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- 2024年11月
トリニティ株式会社は2006年5月1日に設立されました。ちょうどゴールデンウィークのまっただ中でありつつも、15年前はこの日は平日であり、意味がある日だったので、この日に設立することとしました。数年前にそのことについて説明している記事があるので、詳しくはそちらを参照してみてください。
5月1日なので、本来は2021年度の展望について書くべきところですが、FUTURA発表についての記事もあったので、4月30日に振り返りをすることができませんでした。2021年度の展望については、明日の記事にしたいと思います。なお、年度という考え方は当社が5月1日からスタートして4月末日に終了するため、期の始まりの年を年度として呼称しています。2020年5月から始まった期は2020年度であり、2021年5月から始まった年度は2021年度となります。
2020年度は不安と必死に駆け抜けた
2020年度の始まりに、今日と同様に1年の展望を書いています。今読み返してみると、2020年度は業績自体はとても良かったので、その反動で必ず業績が落ち込むことを心配している様子が窺え、それでも挑戦し続けていくしかないという話の流れになっています。
その後に決算業務を終えて、2019年度(14年目)は過去最高の決算となったことを報告しています。ここで過去最高になったことが、2020年度にとっての大きなプレッシャーとなりました。
2019年度の好決算の大きな要因がiPhone SEの発売でした。大型かつ一番台数としては販売されるであろうiPhone SEのデビューがあり、たくさんの納品を期末までに終えたことで、決算上はものすごく良い結果となりました。ただ、これは2020年度に見込むことができません。むしろ、4月までに処理しきれないリベートや入替返品などが2020年度に持ち越されてしまうので、2020年度の前半は大きなマイナスからはじまることが予想されていました。
さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、当社製品を販売してくれている販売店の運営が今後どうなっていくのか、スマートフォンや周辺機器に対する人々のニーズがどうなっていくのか、これまでとは違うシチュエーションに不安だけが先行していました。
結果としては増収減益となり、過去最高の売上高で決着
壮大なフリがあった上でとても恐縮ですが、結果としては売上高としては15年間で過去最高となりました。ただし、諸手を挙げて喜べるというわけではなく増収減益(売上高は増え、利益は減る)となりました。私は常々、売上高を追い求めるよりも、利益の方が重要だと社内外に伝えています。いくら売上高が増えたとしても、利益が増えなければ意味がありません。むしろ、減収増益の方が良いと考えています。売上が下がった要因が製品数の低下だったとしたら、それは効率が良くなったと言えますので、むしろそちらの方向を目指したいところでもあります。
利益の方は最終的にいろいろな処理をしてみないと分かりませんが、昨期を超えるということは無いと思われます。ただ、減益幅もそんなに大きくないため、そこまで大きな落ち込みとは言えず、むしろ世の中のコロナ禍による停滞ムードからすると良かったといえます。
原価マスクの功績
2020年度の増収減益の最大の理由は「原価マスク」です。原価マスクは2020年度の当社にとっての大きな大きなトピックであり、昨年の今頃はてんやわんやしている最中でした。中国に行くこともできず、生産の進行管理やクォリティコントロールも自分自身ではできないので、とても歯がゆい思いをしました。
結果として、4月末にスタートした原価マスクプロジェクトは7月にすべての在庫を販売し終えて終了し、おおよそ2.5億円の売上高となりました。これが売上高が増えた最大の理由です。しかし、減益の最大の要因も原価マスクとなります。利益を目的として始めたことではないため、利益計算をせずに原価から販売価格を算出したため、たくさんの方に購入していただいたので売上高は上がりつつも、利益としては得られないプロジェクトだったからです。
実際、ものすごく大変だったマーケティング、オペレーション、サポートチームのメンバーには苦労をかけたのに報いるものとしての利益を返せなかったことになります。サーバー側でも増強に増強を重ね、エンジニアの方にもゴールデンウィーク中、ほぼ毎日稼働してもらって特別対応費用も支払ったので、コストは見えているものも見えてないものも含めて、想定よりも大幅に増えました。
ただ、この原価マスクプロジェクトは利益よりも、日本にとって何かの役に立てるという使命感が先行していました。その当時もたくさんの方にマスクが手に入って良かったとフィードバックをいただいたことが何よりもの報酬でした。ただ、私が思いつきで始めて、みんなに苦労をかけ、結果として赤字になったなんてことになったら何をしていたんだとなるので、この後も強いプレッシャーとなります。
wearaの苦難
15年間ものづくりをしてきて、wearaは最大の困難にぶち当たっています。近いうちに、この問題についてはまとめて記事にしたいと思います。この1年間、あまりトリログの方では記事を書いていなかったので、何をしているのかよく分からないということがあったかもしれません。
wearaウェブサイトの方にあるブログではことあるごとには記事を書いていっていますが、それでも大きなトピックが少ないことは間違いありません。
毎日、開発メンバーと多くのことに取り組んでいたり、テストをしたり、改善活動をしたりと、かなりのリソースを割いて取り組んでいるものの、まだ確固たるゴールが見えてないのが現状です。これは私の力不足と責任です。2020年度は投資をしつつも、まったく回収できてないという状態です。これまでの反省をしつつ、今後の計画を見直して新しい期に取り組んでいこうと考えています。
2020年度、良い結果はどこから来たのか
増収減益の原因は原価マスク。wearaは投資先行の状態が続いている。ここからすると、私がチャレンジとしてやっていることは現時点で利益を産んでいません。将来に向けて、チャレンジを続けているので、これから実を結ぶと信じて進めています。
その中でも業績が悪くなってしまうどころか、良い決算着地となることができたのは、ひとえにトリニティ全体のチームとして取り組んでいることが実を結んでいるからだと考えています。なにより、チームメンバーの成長が大きいのだと思っています。会社をマネージメントしている立場としては、とても嬉しいことです。
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不安から始まり、あらゆることをし尽くして、結果が出るというのをずっと繰り返している気がします。それが私のマネージメントスタイルなのかもしれません。それがトリニティの強さとなり、私は目の前だけでなく遠いところを見てチャレンジができる土壌になったというのも嬉しいところです。2021年度も頑張っていきたいと思います。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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