- 10月
- 2024年11月
こんな少し驚きの見出しがTwitterやFacebookを通じて目に入ってきました。私もiPhoneが好きだし、iPhoneで人生が変わったといえるほどライフスタイルの中に溶け込み、ビジネス面でもスピード感が大きく変わりました。それが故に、ITリテラシーが低いからというのはあまりそのまま受け入れられるものではありませんでした。
確かに、世界各国と比べると日本におけるiPhoneのシェアは突出して高く、本国アメリカをも凌ぐほどで、一部報道によれば約7割にも達するということです。Appleのお膝元であるアメリカですら40%程度ですし、逆に欧米ではまったく逆の現象になっているようです。
そこで、なぜ日本だけが、という話になってくるのはある意味当然ですし、これまでもよく語られていました。その話をするときに私も持論を展開するのですが、おおよそ下記の通りです。
・ブランド力
Appleの巧みなマーケティングによって、日本においては特にブランド力は絶大なモノを持っています。もちろん、これはそれまでに培った使いやすさだったり、デザインだったりということが大いに役立っているといえます。逆にいうと、Androidスマートフォンのブランドで、使いやすくてスタイリッシュそして安心のブランドというのが見当たりません。唯一ソニーくらいかもしれません。
・価格政策
この記事でも最初に触れられているのが価格政策です。もちろん、ここはとても大きな理由だと思います。実質ゼロ円や一括ゼロ円、さらにはキャッシュバック政策で、いわゆるガラケーからスマートフォンに乗り換えるときのハードルをiPhoneだけが下げているのです。他のスマートフォンは本来の本体価格から考えれば安いものの、単に比較すれば端末代も、月額料金も優遇されているわけですから、それを覆すほどのことがなければ他を選ぶ理由がありません。
・キャリアの囲い込み
価格政策とも被りますが、特にキャリアショップにおいてはiPhoneを売らなければいけない、という必死な様相が見てとれます。キャリア側もAppleとのiPhone取扱契約において相当な販売台数を約束させられて、なおかつ在庫を持たされているものと思われます。売れ残りを避けるためにキャリアは販売店に対して相当な優遇策、インセンティブを与えるようになっています。価格も安くて、キャリアショップに行けば薦められる状況でいえば、誰が好きこのんで他の端末を買うでしょうか。
・日本の通信キャリア事情
日本は通信事業のほとんどが3大キャリアに押さえられていて、キャリアが端末を販売するモデルしか一般的ではありません。自分で好きな端末を選んで、キャリアのプランを比較して組み合わせるということがあまりできないために、キャリアが売りたい端末だけが結果として売れる状況があります。もう少し日本通信のようなMVNOが活躍するようになると、新しい端末の選び方が定着してくるのではないかと思います。ただ、iPhone 5sがSIMロックフリーの状態で販売されるようになっても、キャリアの販売奨励金の存在により端末代金を回収しなくても良いビジネスモデルが成り立つのであれば、なかなか対抗しづらいのではないかと思います。
・Androidの戦略ミス
iPhoneが日本デビューしていこう、特に最近に至るまでのAndroid OSおよび端末自体の出来の悪さが尾を引いているのではないかと思います。発熱する、バッテリーが持たない、使いづらいなどのイメージが先行し、そこをiPhoneがしっかりと刈り取っていったというイメージです。ガラケーからスマートフォンに変えて、そんな苦労をした人は周りでiPhoneを使っている人の満足度の高さを見ていますから、どうしてもiPhoneの安心感は捨てがたいということになります。
・Samsungの苦手な国
Androidスマートフォンで圧倒的な地位を占めているのがSamsungですが、どうしてもお国の事情だったり、サポート体制だったり、または総合家電メーカーであるにもかかわらずほとんど日本では展開していないのでブランド力が確立していないので一般の人からは敬遠され勝ちです。Galaxy S3くらいまでは他の端末と比べて唯一iPhoneと張り合えるくらいのスペックと安定感があったのでかなりの実績を残したといえます。しかし、いまやスペックだけならばほとんど横並びになってしまったために、ブランド力がない状態では特にアドバンテージないので海外のようにiPhoneを凌駕することはできません。
・アクセサリーの豊富さ
私たちの分野も、iPhoneを後押ししている原因だといえます。たった今すぐにソースが出てこないのですが、以前に見た調査ではiPhoneを買う理由のひとつに「豊富なアクセサリー」というのがありました。iPhoneは本体にバリエーションがないために自分らしさを演出できない、シェアが上がれば上がるほど他の人と同じになってしますという問題がありますが、それを払拭するほどのさまざまな種類のアクセサリーがあります。日本のAndroid端末と比較して劣っている部分ともいえる、防水性だったり、ワンセグTV試聴、お財布携帯機能などもアクセサリーが解決してくれています。
・アプリなどの豊富さ、使いやすさ
Androidにも当然たくさんのアプリがありますが、特に開発者側の開発のしやすさ、デザインの高さ、ルールの統一などから、使い勝手がよいアプリがたくさんiOS専用もしくはiOSファーストでリリースされています。Androidの方が自由度が高く、タブーが少ないのでiOSにはない機能も提供できる場合もありますが、そこまでの機能を万人が求めているわけでもありません。
・デスクトップOSの存在
iOSとMac OS X(OS X)の親和性もiPhoneおよびiOSデバイスを選択するひとつといえます。AndroidにもChrome OSがあるとはいえ、まだまだ一般的ではなく、ハードウェアのデザインも良いことからMacの売上も上がっていることで相乗効果は大いに発揮されていると思います。付け加えていうならば、iTunesの存在も大きいと思いますし、iPodシリーズなどスマートフォンを購入する前から音楽を聴くことなどでiOSに触れたりすることで、そのままiPhoneに流れていくということもあると思います。
・右へ習えの国民性
これがオリジナルの記事にもあるところで、みんな持っているから、教えてもらえるから、ということでiPhoneを選ぶこともあるでしょう。ただ、これはかなり順位の低いところで、これよりも、ここまでの書いてきたようなことがiPhoneを選ぶ理由になっていると思います。
・結果として見えてくるのはiPhoneの完成度の高さ
結局のところ、いくら価格政策で売りつけても、キャリアが薦めても、その端末が使いやすくて、人にも薦められて、これからも使い続けようと思わせるものではければいけません。まずはスマートフォン(iPhoneはスマートフォンではなくiPhoneということらしいですが)がその一丁目一番地であるスマートに使いこなせる端末でなければ意味がないわけですから、そこをしっかりとiPhoneは押さえているといえます。
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特に件の記事への反論という形でもなく、日本以外でも同じ状況で、だから日本だけが突出する理由にはならないだろいうというものも含めて、いつも思っている理由を列挙してみました。まだ他にもあれば是非とも教えてください。
それにしても、端末は配って、キャッシュバックなども行なって、一時的に損になろうとも最終的にはソフトバンクもKDDIも、そして新規参入したNTTドコモですらも最高益を稼ぐようになると、もうキャリアはiPhoneから逃げられなくなります。どこかで見たニュースではソフトバンクのiPhoneの販売率は90%以上というような話でした。利益をそんなにもiPhoneに依存している状況はキャリアにとってはリスクともいえますね。
また、Android端末もOSがどんどん改良されてきているので、魅力的端末を出してきて欲しいし、キャリアはもっとそれを支援するようにして欲しいですね。特に、ソニーには期待していますし、だからこそ当社はスマートフォンアクセサリー市場に参入後、ずっとXperia向けアクセサリーだけは作り続けています。是非とも頑張っていただきたいです。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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