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- 2024年11月
今までになかった発想で予約も順調に伸びている【Simplism】iPhone型バッテリー [iPhone Shaped Battery]について、もう少しだけ語ってみたいなと思います。iPhoneと同じ形ということで目を引くかもしれませんが、そこよりも着せ替える楽しみ、自分なりのスタイルを作れるというところが趣旨のモバイルバッテリーですが、リリースに至るまでに聞くも涙、語るも涙のストーリーがあったのです(誰かに言いたい)。
この製品、構想は2012年の冬に始まりました。それがどうして1年以上もかかったのか。最初の大きな困難はUSB端子でした。
Appleも最近、iPodの始まりの頃から採用していた30ピンのDockコネクターを廃止し、もっと小さいLightningコネクターを採用しました。これはどんどん薄型化していくのに従来のコネクターでは端子を入れられなくなったからです。その結果、iPhone 5はまさに驚くべき程薄く仕上がりました。
今回のiPhone型バッテリーは、当然その名の通りiPhoneとまったく同じサイズでなければいけません。そうでなければiPhone用のケースを装着することができません。しかし、iPhoneと違って、モバイルバッテリーには2つの端子が必要です。バッテリーへ充電するための端子とバッテリーからiPhoneやスマートフォンなどのデバイスを充電するための端子です。一般的には前者がMicro-USB、後者がUSBのType Aと呼ばれるものです(コンピューターなどに付いているメス座の端子)。
しかし、iPhone 5の厚みがたったの7.6mm。実際にはガラス面を抜くとそれよりも狭い場所に入れ込まなければならず、一般的なUSB Type Aのコネクターパーツのサイズが7mmくらいですから、普通に考えると入りきらないのです。だからといって、もっと小さいコネクターを使用してしまうと一般的なケーブルが使えなくなってしまいます。それでも、なんとか入れ込みたいと試行錯誤した末に成功することができました。これで、超薄型ながら普通のモバイルバッテリーと同じように使うことができるようになりました。
もし購入していただいたならば、このUSB端子を眺めて、この苦労を想像していただけるとご飯が3杯くらいいけるのではないでしょうか。
実はもうひとつ、完成に近づいてからハマった問題があります。それは、検査をしてみるとiPhoneケースが入らないことがあることでした。たしかに設計上はiPhone 5とまったく同じなのですが、どうしてもプラスチックの成型と金属でなおかつエッヂがレーザーカットのiPhone 5とは精度の差が出てくるのです。また、バッテリー側は超音波圧着で組み立てをしているのですが、ここにも少しばらつきが出てきています。そのため、比較的緩いケースは問題ないものの、一部の精度の高いケース、もしくは逆に精度が悪いけれどもギリギリひっかかっているケースなどでは正しく装着することができませんでした。
そのため、0.1mm以下のレベルでiPhone 5とは少し異なる微調整をしています。また、圧着の「揺れ」についてはどうしようもないので、1つ1つケースにはめて検査してから出荷をしています。その意味では、相当なコストをかけているのです。
最後に、我らがガジェットマスター、ジェットダイスケ氏の動画レビューをご覧ください。やっぱり薄い,軽いという点と、Androidでも使えるなどいろいろな視点で語ってくれています。LEDフラッシュのところだけは前回書いたようにあえて光量を弱めて拡散させるようにしているのです。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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