- 4月
- 2025年05月
2025年5月1日、ニュースページでも公表している通り、本日をもって私、星川哲視は約20年前に創業をしたトリニティ株式会社を「卒業」することとなりました。「卒業」という言葉は厳密に言えば正式な呼び方ではなく、「代表取締役を退任」したということになります。
また、株式会社は株式を所有している株主と、経営を執行する取締役がありますが、前者についても全株式を譲渡しましたので、私は経営も所有もしなくなりました。とても簡単に言えば、トリニティ株式会社とは法的には無関係になったということになります。
もちろん、冒頭に「卒業」と書いている通り、これは計画的に行なわれたことであり、何か問題があってのことではありません。むしろ、これを機にトリニティは新たなステージに登っていくようになります。私にとっても、トリニティにとっても、一つの節目であり、新しいスタートなのです。
なぜ卒業するのか
ニュースページでは事実を淡々と書いているだけなので、そこの背景について疑問に思われる方もいらっしゃると思います。中小企業の場合、創業者が辞めるというのは多くの場合、高齢化して経営ができなくなった、不祥事を起こした、などが思い起こされますが、今回はそれらとは異なり、私とトリニティの未来のために卒業します。
実は、この話についてはこれからテキストでも書いておきたいと思っていますが、トリチャンで結構しっかりと話しているので、整理していないけれどもありのままに語っている生の声としても聞いていただけると嬉しいです。最後くらいはちゃんと質疑応答を吟味して、回答することを決めて喋っても良かったかもしれません。ただ、それだと本音が見えてこないのではないかと思って、あえて台本もリハーサルもなしで収録しています。かなり赤裸々に語っているところもありますので、結構面白いと思います。是非ともご覧ください。
トリニティは今日で20周年記念の年となり、私は人生50周年を迎えました。この区切りに、トリニティは次世代へ承継し、私は残りの人生において何かチャレンジできることを模索していくために、「卒業」することとしました。
トリニティを創業して約20年。私としては24時間365日、どこかで常に気にして、心配して、何か新しいことをやろうという気持ちでやってきました。私自身も50歳となり、まだそこまで老けた、衰えたという気持ちがない中で、新しいチャレンジをし続けたいということと、まったく違う情熱を注げることもあるのではないかということを考えていました。構想だけで言えば、それは10年くらい前からあり、具体化して実際に計画をスタートさせたのはおおよそ3年くらい前になります。
繰り返しますが、今も変わらず社員含めてトリニティが大好きで、決して放り出すというわけではありません。この区切りに向けて綿密に計画をしてきた結果として今日、私自身も、そしてトリニティ一同も大きな問題を抱えることなく、この日を無事に迎えられています。
トリニティは、新たな経営陣の元で、これまで築き上げてきたビジネスモデルをさらに拡張して成長していくことができると確信しています。創業者がこんなにも安心して次の世代に承継していくことができるというのは、私が知る限りかなり珍しいことではないでしょうか。それは、後を引き継いでくれる山本洋平と佐藤拓のおかげでもあり、社員一同のおかげです。
創業者でありこれまで代表取締役として務めてきた身としては、自分がいなくなってもまったく問題なくビジネスが成長していくというのはほんの少しだけ複雑な気持ちもありますが(笑)、それはその準備をしっかりとしてきたからだと思います。
なお、トリニティのグループ会社としてスマートフォン向けカジュアルゲーム開発会社のエウレカスタジオ株式会社は、トリニティから離れて、私個人の会社として継続して私が代表取締役を務めることとなります。エウレカスタジオはゲーム開発をして世界に配信するという、トリニティとはまったく異なるビジネスモデルでもあり、トリニティのグループになっても運営に関与していたのはほぼ私だけという状態だったので、これを機に私個人に移管することになりました。
社員数も10名以下と小規模ながら、「世界中、いつでもどこでも誰にでも、心が踊る体験を!」というスローガンのもと、iOS/Android向けゲームを企画・開発して世界中に配信していきます。
これから何をするのか
なぜ卒業するのか、の問いに対してここで書いたことだけでは全然足りてないとはいえ、説明はした上で、次に出てくる疑問としては「これから何をするのか」ということだと思います。
前述の通り、約20年前にトリニティを創業してからの日々は、どこかでずっとトリニティを意識していて、何かできることがあるのではないかと考えていました。これから、少しの間は自分自身の再充電期間にしたいと考えています。したがって、すぐに何かのビジネスを立ち上げようというつもりはありませんし、現在のところまったくの白紙です。
これまでトリニティのために封印してきた「ギター」だったり、「小説」や「映画」、「漫画」などを再開していろいろとインプットを増やしていきたいと思っています。その中から、何か新しいアイディアが思いつくかもしれませんし、思いつかないかもしれません(笑)
ぼんやりとインプットだけをしていても身につかないということもあるので、今日から個人サイトとして「hossy.org」を立ち上げて、ブログ記事を書いてアウトプットも増やしていこうと思っています。また、「リアル経営」というPodcast番組も今日から配信を始めます。自分のこれまでの経験などをリアルに語り、ノウハウを共有していくことが、誰かの何かの役に立つことがあるのではないかと考えています。
短期的には誰かのビジネスに役に立てることもあるのかなと思っていますので、コンサルティングだったり社外取締役ということもあり得ると思います。そして、トリチャンでも少し語っていますが、もう少し長い目で見た時には「地域への貢献」というのもぼんやりながら考えています。
これまで培ってきたノウハウを活かしてビジネスをサポートしたり、デジタル化やAI活用による生産性向上を通じて、地域の活性化に貢献できることもあるのかなと思っています。世の中には、技術があったり、情熱があったりするものの、それをうまく活かせない人がいます。その人たちの得意なところを伸ばして、そうでないところをサポートしてあげられることができたら良いのではないかと考えています。
総じて、「誰かの何かの役に立つ」ということがこれからやりたいことなのだと思っています。トリニティという看板がなくなった上で、個人として何をやりたいか、何ができるか、を少しの間は模索する時間があると思いますが、最後には何かの形で「誰かの役に立つ」ことをしていきたいと考えています。
最後になりましたが、トリニティでの約20年間の間に関わってくださったすべての方々に多大なる感謝の気持ちをお返ししたいと思います。製品を買ってくれたユーザーのみなさま、製品を店頭に並べてくれた販売店、販売店にたどり着くまでにサポートしていただいた関係各社、中国で製造を担ってくれた工場、そして一緒に頑張ってくれたトリニティの社員一同に深く感謝しています。
本当にありがとうございました。
トリニティのこれからに、どうかご期待ください。
★
トリニティを起業して、ウェブサイトを運営し始めて、ブログ記事を書いていこうと最初に書いた記事が「はじめの一歩」でした。そこから今回の記事までに2,438本のブログ記事を書いてきたようです(記事数を確認しました)。
約20年の時を経て、「おわりの一歩」へと踏み出すことにしたので、ちょうどタイトルとしては締まりが良くなったのかなと思います。トリニティはこれからまた新しいステージが始まり、私も人生においての新しい挑戦が始まります。その意味では、「おわりの一歩」の一歩は「新たなはじまりの一歩」でもあると思います。
つまり、何も終わったわけではなく、一つの区切りがあったということだけです。トリニティにとっても、私にとっても通過点とも言えます。通過点なので、その先に未来が待っています。冒頭の写真は、これから長く続く道がそれを表しています。
これで私のトリニティブログ「トリログ」での投稿は最後になりますが、トリニティ社員一同で日々さまざまなことを書いていますので、引き続きご愛読をお願いします。
それでは、これにて私の第一幕を閉じたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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