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2019.06.29
20年以上Apple製品を使い続けてきた私として、スティーブ・ジョブズ氏の死去は本当に大きな出来事でした。最初は音楽をやりたいがためにMacintoshを購入したところから始まり、倒産するのではないかと囁かれた時代も乗り越えてiPod、iMac、iPhone、iPadなどの革新的な製品を作り上げ、人々のライフスタイルを変え、Appleを世界一の企業にしたのは、なんと言ってもスティーブ・ジョブズ氏なしには実現しなかったことだと思います。
Appleにはもう1人、このサクセスストーリーに必要だった人がいます。それが、今回Appleを退職し自分の会社「LoveFrom」を立ち上げると発表したジョナサン・アイブ氏です。なお、いつからか分かりませんが公式サイトでもJony Iveと呼称しているので、ここでもジョニー・アイブ氏と書くことにします。
スティーブ・ジョブズ氏のアイディアをカタチにしていく上で、デザインというのは大きなキーになってきたことは誰もが肯けるのではないかと思います。そこを担ってきたのがジョニー・アイブ氏です。実際のところ、Appleのデザインチームにはたくさんの優秀なデザイナーがいて、ジョニー・アイブ氏がどこからどこまで直接的にデザインを担っていたのかは分かりません。それでも、たくさんの個性あるデザイナーを束ねてAppleらしいと言われるようなデザイン哲学を貫いてきたのは、ジョニー・アイブ氏がいたからだと思います。
名実共にデザイナーとしても世界のトップとして認められ、Appleという会社でも誰にも遠慮することなく仕事をできたのであろうと思われるジョニー・アイブ氏が退職を決断した理由とは何だったのでしょうか。
私は、新しいデザインへのチャレンジだと思います。AppleはAppleという強大なブランド力があり、だからこそ「こうあるべき」というデザインがある程度決まってしまっていると思っています。その範囲で、できることはやり遂げたということだったのではないかと思います。最後の仕事がApple Parkを作り上げることだったのかもしれません。
今後もAppleを主要顧客とするというのは表向きで、収入面でいえば売上がなくとも一生心配ないほどの財はなしていると思いますので、今後はやりたいことをやるのではないかと思います。Appleではできなかったことは何か、今後のジョニー・アイブ氏に期待したいと思います。新しい会社はApple Watchで一緒に仕事をした、仲の良いデザイナーマーク・ニューソン氏も加わるということなので、そこから何が生まれるのか楽しみにしたいと思います。
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正直なところ、ここ最近Apple製品のデザインで気になるところがいろいろとありました。たとえば、iPhone Xになってカメラが出っ張るところ。アクセサリーを一切使わない状態で、iPhoneをデスクに置けば操作をするたびにカタカタするようなデザインが本当に良いのか。iPhone XSではiPhoneを下から見た状態で左右が非対象だったり、iPhone XRにおいてはLightningコネクターがセンターに配置されて折らず微妙にずれていることなどが挙げられます。
そんなひとつひとつのディテイルにジョニー・アイブ氏が関わっていたのかは分かりません。しかし、これまでの他社スマートフォンと比べた場合、そういうディテイルのデザインがエンジニアリング優先とされてきたものとの違いとして、Appleファンだった私は誇らしいと思っていました。私がスマートフォンNuAns NEOを手掛けたときも、そういうところは見習って、技術的に難しいと言われても諦めずにできる限りのことをしました。
本文の締めでは、ジョニー・アイブ氏の今後に期待したいと書きましたが、Appleの方はちょっと心配しているというのが本音です。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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