今週は当社が輸入販売代理店を創業以来務めており、人としての付き合いは10年以上というブランドBlueloungeの創始者でありデザイナーのDominic Symons氏が来日しており、社内勉強会を開催したり、メディア関係者や関係者、店舗などを一緒に周りました。

私自身はずっと関わっているので細かい話もたくさんしてよく知っています。しかし、当社社内であっても最近入社したスタッフなどは昔の話を知らなかったり、製品も比較的新しいものはよく知っているものの、昔からずっと続けている製品については細かいこだわりなども含めてもっともっと勉強するところがあると思います。

これは関係者や店舗の方々なども同様で、どうしても担当者の方も担当になられて以降の製品はよくご存じですが、ブランド全体や製品の裏側など、もっと知っていただきたいと考えたので、Dominicに来日してもらって、改めてブランドやデザイン哲学などを語ってもらうことにしたのです。

現在、これに合わせてウェブサイトでもスペシャルコンテンツとしてBlueloungeというブランドについてご紹介していますので、是非とも一度ご覧ください。

なお、今回の来日でいろいろ話していて改めて噛みしめた言葉がタイトルにある「気がつけば、そこにあるのが普通となる製品作り」です。人々の生活の中にはさまざまな問題が存在しています。しかし、それに気付かなかったり、気付いていてもそういうものだと思っていることもたくさんあります。Blueloungeの製品は基本的に何かの問題を解決することが目的となっています。そして、それはその製品によって解決されてみると、人々はそれが普通となる、そもそもそれがあることが必要だったという感覚になるような製品を作っていくということです。

たとえば、Blueloungeの大ヒット製品「CableBox」です。昔からテーブルタップは存在して、そこに差し込まれた電源コードの数々は見た目も美しくなく、なおかつ乱雑になって絡まったり埃にまみれてしまうという問題も一緒に存在していました。しかし、それに対しての解決策は誰も提示していなかったのです。人々はテーブルタップの周りの問題について、それを当たり前と思ってしまっていたのかもしれません。しかし、Blueloungeが「CableBox」を発売すると、まさにそれが最初からそこにあるのが普通だったかのように、誰もが「CableBox」にしまうようになったのです。

残念ながら、さまざまな理由で商標や意匠などの登録が日本では遅れてしまったために、多くの会社にアイディアを使われてしまい、挙げ句に名前まで同じで類似品を出されてしまいましたので、非常に大きな損害を受けてしまいました。しかし、それでもいまだにオリジナルの「CableBox」の完成度は高く、類似品は余計に穴を増やしたり、余計に機能を付け加えたりして、テーブルタップ周りの問題をシンプルに解決する「CableBox」を超えるものはいまだに現われてきていません。

このように、何年経っても変わらずにシンプルにそこにあるのが普通になる製品作りを基本的なデザイン哲学として持っているBlueloungeは、これからも身の回りの問題を解決し、そして長く愛され続ける製品を出し続けていきます。あらためて、初期の頃の製品を見返してみても、どれも色あせず、いまだに現役として使えるものばかりです。

なお、都内では原宿にあるデザイン雑貨店「アシストオン」ですべてのBluelounge製品を見ることができます。サンプルも用意されていますのでその目で見て、振れて、実際に使う場面を想像することもできますので、ぜひ一度見に来ていただきたいです。

最後に、これまでもよく引用されていて、パッケージなどにも記載されていたりするBlueloungeの目指す方向を言葉にした一文で締めくくりたいと思います。これからもBluelounge製品をより良い形でお届けすることが、当社の使命です。