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2018.12.08
iPad Proは、かなり高額であるのにもかかわらず、かなり人気のようで、私の周りでもたくさんの人が購入しています。その大きな理由としては、デザインの刷新とFace IDの採用、Apple Pencil 2、そして今回取り上げるSmart Keyboard Folioの存在ではないでしょうか。
元々、前モデルでもSmart Keyboardは発売されていて、キーボードを使うという意味では変わっていませんが、今回のSmart Keyboard Folioは前モデルの問題点を解決すべく、Appleのアクセサリー担当の相当な執念を感じさせます。私自身も、iPad ProをMacBookの代わりとすべく、このSmart Keyboard Folioを同時購入して使い込んでいます(いくつかの問題については別記事で書いていますので参考までに)。
さて、このSmart Keyboard Folio、前モデルと大きく違うところは、背面までもしっかりとカバーしていているケースタイプであるということです。これにより、名前もSmart Keyboardから、Smart Keyboard Folioになっているというわけです。
まず驚かされるのが、その圧倒的な薄さです。iPad Pro 11インチに装着してみたところ、驚くべき薄さとなっています。この薄さでキーボードが収納されているというのは、言われなければわからないくらいです。ケースであり、キーボードであるというところからすると、最強の組み合わせではないでしょうか。
余談ですが、キーボードを開発することはかなりハードルが高いです。特に前作の時にはもっと良い形でのキーボードが作れないかと模索したこともありますが、特にiOSの場合、Smart Connectorとの接続が使い勝手的には必須であることから、サードパーティーが作るのは非常に難しく(一部の認められたメーカーのみ)、かといってワイヤレスタイプにすると接続性や、電池問題が発生します。さらには、キーボードはかなり耐久性も求められ、キータッチも好き嫌いが分かれます。ましてや、日本語キーボード配列は特殊なため、かなりの部分をオリジナルで作らなければいけないため、相当なコストがかかってしまうのです。
閑話休題。
このSmart Keyboard Folioの薄さを実現しているのが、磁石です。Appleは近年かなり磁石を使うようになってきていて、iPadはSmart Coverの時に大量の磁石でくっつけるという方式を採ってから、ずっと磁石を使い続けてきています。また、iPhone Xのリリース時にフタの開閉時にオンオフと連動する磁石を埋め込んだのが、iPhone用Apple純正ケースとしては初めての試みで、こちらもiPhone XSでも踏襲されています。
実のところ、Appleのアクセサリーデザインのガイドラインには磁石を使わないようにという記述があり「1. Apple recommends avoiding the use of magnets and metal components in accessories.」、Apple自身がこれを完全に破っているといえます。
これまでもiPad用Smart Coverでは磁石を大量に使ってきていましたが、今回は桁が異なる磁石の数になっています。なんとその数100以上。写真のように、磁石チェッカーを当ててみるとたくさんの磁石が発見できます。上記のデザインガイドラインにも磁石についての記述があります。
この、少し異常ともいえる磁石は何を意味しているのか。これは薄さの追求のためといえるでしょう。通常、磁石の磁力は、その大きさによって左右されます。今回、厚みを最小限にするという至上命題があったと思うので、それを磁石で実現しようとすると、面積が大事になってきますので、その分数で勝負をしたのだと思います。しかも、S極N極を散りばめて誤動作もしないようにしてあります。
まさに磁石の塊と言ってもいいほどなので、iPad Pro自身も冷蔵庫に貼り付くというので話題になりました。Smart Keyboard Folioも負けずに強い磁力を持っているので、そのままバッグに放り込んでおくと、財布に入っている磁気カードがすべて使えなくなる危険性もあるほどです。ここから考えると、防磁タイプのスリーブケースが、欲しくなってきますね。
ということで、恐ろしい数の磁石によって薄さを追求しているSmart Keyboard Folioについて、その他の面も見ていきましょう。以前にキーボードについては記事を書いていますので、それ以外について触れたいと思います。
今回、キーボードとケースが一緒になったといっても、実のところ保護という意味では少し物足りないところがあります。写真の通り、端の部分についてはまったく保護が為されないような設計になっているため、デスクに置いておいたり、バッグの出し入れにおいては擦り傷などから守ってくれるものの、落下などしようものならば、なすすべもなく金属部分に傷が付くことになってしまいます。そこから、外周だけを守るためのシールのようなものが欲しくなってきますね。
さらに、外装の素材が、どうも汚れというか指や手の皮脂が目立つような素材で、ちょっと使っていると汚らしく見えてしまいます。しかも、ちょっと拭くだけだとこれが伸びてしまうので余計に汚く見えてしまいます。そうするとiPad Pro用の白手袋が欲しくなってきますね。
最後に、Smart Keyboard FolioとFace IDを使うととても嬉しいことがあります。それは、キーボードの何かのキーを押すとiPad Proが起動しますが、さらにもう一度キーを押すと、Face ID認証を終えていれば画面が開いて使える状態になるのです。iPhone XやXSなどでは、Face IDで認証をした後に画面の下辺から上にスワイプしなければ使い始められません。認証しているのに面倒だなと思っていたので、このiPad ProとSmart Keyboard Folioの組み合わせによる動作はスマートに使い始められます。
しかし、悲しいことに、iPad Proを起動するときのAppleマークは横になってしまいます。このAppleマークが表示されている間はまだOSとして完全に起動していないので、傾きから縦横を認識してAppleマークを90度回転させるという機能を使うところまで至っていないのかもしれません。
Smart Keyboard Folio、ここまでAppleがこだわったアクセサリーは今までにあったでしょうか。大量の磁石とキーボードを合わせても19,800円というのは、素材が違うとは言えiPhone用フェザーフォリオが10,800円することから考えると、かなり意欲的な価格だと思います。ここにも、AppleがiPad Proと一緒に使って欲しいという思いが込められているのだと思います。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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