより簡単になっていくであろう将来を考えると、旧態依然であるであるとの批判は免れない状況でした。
そして、ほんの先ほど、イギリスのEMI Music(東芝EMIの親会社)からのプレスリリースによると、EMI Musicの楽曲はDRMフリー、つまり著作権保護用のプロテクションをかけない状態で販売されるようになり、Apple社のiTunes Storeがその最初のオンラインストアになるということです(このニュースの詳細はいろいろなメディアで報道されると思いますので割愛)。今思えば、これを見越した上でのSteve Jobs氏のコメントだったわけで、これを他のメジャーレーベルにも追随して欲しいということなのでしょう。
なお、DRMフリーの楽曲はこれまでの楽曲とは区別され、これまでのものはそのままDRM付きとして販売され0.99ドルで変わらず、DRMフリーの楽曲は1.29ドルになるということです。嬉しいのはDRMフリーというだけでなく、楽曲のエンコードフォーマットがAACの256kbpsに変更されること(よりハイクォリティ)、現在持っている楽曲からのアップグレードも用意されること、アルバムは価格はそのままでハイクォリティな方が購入できる、などの特典付きです。
これまで、iPodを含めたミュージックプレーヤーや、コンピューター上のソフトウェア、オンラインストアの対応DRM技術によってさまざまな「縛り」がありましたが、このEMI Musicのような方式になっていけば、どのプレーヤーで聴くことも、オンラインストアで買うことも、それこそフリーとなるわけです。
私たち消費者としてはEMI Musicの英断に感謝しつつ、絶大なる支持を送ることでこれからのオンラインミュージックが盛り上がっていくように期待するしかありません。私たちは、違法コピーをしたいわけではなく、自由に楽しみたいだけで、高音質かつ縛られない使用法であれば、楽曲を購入するのにためらいはないのです。
追記:アップルジャパンのプレスリリースが出ていたので、追記しておきます。
EMIのスペシャルイベントに出演したSteve Jobs氏は「DRMフリーの楽曲をiTunes Storeで販売することにより、(iPodでしか再生できない)という「縛り」が外れiPodの売り上げに影響するか」という質問に対し、「アップルの成功は一番使いやすい最高のミュージックストアとプレーヤーを提供することで築かれており、それについては変わらない」という趣旨の回答をしています。さすが、iPodとiTunes Storeの大成功に裏打ちされた自信たっぷりの回答ですが、しかし実際その通りですね。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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