- 11月
- 2024年12月
最近の一番の関心事は「為替」です。当社で取引をしている三菱東京UFJ銀行の外国為替相場を見てみても、たった今のレートで1ドル=99.93円となっています。私たちが為替相場を見る際には、TTSという日本円からドルへの変換レートを見ることになります。つまり、私たちは日本の企業で、日本円の資金を元に製造し、日本円でその代金をもらいますが、現在のところ工場やメーカーなどにはドルで支払いをしていますので、日本円からドルに変換して支払いをしていますので、TTSというレートが大事になってくるわけです。
世の中的には、為替相場が円安に振れることで日本を代表する製造業の大企業が利益を増やし、そういう企業は株式上場をしている場合が多いので株価が上昇して景気が良くなったと前向きにとらえられていますが、私たちのような輸入をメインとする企業は逆に苦境に陥ります。以前にも書いたような気がしますが、現在の日本は輸入の方が輸出を上回っていますから、全体だけを見れば円高になった方が経済に取って良い効果をもたらすとも考えられますし、身の回りの生活品の多くは輸入で成り立っていますから、その仕入れ価格が上昇するということは生活が苦しくなるということでもあります。今はまだ、株価が上がったからと喜んでいますが、生活費が上がっていく中でどれほどの賃金上昇があるかによって、一般家庭の所得収支が好転するか悪化するかはまだわからないところで、もしも悪化してしまえば消費は縮まり、経済が循環せずに景気が悪くなるというストーリーが考えられます。
私たちのビジネスだけ見てみると、円安は完全にデメリットにしかなり得ません。これまで90円で仕入をしていた原材料が、製品自体にはまったく変化がないのに100円で支払わなければならなくなるわけですから、単にコストアップになるということになります。現状、製品が変わらないのに価格を上げるということが、前述のように所得収支が好転していない中でいえば認められないということは、このコスト増は私たちの中で消化していかなければいけません。
しかしながら、特に当社が依存しているようなデジタルガジェットアクセサリーでは、すでに過当競争になっており価格は下落する一方ですし、代替品が多く存在する中では買い手市場になっているため、価格を引き上げれば、引き上げていない製品に移行されるだけという状況です。こうなると、チキンレースのように誰かが脱落していくまで持ちこたえていくしかないということになります。
もちろん、私たちもただ単にこの悪化する状況を指をくわえてみているわけではなく、いくつかの対策を実施してはいます。
たとえば、商品の差別化によってユニークで価格下落の影響を受けにくい製品の開発や開拓、業務効率化によるコスト削減、販路拡大による生産量増加による原価低減や運賃などの諸経費の低減、為替予約による為替ヘッジ、そして長期的には海外販売を増やすことで為替リスクに強いビジネスモデルにしていこうという努力はしています。ただ、状況としては追い打ちをかけるように中国における原価や人件費の上昇や人民元の対ドル為替レートの上昇など、悪い方向ばかりです。そして、来年になれば消費税増税という「とどめ」がやってきます。
当社のみならず、輸入業を営む中小企業においては最大の試練が、今年から来年にかけてやってきます。その外部環境に負けずに生き抜いていくには、前述の対策を必死に進めていくしかありません。なによりも、他社にはない良い製品を開発、開拓していくことが急務です。高いといわれつつも、多くの方々に支持をいただいているUP by Jawboneなどはその好例です。ユニークなコンセプト、デザイン、ブランド、これらが融合することで、絶対的な価格ではなく相対的な価値を認めていただくことができると信じています。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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