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- 2024年11月
経営者にとって、そのすべての仕事の見返りとして役員報酬という「給料」に似て非なるカタチでの対価が支払われます。特に中小企業の創業者の場合、自分の報酬と会社の利益に近い思いがあり、創業当初には自分の収入が少なくても会社を赤字にしたくないと思うこともあります。
私も実際に創業した当時に役員報酬をいくらにするのかでかなり悩みました。創業時にはいろいろと自分で決めていかなければいけない中で、役員報酬をいくらにするかというのはとても大きな問題でした。そのことについて、いつかは書いておきたいなと思っていたのですがちょうどネット上で下記のページを見つけたので興味深く読みました。
このウェブサイト自体、個人が運営しているのか企業なのか、はたまた税理士などが書いているのか謎な作りではありますが、掲載されているトピックはとても興味深いものが多く、今度時間をとって読んでみたいなと思いますが、今回はこの役員報酬の決め方について私の体験も含めて書いてみたいと思います。
このページではしっかりと体系立てて書いているし、できる限り詳細な説明を心がけているので詳しくはこのページをよく読んでもらうのが良いと思いますが、役員報酬を決める際に大切なことはたった1つだけです。
・役員報酬と会社利益のバランス
役員報酬は通常の経営感覚で言えば、会社の利益の範囲内から支出するものです。これは経営者の理念にも寄りますが、会社の利益がなくなってでも役員報酬を維持したいということもありでしょうし、会社の利益は自分の利益とイコールと考える経営者もいるでしょう。
私は会社を運営する中で稼いだ利益の中から対価として自分に支払われるものという考え方に立っています。したがって、極論を言えばもしも会社に利益が残らないのならば役員報酬もなくても良いということになります。ここは社員と経営者の大きな違いで、経営者は普段たくさん報酬を得ていると思われるかもしれませんが(実際に起業するまではそう思っていました)、リスクも背負った上での報酬ですからまったく異なる理論で導き出されるものです。
さて、ではどのように考えるかですが、一番悩むのが「役員報酬は期初に決めなければいけないのに会社の利益は期末に決定する」ということです。特に創業するときなどはこれから1年間どのようにビジネスを展開できるのかは、はっきりいって分かりません。私の場合には事業計画書の中で利益計算も行なっていましたが、当然、それがうまくいく保証もなく絵に描いた餅になることも十分あり得るわけです。
そして、このページでも説明されているように役員報酬は簡単に変更することができません。比較的減額は可能ですが、増額は基本的にできません。
そうすると、本当にいくらにして良いのか迷うわけです。私がどうしたかというと、前述の通り、役員報酬は会社の利益から支出されるべきである、そして会社の利益は自分の利益と近いものと考える、とすると創業時に役員報酬を高く設定しすぎて会社の利益の範囲を超えてそれが故に赤字になってしまうということを避けたいと考えました。もちろん、自分の生活もありますからゼロというわけにはいきませんが、起業する前の自分の年収よりも下げた設定にしました。
具体的には500万円に設定しました。これから始まる1年間は仕事に没頭するであろうことから、それほどお金が必要になることにはならないだろうということもありつつ、やはり会社を黒字化したいというのを1番に考えた結果です。実際に1年間走り続けてみたら、会社に残る利益は想定よりも多かったので2年目には前職と同じ額に戻し、その後も利益に伴った金額にしていきましたので今ではそれなりの金額になっています。ただ、これは社内でも明確に話しているわけではありませんが、たとえば決算が最終赤字に陥ったときには人件費を下げるのではなく、まずは役員報酬から減額していこうと思っています。これが経営者のメリットとリスクだと思います。受けるべき報酬はしっかり、取るべき責任はきっちりとする必要があると思うわけです。
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さて、今回のページでの解説は、主眼がいかに節税をするかで、役員報酬の配分を考えようというものです。世の中の経営者の多くもいかに節税するかを考え続けているようで、だからこそここらへんの記事がよく読まれるのでしょう。もちろん、支払わなくて良い税金を無駄に払うことは避けなければいけませんが、日本という社会が税収で成り立っていることから考えれば、自分たちが生活する社会を形成するために必要という考え方に立っても良いのではないでしょうか。
そして、節税とは別のところで、私は会社は黒字であるべきだと考えています。節税対策のために赤字にするのはナンセンスですし、役員報酬は利益の中から支出すると考えれば、役員報酬が高くて赤字になるというのもあってはならないと思っています。
今回は紹介したページがしっかりと細かい説明をしていたので、実践的な計算ではなく心構え的なカタチで書いてみました。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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