- 10月
- 2024年11月
iPhoneやスマートフォンのように画面が大きくなる傾向にある昨今のモバイル端末は、それに伴って液晶保護フィルムの需要が高まっています。当社も液晶保護フィルムはいろいろと出しており、他社とは違うひと味違った機能を提供していることもあり、それぞれの販売も好調に推移しています。
液晶保護フィルムといっても実は百花繚乱で、傷を付けないことに主眼に置いていたり、落としても割れない衝撃吸収だったり、高い透明度を誇るフィルムだったり、光の映り込みや反射を防止したり、とさまざまな効果のフィルムがあります。たとえば、傷を付けないことをメインに考えると強化ガラスの製品が良いのですが、実は落とすとすぐに割れてしまうので衝撃吸収の方が用途によっては合っていたり、反射防止をしようと思えば透明度が捕れなかったりするなど、それぞれに一長一短があり、なかなかこれが決定版というフィルムはできないのが現状です。この例だけで考えても、それぞれは相反する機能なので両立することは難しいからです。
さて、今回ちょっと気になるブログ記事を見つけたので、保護フィルムの中でも重要な1つの機能として提供されている「防指紋」効果について考えてみたいと思います。
当社製品でも売れ筋の【Simplism】iPhone用バブルレス保護フィルムセット(クリスタルクリア)[Bubble-less & Anti-Fingerprint Film Set for iPhone 2012 Crystal Clear]などは品名が長すぎると言われるくらいで気泡が入らないバブルレス機構に加えて、防指紋(Anti-Fingerprint)機能を提供しています。実のところ、このフィルムには抗菌効果も加えているので本来は「Bubble-less, Anti-Fingerprint & Anti bacteria Film Set for iPhone 2012 Crystal Clear」となるわけです。
と、余計なことは置いておいて。
さきほど紹介したブログ記事では防指紋効果について油性マーカーを使ってテストすることで防指紋効果を検証しようということで実験をしています。しかしながら、このテストでは本当の意味での防指紋効果は確認できないのと、またテストの前提が少し違っていることを指摘したいと思います。
まず、テスト前提として6つのフィルムを用意していますが、油性マーカーを弾く仕様だったと言われている(暗に防指紋効果が高いとする)フィルム2種とそれ以外の4種では仕様が根本的に異なるのではないかという疑問があります。前者はメーカーのサイトを見る限りはアンチグレアフィルムで、当社製品を含む後者はクリアフィルムなのです。この2つはそもそもは透明度を追及したクリアなタイプと、光を拡散させてギラツキを無くすためのタイプで前述のように相反する仕様のフィルムです。構造もかなり違うので、この2つを比較することは、元々の仕様が違うのであまり意味がないといえます。比較テストするのであれば、前者2つのフィルムもクリア仕様のフィルムを用意するのが良いのかな、と思いました。
さて、これとは別に一般的な防指紋効果についてですが、その名の通り「指紋を防ぐための効果」ということになります。特にiPhoneやスマートフォンなどの指で触れて操作を行なうデバイスの場合には、そこに指紋が付いてしまうとどうしても汚らしく見えますし、あまりにも指紋が残ってしまうと画面が見えづらくなってしまいます。
そんな指紋の問題を解決するために、現状は保護フィルムではおおよそ3つの対策があると思います。1つ目は今回の土俵には上がりませんが、アンチグレアと呼ばれるフィルムにすることです。これは前述の通り元々光を拡散させて光の反射で画面が見えづらくなるのを防ぐのですが、この拡散効果を狙った機構が指紋を目立たなくさせる効果を生む場合があります。なので、アンチグレア系はそもそもあまり指紋が目立たない防指紋効果が元々兼ね備えられているということになります。ちなみに当社でも販売しています(防指紋とはうたっていませんが)。ただし、この欠点は完全なる透明度を出すことができないということです。
また、ここからが今回の主題ですが、防指紋効果を発揮させるために通常2つのアプローチがあります。1つは今回のテストでもメインのチェック方法としている「撥油」、つまり油を弾くコーティングをすることで、指紋とは指先の油脂が付くものですから油を弾くことで拭き取りやすくすることができます。以前はこのタイプが結構多かったように思います。ただし、油分が固まるため拭き取る前には指紋は目立ってしまいます。つまり常にクリーニングクロスなどをお持ちで、拭くことを厭わない場合にはこちらのタイプもお薦めといえます。
当社の防指紋効果の方は「親油」、つまり指紋を「馴染ませて」しまう効果を持つもので、拭き取りやすさというよりも油脂を目立たなくさせることを目的としています。特に、単にタッチするだけでなく、指でなぞって操作したりする場合にはこの「馴染ませる」効果により指紋のラインが見えにくくなるのです。
当初は撥油タイプが多かったものの、パッと使ったときにはそれほど指紋が目立たなくならないために、当社では親油タイプにしており、他社もそちらが多くなってきているように思います。これはパッと触ったときに指紋が目立たないので防指紋効果を体感しやすいためです。もちろん、前述の通り拭き取り性能は撥油性タイプの方が高いので、どちらが良い悪いという明確な優劣はないのですが、当社としては日常的に使って指紋が目立たないようになる、という体感を重視した仕様設計をしているのです。
したがいまして、防指紋効果をテストするのに油分が浮くかどうか、というだけではテストとしては不十分なのではないかと思いますし、実際にフィルムを並べて指をなぞって横断していっていただくと指紋の付き方が「親油」タイプの方が目立たないということが分かっていただけるのではないかと思います。
尊敬する方のブログ記事に対して反論するのは憚られましたが、私としても信念を持って開発しておりますので、この点だけは書かせていただこうと思った次第です。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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