- 11月
- 2024年12月
いわゆる「アベノミクス」で大胆な緊急緩和が行なわれ、お金の供給量が増えたことにより相対的に日本円の価値が下がり、為替相場は円安方向に振れていき、輸出を柱としている製造業の大企業が潤ってきて、株価が上昇しているという結果になっています。これはこれで、現在の政府与党が有言実行で進めているということは、政策を実行するために政治を行なっている人たちからすると当然のことと言えますし、これまでは言いっ放しで実行されていなかったことから考えると好転しているとも言えます。
ただ、アベノミクスはここからさらに次に進んでいただかなければなりません。それは、企業の景気が良くなったことで賃金が上がり、消費を刺激することでモノやお金が市場に出回り、結果として物価が上昇するというところまできていただかないと、本当に景気が良くなってきたとは言えません。実際、円安になっているといっても多くの大企業は為替予約をしていますし、ドルで得た利益を時価で計算すれば日本円としての利益は増えているかもしれませんが、実際にそれを実行しているかといえば、まだ含み益が増えたというだけの状態です。株価にしても、上がったとしてもそれだけで急に現金が増えるわけでもないので、今はまだ「景気が良さそう」もしくは「良くなりそう」という序章に過ぎないわけです。
さて、現実的に私たちのビジネスに立ち返ってみると、日本国内で製品を販売している上では、景気がどうこうということで価格を上げる方向に変更することは非常に困難ではないかと思っています。たとえ給料が上がったとして、可処分所得が増えたとして、何か欲しいモノでも買おうかとなった場合に、ついこの間まで1000円で売られていたモノが、まったく何も変わらないのに1500円になっていて買うでしょうか。正直なところ、私だったら損した気分になるので買いません。
理想的な価格の上昇とは、製品にこれまで以上の付加価値を追加ことで、相対的なバリュー感が出て、絶対的な価格の上昇を感じさせないようになることです。そう考えると、現実的には景気の動向だけで価格を上げることはできず、なにか新しい付加価値を盛り込んでいかなければいけませんが、それは基本的にはコストがかかることになります。それであれば、実のところ今でも取り組んでいることなのです。
地価や不動産のような価値自体も同時に上下するような物件と違って、私たちが取り扱っているような製品については、金融政策や政府の口先介入だけでそう簡単に価格を上げることはできないと思います。やはり、昨日も書いたようにただ待っているだけでは何も変わらない、自ら付加価値を製品に盛り込んでいくことに努力していかなければならないわけです。
書いてみれば当たり前のことですが、経済誌などを見ていると、なんだか自動的に物価が上がっていくような錯覚に陥りそうなので、それは特殊な業界の話であって、私たちのような物販を行なっている会社には当てはまらないのだということをしっかりと認識しておかなければなりません。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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