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2013.01.21
前回、「[All About 次元(Jigen)]はじまりは突然に」では次元シリーズのはじまりについて書き始めました。偶然なのか必然だったのかはわかりませんが、ITジャーナリスト林 信行氏の引き合わせにより、ケイズデザインラボの原 雄司氏と出会ったことから次元プロジェクトが始まりました。
原氏が語るたくさんのプロジェクトの話は非常に興味深く、面白く、ワクワクさせられるものがありました。そして、その中で同社の技術であるD3テクスチャー(R)に話が及ぶと、その熱い語り口に圧倒されるほどでした。
その中でおもむろに出してきたのが、このサンプルでした。大げさではなく、まさに度肝を抜かれた、というのが正しい表現で、どう見ても革を縫い付けているようにしか見えませんが、実際にはプラスチックで成型されたサンプルなのです。この写真を見ても分かるとおり、本革の表面にある細かな起伏、肌の感じ、ステッチの質感と縫い込まれた周辺にある革の引っ張られた皺の感じなど、私がその時に発した最初の言葉は「これは、ヤバイですね」。まさにヤバイ代物に出会ったと感じたわけです。
技術力だけでなく、ユーザーに驚きを与えられる「なにか」が欲しいと思っていた私からすれば、私が度肝を抜かれるほど驚かされているのだから、もうこれしかないと確信しました。
D3テクスチャーとはケイズデザインラボで商標を取得している最先端のモノ作りプロセスの総称で、本物の質感をそのまま再現することができるのですが、これを利用することで本物と同じような表面加工および触感までも表現することができるようになります。D3テクスチャーについて詳しくは同社のウェブサイトをご覧いただくと良いと思います。
しかしながら、単に本物と同じようなものを作る、ということだけではユーザーにとってのメリットがありません。技術が凄い、というだけをウリにするつもりはありませんでしたので、これが私たちが現在作っているiPhoneなどのケースにどのように活かせるかを考えてみました。たとえば、次元シリーズでも定番として作っている革(Leather)の場合で考えれば、下記のようなアドバンテージがあります。
・軽く薄く作ることができる
モチーフとなったラムスキンの生地はおおよそ1.5mmほどあり、通常カバー用のケースが0.8mmくらいあると考えると2mm以上の厚みになります。iPhoneを含めてほとんどのスマートフォンが軽く、薄くという方向に向かっているのに逆行することになります。次元の革であれば、重さについてもポリカーボネート製で薄型に作ることができるので比較すれば本当に軽量に作ることができます。
・剥がれない
表面に関しては風合いが出てくるので良いのですが、iPhoneケースのように穴が開いていたり、プラスチックの上に貼り付けなければいけない製品の場合には、穴の周辺や端の境目から剥がれてきたりしてしまうことがあります。次元の革であれば、当然そんなことはあり得ません。
・お手入れが簡単
本物の革ですから、しかるべきお手入れをする必要がありますし、雨や湿気によるカビなども大敵です。しかし、毎日使っているものをそこまでケアできるかどうかは難しいところです。次元の革であれば、もしも汚れるでもなにかあれば、ケースを外して水洗いしてしまえばいいわけです。
・安価に作ることができる
そして、何よりも安価に、安定して作ることができます。これが革の良さでもありますが、自然のものですから良い部分悪い部分が出てきたりしますし、同じ質の革を安定的に調達するのも非常に難しいです。もちろん、手でひとつひとつ貼っていくものですから手間暇かかりますし、素材自体も高いので当然ですが世の中にある本革のケースは非常に高いです。次元の革では大量生産も可能ですし、ばらつきがまったくありませんので安定して供給ができます。
これらのメリットが、見た目や触感としてはほぼ見分けが付かないほどの高精度な造形のプラスチックにすることで受けられるのですから、あとは香りや後々の風合いくらいが出せないくらいです。
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サンプルを見せてもらいながら、ある程度の工程やコスト感を聞いているうちに、これらを考えていたらもうこのD3テクスチャーを使って製品を作りたくて仕方なくなっていました。もちろん、原氏の豊富な経験や技術的な支援も得られるということが大前提です。
次は、この原氏とD3テクスチャーとの運命の出会いの前に、「なにか」を探していた状況に少し時計の針を巻き戻してみたいと思います。
…「[All About 次元(Jigen)]中国におけるモノ作りの限界」につづく
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「純日本製」3Dテクスチャーカバー 次元 [Jigen]
[All About 次元(Jigen)]はじまりは突然に
[All About 次元(Jigen)]驚異の技術D3テクスチャー。
[All About 次元(Jigen)]中国におけるモノ作りの限界
[All About 次元(Jigen)]世界に誇る日本の金型技術
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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