プロの矜持とビジネスとの狭間

2018.03.04

投稿者 : ほっしぃ

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私は格闘技ファンを自認していて、特にボクシングおよびキックボクシングが好きです。ボクシングは、ボクシングマガジンを定期購読しているほどです。

1週間程度、スペインに出張していて帰国するまでに楽しみにしていた試合がありました。世間でかなり話題になったのでみなさんもご存じかと思いますが、山中慎介選手とルイス・ネリ選手の世界タイトルマッチ再戦です。残念ながら、普通にニュースなどで情報収集してしまうと結果が見えてしまうので、実のところ結果を知った上での鑑賞となってしまったのはとても残念でした。

関連ニュースについてはこちらの検索結果から見ていただくとして、私が感じたことを書いてみたいと思います。

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まず、山中慎介選手は本当に素晴らしいチャンピオンで、長い間チャンピオンベルトを守り続けただけでなく、「神の左」と呼ばれる強烈な一撃で一発ダウンや、劣勢からの大逆転を演じてきて、私も大好きなボクシング選手のひとりでした。

しかし、ボクシングとは難しいスポーツで、どうしても年齢と共に紙一重で勝負が分かれる試合では被弾することが増え、ダウンもするようになり、絶頂期と比べると危なっかしくなってきていた感じは否めませんでした。

そして前回、ルイス・ネリ選手との世界タイトルマッチでまさかのKO負けを喫し、プロデビューから無敗、13回連続世界タイトルマッチ勝利という偉業も成し遂げることができませんでした。私はそれでも、日本を代表するチャンピオンには変わりがないし、これで引退となっても仕方がないと思っていました。

そこへきて、再戦できるとなったので、山中慎介選手もモチベーションが最大限に上がったと思いますし、辛く苦しい減量にも耐えて一生懸命練習をしてきたのだと思います。それが、計量で大幅な体重オーバーで最後の試合を汚されてしまい、結果としてはあっという間にKO負けも喫してしまいました。

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そもそもボクシングは細かく階級が分かれていて、それぞれの階級で切磋琢磨しているスポーツです。バンタム級は53.5kgがリミットなのにもかかわらず1回目は55.8kg、その後も54.8kgまでにしか落ちずに計量オーバーとなりました。これだとそもそもは2つ階級が上のフェザー級、最終的に落として1つ上の階級であるスーパーバンタム級になります。

1階級の差は体重だけでいうと数kgなので、スポーツなどをやってない人からするとそんなに大差ないと感じられると思いますが、ボクシングではその少しの差がまったく違う力になります。

ここで考えたいのは、なぜ試合中止としなかったのか、ということです。ルールでリミットが決められているのだから、ルール違反となるわけですから試合を開催することができないということもあり得ます。実際には認定ボクシング団体(WBC)では明確に規定がないようです。ですので、興行主(帝拳ジム)、もしくは選手に委ねられるようです。

ひとつは、山中選手のプロとしての矜持があったのかなと想像します。ネリ選手と再選できることだけをモチベーションにずっと厳しい練習を積み重ねてきて、これで最後と思って臨んでいたように思いますので、試合が流れてしまうのがなによりもモチベーションを下げてしまうことだったのではないかと思います。そして、それを楽しみにしてくれているファンを悲しませることになるということも頭にあったのではないでしょうか。

また、もしも中止とした場合、ビジネス面ではすでに販売し終わっているチケットの払い戻しや会場の費用負担問題など、帝拳ジムは大きな損害を被ることになります。個別契約がどうなっていたのかは知るよしもありませんが、それらを違反した側が支払うというような契約にはなっていなかったのかな、と思います。今後は、こういう場合にはルール違反をした方に負担させるという項目を入れても良いのかもしれません。

ボクシングは、他の格闘技と比べても歴史もルールも階級制もしっかりとしているスポーツではありますが、とはいえ興業はビジネスですので強い人が必ずチャンピオンになるとか、勝ち続ければ必ずタイトルマッチができるという訳でもありません。直近では、現時点で最強ではないかと思われる井上尚弥選手も、他団体チャンピオンとの統一選をさせてもらえないので階級を上げて新たなチャレンジに進むという話もありました。

結果として、山中選手には非常に残念で悲しい結果になりましたが、これをきっかけにルールの厳格な適用など、改革をお願いしたいところです。そして、山中選手の仇は同じ階級になった井上選手にお願いしたいと思います。

P.S.
写真は本文の内容とは関係ありません。私がデンマークに行った際に撮影したものをピックアップしています。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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