円高の影響

2008.11.15

普段は製品に関することや、当社のサービスに関すること(くだらないこと)などを書いているのですが、たまにはこういう話題も書いてみても良いのではないかと思ってチャレンジしてみます。

まず、円高について。アメリカ発の金融危機によって相対的に円高が続いている昨今ですが、私たちのビジネスでいえば、これまで「1ドル=110円」時代には110円で買っていたものが「1ドル=100円」になれば当然100円で買えるわけですから「何もしなくとも」利益が多くなるという結果になります。その意味においては、全体的に見れば当社のように海外から輸入をしたり、海外で生産をして日本に輸入をしてきて、ドル建て(ユーロ建ても同様)で決済をしている会社には「良い傾向」であることは確かです。

しかしながら、通常の取引では毎日毎日支払いをしているわけではないので、今日1円下がったあがったということで大幅に変わることはありません。また、一般的な輸入業者はこれらの為替リスク(当然円安になれば「何もしなくとも」利益が少なくなるため)を避けるために、ある一定の為替レートにおいて「予約(ある一定の価格で一定期間買い続ける約束)」を行なっています。したがって、円高の効果はすぐにあらわれるものではなく、またすべてにかかる訳ではないのです。

円高基調であるために円高還元セールをやるスーパーなどがあるために、当社製品なども値下げが行なわれる可能性を聞かれることがありますが、スーパーなどと違い、価格がある程度一定で推移している製品ばかりのため、リンゴが円高還元セールで100円になっていたけれど、来週はそれが終わって120円になっていた、というようなことはできないわけです。

そう考えると、円高の利益を自社内に留保して「儲けている」のではないか、ということになるわけですが、現時点だけ考えるとその通りではあるのですが、たとえば円安になった場合にもそれを理由にして値上げをすることは「おそらく」ありません。もちろん、当社内での想定為替レートというものがあり、何らかの理由でそれを大幅に上回る円安の状況になった場合には「検討」せざるを得ないときもあるので「絶対」とは書きません。iPod用ケースでいうと、価格据え置きで量を減らして「実質値上げ」みたいなことはできないのが辛いところです(笑)。

ほんの少し脱線しますが、為替よりも怖いところとしては「消費税率の変更」です。少し前から社会保障費の補填のために消費税率の変更(もちろん増加)の話が浮いては沈んでいますが、「いつかは実現する」ことになるでしょう。

その場合に、現在のように価格を総額表示している場合、たとえば税込980円の商品などは1,000円というラインの瀬戸際なので非常に困ってしまいます。980円の製品は実際には税抜きでいうと933円に消費税5%が加算されているわけですが、これがたとえば10%になった場合、税込1,026円となります。これが許されるかどうか、というところですが、やはり1,000円というボーダーラインを越えてしまうので消費者心理として高いなと感じてしまうことがあるのではないかということと、販売店側から中途半端な金額はいやがられてしまう可能性があります。そうなると、税込980円というのを維持するとなると税抜き890円になり、値下げする理由がないにもかかわらず値下げせざるを得なくなってしまいます。このことを考えると、夜も眠れなくなります(ちょっと大げさ)。

脱線ついでに書いてしまうと、経済誌でも一般紙でもテレビのニュースでも「円高による不況」が必要以上に喧伝されているように感じます。その国がどのような産業で成り立っているかによって円高の影響は変わってきますが、日本を代表する企業のほとんどが製造業であるということから、それらの企業の海外での収益が悪化して結果不況に陥るという循環を説明しています。もちろん、その筋の方々が考えていることなので間違っているとは思いませんが、円高の恩恵というものもたくさんあるということをもっと説明していただいて、「心理的不況」に陥らないようにしてもらいたいものです。

金融危機によって実体経済にも影響が出ていると言いますが、実際に円高を理由に給料が減ったという例はあまりありませんし、倒産企業のほとんどが「金融」によるものだといえます。自動車メーカーなどが円高を理由に営業利益の減少を大々的に宣伝しているようですが、さきほどの予約の部分もあるはずですし、このような為替リスクを軽減するために現地生産している部分もたくさんあるはずです。そして、なんといっても、宣伝されているような減益が現実に起こっているとしても、我々のような零細企業からは考えられないほど利益(数千億円)を稼ぎ出しているわけです。これって、前提の金額が高すぎただけなのではないですか? と思ってしまいます。

いろいろなところで「不況」と喧伝されることによって、「不況だから…」という心理が働き、消費を抑制してしまったり、投資を延期するようなことが起きているのではないかと思うわけです。

円高は特に一般的な消費者にとってはメリットの方が大きいのではないかと思います。たとえば、先ほど例に挙げたような食料品や生活雑貨など回転していく製品に関しては円高還元の値下げが行なわれることが多くあります。身の回りを見渡してみると、生活の大部分が輸入品によって成り立っていることがわかるでしょう。これらの輸入品は基本的には円高になることによってメリットが生まれます(前述の様に、それがすぐに目に見えるかは別として)。

脱線しすぎて何がいいたいのかわからなくなり、結論というものはないままにこのエントリーを終えてしまうわけですが、相対的には不況なのかもしれませんが、絶対的にはそれほど不況とはいえないのではないかと思っています。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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