- 11月
- 2024年12月
今回のSteve Jobs氏の基調講演はMacRumorsLive.comの更新を見ていました(アメリカにいるのに)。
さて、たった今基調講演を終えたところで詳しい情報を集めないままにファーストインプレッションとして思ったことを書きたいと思います。
今回の目玉はやはりiPhoneでしたね。最初に紹介されたApple TVが予想通りで単にMacからの転送で表示するだけなのと、フルHDではなく720pにとどまったこと、録画機能はまったくサポートされなかったこと(HDDはたったの40GBなので将来的にも難しい)、新しく名前が出てきた映画配給会社がパラマウントのみだったことから、それほど魅力的な製品と思えなくなってきました。これが、このMacworldで初めて披露されたとしたらインパクトがあったと思いますが、すでにだいたいの仕様を知っていた私たちとしては「もう少し何か」を求めてしまうのは期待しすぎだったでしょうか?
そして紹介されたiPhone。名前もiPhoneのままで良かったのでしょうか? 他のメーカーがiPhoneというラインナップを発表していたことからiPhoneという名前は付けられないということで、iChat Mobileなどの代替案が囁かれていましたが、今のところSteve Jobs氏もiPhoneと呼んでいるようですのでiPhoneで落ち着くようです。ここまであからさまな名前の競合ですから、きっと事前に話は付いてるのでしょうね。
さて、iPhoneの中身です。細かいところは、ニュースサイトなどをご覧ください(笑)。
・3.5インチタッチスクリーン搭載(61×115×11.5mm WxHxD)
・4GB, 8GB内蔵フラッシュメモリーラインナップ
・2メガピクセルカメラ搭載
・GSM携帯
・組み込み用Mac OS X搭載
・Bluetooth, 無線LAN搭載
・Dockコネクター装備
・iTunes, Safari, Mail, Google Map, Yahoo! Mail, カレンダー, メッセンジャーなど搭載
・Bluetoothヘッドセット
・発売はUSで2007年6月、ヨーロッパで第4四半期、アジアは2008年
・USではCingular社との提携で2年契約付き
・マーケットシェア1%(1,000万台)が目標
○3.5インチタッチスクリーン搭載(61×115×11.5mm WxHxD)
最初に見たときはPalmっぽいというイメージでしたが、だんだんと良さそうに見えてきました。昔、PHSかなにかでこういう電話ありましたよね。大きさは良い感じで、ボタンが1つというのも割り切った感じで良いと思います。
○4GB, 8GB内蔵フラッシュメモリーラインナップ
499ドルと599ドルということは59,800円と69,800円くらいでしょうか。高いといえば高いのでしょうが、iPodプラス携帯電話さらにPIMと考えると人気のW-ZERO3が45,800円ですし、妥当なラインであるといえます。携帯電話として売り出す際には、キャリアからの値引きも入るでしょうしね。
○2メガピクセルカメラ搭載
基調講演ではまったく触れられなかった機能ですが、まだ完成していないのかな? iPhotoをベースにした形で写真管理やメール送信などができるみたいです。ちょっとしたエディット機能くらいは付くのでしょうか。
○組み込み用Mac OS X搭載
1年くらいかけて開発していたみたいなので、かなり良さそうな仕上がりです。個人的にはiPodのようなメニュー式のUIをイメージしていたので、予想に反して良いアプローチです。タッチスクリーンを想定していなかったのでメニュー式を予想しましたが、タッチスクリーンでただのメニュー構造だったら意味ないですね。
一番気になるところは日本語入力です。ことえり装備なのかどうなのか。そしてATOKのようなサードパーティのIMは入れられるのかどうか。そもそもアプリケーションのインストールをさせてくれるのかどうか。個人的にはSkypeを入れたいところです。そうすればSkypeフォンとしても使用できますので買う理由が増えます(笑)。
○Bluetooth, 無線LAN搭載
これは必須ではありつつも、ここまで搭載している携帯電話ってのはないですよね。これに携帯のパケット通信機能を追加すれば、ネットワークとしては無敵の構成です。いつでもどこでもつながりたいという要望にも応えられます。
○Dockコネクター装備
Macなどとのシンクは無線LANでもできるのでしょうが、やはり無線環境がないことも考えてDockコネクター装備です。iPodアクセサリーが使えるのも良いところです。たった今、同梱品が不明ですが、ユニバーサルドックアダプターが入っているのでしょうか。もし入っていれば、ユニバーサルドック対応製品はそのままiPhone対応になります。
○iTunes, Safari, Mail, Google Map, Yahoo! Mail, カレンダー, メッセンジャーなど搭載
iTunes, Safari, Mailなどは基本として、Google Mapが搭載されているのはスゴイですね。これがきちんと動作するとはなかなかハイスペックです。そして、Yahoo! Mailが入っているのはとても意外です。Google Mailではないんですね。IMAPの提供が必要だったからでしょうか。
・Bluetoothヘッドセット
あまり詳しく仕様が載っていませんが、アメリカでは携帯電話はBluetoothヘッドセットを使って会話するというのがかなり一般的で、よく歩きながら喋っている人がいて驚きます(笑)。日本だとまだ白い目で見られそうですね。車の運転などには良いと思います。
○発売はUSで2007年6月、ヨーロッパで第4四半期、アジアは2008年
かなり買う気満々にさせておいて、ここで一気に落ちました(笑)。2008年ってまだ2007年になったばかりなんですけど…。このめまぐるしいテクノロジーの変化の中で1年後(しかも2008年のいつとは明言されていないので2008年の夏でもおかしくありません)のハードウェア製品というのはどうなのでしょうか。もう少し完成に近づいてからの発表の方が良かったのではないでしょうか。世の中には模倣が得意な会社もたくさんあることですし…。
○USではCingular社との提携で2年契約付き
さて、2008年になったとして、日本ではどのキャリアで発売されるでしょうか。今、一番有力なのはiPod nanoとのセット販売していることもあり、先日ホワイトプランを発表したソフトバンクモバイルでしょう。Yahoo!のサービスも一緒にできますし、さらにどんなプランを出してきてくれるのか、非常に楽しみです。
○マーケットシェア1%(1,000万台)が目標
最後にiPhoneのビジネス規模についての話がありましたが、マーケットシェアの1%を取るだけで1,000万台ですから、500ドルで売ったと考えてもそれだけで円換算で6,000億円。iPodも霞むくらいの大きな市場です。Appleならやれるような気がするのは身内びいきでしょうか。
と、iPhoneについて長くなってしまいました。
○Apple Computer, Inc.からApple, Inc.へ社名変更
iPhoneを発表したことでコンピューターだけの会社ではないということを強く意識してか、Apple Computer, Inc.という名前からConputerを外して単にApple, Inc.と社名変更をしました。これは会社にとっては大きな変更ですが、我々は常にAppleと呼んでいましたし、あまりComputerを意識していたわけではないので自然な流れなのではないかと思います。これもビートルズ関係との話し合いがうまく付いた結果なのでしょうね。
○そして、こっそりAirMac Extreme登場
基調講演ではまったく触れられませんでしたが、Airport(日本では商標の問題でAirMac)も新しくなっています。Apple TVと合わせて必要な製品なので、一緒に紹介すれば良かったのにと思いました。割と待ち望んでいる人が多かったはずです。まだよく見ていませんが、アンテナポートがなくなっているので、当社取り扱い製品の寿命が尽きてしまったのが悲しいところです。
○あんなことやこんなことはどうなっちゃったの?
一番肝心な、レパードの話がまったく出ませんでした。もしかして開発が遅れているのでしょうか? 今までにないほどの基調講演ということだったので、もしかすると1月30日レパード発売なんてこともあるのかと思っていました。基調講演の冒頭に「Macのことだけ」と言っていたのにもかかわらず、Apple TVとiPhoneってMacなのでしょうか? Apple製品ではありますがiPodと同じくMacではないような気がします。レパードを楽しみにしていただけに、かなり肩すかしを食らってしまったような気がしています。
Mac mini Core 2 Duoもありませんでしたし、Mac Proクアッドコア搭載(こちらはレパードと同時だと思っていましたが)もありませんでした。毎年出していたiLifeとiWorkは’06のままですし、期待していたウェブリニューアル(特にヘッダーのタブデザイン)もiPhoneが追加されたにもかかわらず変更されませんでした。現在のAppleテイストにあのタブだけ置いていかれているような気がするのですが…。
iPhoneにワクワクさせられた基調講演でしたが、もっと他にも知りたいことがいっぱいあった基調講演でもありました。そして、もっとMac、Mac OS Xに力を入れて欲しかった基調講演でした。iPhoneの紹介が終わった後、ここからレパードの話になればかなり長くなるぞ、でもがんばって見よう、と思っていたのがあっさりと終わってしまったので残念でした。たくさんの魅力的な製品を持っているからこその悩みでもあるので、そういう意味ではすごい会社です。
書いているうちに長くなってしまって、ファーストインプレッションっぽくなくなってしまいました。
iPhoneの名称仕様について商標の所有権を持つCisco Systems Inc.のコメントがありました。Appleとのディスカッションが行なわれており、最終的な契約書が今日にも届くと思う、という話で、契約が終わった訳ではないところが微妙な所ですが…。いずれにせよ、しかるべき処置を取ってiPhoneという名前を決定しているようですね(って当たり前か)。
追記:焦って書いたのでタイポがたくさんあったので直しました(汗)。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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