- 10月
- 2024年11月
今年の記録的な暑さ
沖縄より南にある香港に出張を繰り返している私としては、本当に日本がどうかしていると感じるほどで、帰国のたびに溶けてしまいそうな暑さにやられています。ニュースでも熱中症で倒れてしまう方や、車内に乳幼児やペットを残して事件になっていることなどが報道されています。
さて、この記録的な暑さについて、人間だけでなく身の回りの意外なものも危険に晒されているのです。
それはスマホやそのケース、フィルムになります。スマホが熱を持てば、動作が遅くなったりシャットダウンするのは当たり前として、実はケースやフィルムも想定以上の高温になると問題が出てくることがあります。
車の中にある危険地帯
路上に置かれた車内の暑さについて、JAFのレポートがありました。気温35度の時、1時間で車内温度が50度を越す、という驚きの結果です。
この50度という温度は空気の密度が落ちすぎて飛行機も飛べなくなる、というレベルの暑さで、長時間に耐えられないのは間違いありません。
さらに恐ろしいのは、この50度もあくまで室内温度のことであり、ダッシュボード上の温度はなんと70度を超えています。これはゆで卵でも作れるような温度になっています。
さらに注目すべきは、エアコン作動をして室内温度が下がっても、ダッシュボード上は61度をキープしている、という事実です。これはつまり、通常走行中でもこの温度に達する可能性があるということです。
では、皆さんはダッシュボード周りに何か置いたりしていないでしょうか?
結構多くの方がダッシュボードにスマホを置いたり、スタンドアームで設置していたりすると思います。これがアクシデントを呼ぶことがあるのです。
スマホ本体へのダメージはもちろんですが、それをカバーしているフィルムやケースにもダメージが発生している可能性があるのです。
熱に弱い樹脂、「TPU」
昨今、ケースやフィルムによく使用されているTPUという樹脂ですが、
・高い透明度
・耐衝撃性
・成形性の良さ
・人体、環境に優しい
という大きな利点があり、スマホアクセサリーのみならず、さまざまなものに利用されています。
ただし、問題もありまして、
・熱に弱い
・紫外線で黄色に変色する
という問題があります。
TPUという単語は「熱可塑性ポリウレタンエラストマー」の省略で、「熱可塑性」とは、通常温度では固形物、熱を加えると溶けて、冷えると固まる、という素性を表しています。
つまり、ケースやフィルムの形状になっていたとしても、想定以上の温度が加わると変形が始まるということになります。
実は、これは堅いプラスティックの代表であるPCやABSでも起こるのですが、TPUに比べて変形が始まる温度が高いため問題が出にくいのです。
この熱に弱い、というのはどの程度の温度でどのような問題が出るか、と言いますと、大体60度から70度を超えた温度が長時間続くと変形が始まり、膨らんだり歪んだり、茶色く変色したり、周りの付着物の色素を吸収したりすることが起こります。
残念ですが一度変形してしまうと戻すことはできません。ただ、60度を超えるような温度は、ケースへのダメージもそうですが、スマホやバッテリーへのダメージも深刻なものになり得ます。
この暑い夏、今一度設置場所に気を使ってもらいたいなと思います。
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このブログを書いたスタッフ
開発
ようへい
開発、生産工程に関わる。家具メーカーのセールス時代に星川と出会い、意気投合してトリニティに転職。製品開発で中国に何度も通ううちに辛い食べ物に覚醒。隙があれば食べ物にハバネロソースをかけてしまうため、周囲から嫌がられている。
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