4月から変わる、新しい仕組み「働き方改革」と有給休暇消化義務について

2019.03.31

2019年4月1日から施行されるいわゆる「働き方改革関連法案」について、当社の考え方や取り組みをご紹介します。

ちなみに、当社は中小企業庁の定義では中小企業にあたるため(下記の定義の「卸売業」にあたります)、今回の法案についてのいくつかは、正式には2020年、2021年、2022年からの段階的な正式施行となります。しかしながら、今後必ずやることで、働き方を改革とまではいかずともより良くしていくのであれば、今から取り組んだ方が良いと考えました。そのため、一部のかなり先の話は別として、下記の通り進めていくこととします。

中小企業庁:「中小企業・小規模企業者の定義」

製造業その他:資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業:資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

小売業:資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

サービス業:資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

今回の法案のポイントとしては、下記の通りです。「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」というカテゴリーについては当社には当てはまらないので除外します。

  1. 時間外労働の罰則付き上限規制
  2. 時間外労働の割増賃金引き上げ
  3. 年次有給休暇の確実付与義務
  4. 労働時間の状況の把握義務
  5. フレックスタイム制の見直し
  6. 高度プロフェッショナル制度
  7. 勤務間インターバル制度導入の努力義務

 

Microsoft PowerPoint – p5,6 関連法ポイント(PowerPointと書いてありますが、実際にはPDFです)

時間外労働の罰則付き上限規制

時間外労働(=残業)の上限が月45時間、年間360時間を超えないようにするというものですが、当社では元々月45時間を最大残業時間の目安として設定しており、これを一時的にではなく慢性的に超えるようだと業務改善が必要ということで介入することにしています。

具体的に介入とは、業務に無駄なところがないか、自動化できるところはないか、外注できることはないかなどを検討し、どうしても慢性的に仕事量が多すぎる場合には、人員を増やすなどして45時間以上の残業が常に発生するような状況を避けるようにしています。

時間外労働の割増賃金引き上げ

こちらは2023年の施行のため、まだ決定していませんが、近いうちに就業規則の改定を含めて対応していきます。

年次有給休暇の確実付与義務

こちらがひとつの大きな目玉になると思います。付与との書き方が分かりにくいところですが、実際には有給休暇自体は付与しているので、取得をしてもらうということになると思います。有給休暇を付与していても、全然取得していない、取得しにくいような状況を変えていきたいということなのだと思います。ちなみに、当社では現時点においてはトリニティ社員16名中2名が年間に5日以上の有給休暇を取得していませんでした。

今後の取り組みとしては年間で5日以上の有給休暇を取得するようにしていく他ないのですが、なかなか運用上は難しいところもあります。

有休取得を把握していくこと

これは有給休暇が入社日から起算して半年後に付与されるということから、当社の期とはまったく同期しておらず、各社員毎に異なるということです。とはいえ、これを把握していかないと確実に5日を付与していくということができませんので、やっていくしかありません。

いつ取得してもらうか、強制的に取得させるタイミングが難しい

有給休暇というのはその名の通り、給料が支払われるものの仕事をしなくてよいということです。しかし、この制度を利用して具合が悪くなったときなどにも欠勤、つまり給料を日割りで引かれずに休むことができます。ここから考えると、社員側がある程度取っておきたいと考えることもありえます。そのため、当社では各チームのマネージャーがおおよそ四半期毎に取得状況を確認し、特に最終4半期に5日未満の有休取得者に対しては時季を社員に指定してもらう(こちらがベター)、もしくは指定することで義務を果たすようにしていきます。

社内のPodioに掲載された投稿を引用しておきます:

・2019年4月1日以降、10日以上の年次有給休暇を付与した基準日から1年以内に、使用者(会社)が取得時季を指定して5日間を取得させることが義務づけられる

・2019年4月1日より前に付与していた年次有給休暇については年5日取得させる義務の対象とならない

・5日間は「連続」である必要はない

・5日間にはリフレッシュ休暇は含まない

・自らすでに5日間の有給を取得をしている場合は、使用者(会社)が時季を指定して取得させる必要はない

・時季を指定するタイミングについては決まりはないが、監督署の意見では「だいたい半年経過してからどの程度取得しているかを把握し、ほぼ取得していないようであれば、残りの半年で会社の方で指定する」となっている。

・前期より繰り越した有給がある場合、繰り越し分の有給消化も5日義務分の取得とカウントされる
例:新しく年次有給休暇が付与される基準日が3月1日の場合、2019年4月1日以降に最初に付与された日から一年間なので、義務の対象となるのは2020年3月1日に付与される年次有給休暇からとなる。

労働時間の状況の把握義務

こちらは現時点においては、Googleフォームをタイムカード代わりにして、出退勤を記録しています。

フレックスタイム制の見直し
高度プロフェッショナル制度

この2つの制度は当社では採用していないため、特に対策をする必要がありませんので、今回は検討していません。

勤務間インターバル制度導入の努力義務

元々は変則交替制勤務など、夜勤シフトがある場合に翌日の勤務開始時間までに間隔を空けることに対してだと思いますが、残業などで夜遅くなってから、翌日の出勤までの時間も含まれると思いますので、今後ここについては制定していきたいと考えています。現時点では努力という目標なので、どのような形が望ましいのかを議論して進めたいと思っています。

今回は、特に「年次有給休暇の確実付与義務」について2019年4月1日から実施するように社内就業規則の整備や、運用上の取り決めをしました。当社では元々、年間の労働時間を決めており、年間の休日も129日と平均を上回っているものの有給休暇の取得については前述の通りばらつきがあったり、取得が少ない人もいたため、今後は仕組みとして取得できるようにしていきます。

会社として継続していくだけのビジネスが成り立ち、「デジタルライフを豊かにする」というミッションが達成でき、社員に健康で文化的な生活が送れるような報酬(定義は難しいながらも日本全体の平均給与を上回っている水準)を与え、なおかつ休日が多くて残業がなくなれば、規模などは関係なく「格好良い会社」になると考えていますので、そこに向かってさまざまな努力を続けていきたいと思います。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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