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2012.11.25
AUGM気仙沼の開催からすでに2週間が経過し、六日の菖蒲とか十日の菊とかいうらしいですが、それでも書いておきたかったのでAUGM気仙沼の翌日について。
最近のAUGMのパターンとしてはAUGM本会開催前日に関係者を中心とした「前夜祭」が開催され、本会の日は参加者全員対象の「懇親会」があり、翌日には帰りの時間に融通がきく人だけ「翌日観光」というのがあります。基本的には地元の方々と名所を回らせていただいたり、名物を食べさせていただくというのが多いのですが、今回のAUGM気仙沼は初開催ということもあり、スタッフの方々がそこまで余裕がないということだったために、気仙沼の有志が開催しているという「気楽会の観光案内課「「ひとめぐりツアー」」に参加させてもらうことにしました。
どんな方々が開催されているのかわからなかったのですが、基本的には若者が中心となって開催しているようで、今回の参加者も若い人が多かったです。特に誰に言われたわけでもなく、自発的にこういう集まりがイベントが開催されていくというのは、地元の方々の意識の表われだと思います。
最初に軽く自己紹介をした後コース説明をしてもらい、みんなで歩いて出発。観光ツアーというわけではないので、ひとつひとつ細かく説明してもらうというのではなく、歩きながら、建物や自然を見ながら話をしていくというスタイルでした。
気仙沼の建物にはポートレートがあるところが多くあります。これはフランスのストリートアーティスト「JR」という方の活動の一環だそうで、ここに住んでいる人たちがいるということを強烈にアピールする表現方法でした。正直、不謹慎ながら最初は分からずに、その家にいて震災で亡くなってしまった方々の写真かと思ってしまいました。この写真でも分かるとおり、実際にはここにいる彼の写真が後ろにあるように、今も住んでいる方々の写真です。
菓子店を営んでいた小山氏が実際にその流されてしまった跡地で、その時の様子を細かく説明してくれました。自分の住んでいる家が、目の前で流されていく、そして避難した人たちを誘導して脱出していく話を目の当たりにすると、ものすごい悲しみもあったのだろうなと想像しつつ、それを語ることは辛いことでもあるのに伝えていくことが大事だと思ってその役を買って出てくれているんだと感じました。1年以上経った今もまだそこは更地のままでしたが、小山氏はこれから復興する決意を語ってくれました。ちょっと検索していたら小山氏のブログも発見したのでリンクしておきます。
市場の方まで歩いて行くと、鮮魚などを卸している会社「磯屋水産」の安藤氏が元気いっぱいに話しかけてきてくれました。プロレスラーを目指していた(だった?)という安藤氏は語り口も軽快で楽しく、津波の時の様子を細かく説明してくれたのですが、それがまるでテレビドラマを見ているようでした。しかし、その語り口とは裏腹に、いろいろなものが流されていってしまっていたわけです。それでも、元気に、たくましく、徐々にではありますが復興させていこうという気持ちが強く伝わりました。
すがとよ酒店を営まれていた菅原親子の話も強烈でした。お父さんが津波に流されてしまって、その後も発見されず、どこかで生きているんじゃないかと手紙を書いたという話は有名で、その文章を読んだだけで涙腺が緩んできてしまいます。今は、少し離れた仮店舗で営業し、いつかは酒店を、そして元の商店街を取り戻したいと話してくれました。
去年、訪れたときの船はそのまま。震災から1年以上経っても、さすがにがれきは減ったものの、更地が増えただけでそこに何かが作られるということはなく、まだまだ復興というにはほど遠い現実を目の当たりにしました。
前回はお昼くらいに到着して夜に帰ったということもあったので車でぐるっと回っただけでしたが、今回は実際に震災を体験された方々の話を聞くことができ、そして、細かなところも含めて気仙沼の町を歩いて回ったことで前回とはまったく違う「現実」を感じることができました。
ただ、それでも、それぞれいろいろな事情がありつつも、話を聞いたすべての方が未来について語ってくれたこと、ここに希望があるのではないかと思います。私たちは普段、テレビやネットのニュースなどでは段々と被災地の情報が流れなくなっている中で、なんとなく時間も経ったから復興もしてきただろうと思いがちですが、現実を見ればまだまだだということがわかります。
現地の方々と話す中で、行政や政治にはいろいろと不満もあるようでしたが、特に私たちのような被災地から離れたところに住んでいる人には「特別なことをしなくても良いから、忘れないで欲しい」ということを願っているそうです。そう、忘れないで、そして無理しなくても良いから時間を作って訪れる、ということが大事なんだな、と思いました。
これからも気仙沼に限らず、復興の成長も見続けていきたいなと思いますし、訪れることで忘れていないよ、ということを少しでも伝えられれば良いなと思います。
最後になりましたが、気楽会のみなさま、突然参加させていただいたのにもかかわらず、暖かく受け容れていただいてありがとうございました。これからもがんばっていきましょう。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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