- 10月
- 2024年11月
今回は、PC用メガネとして市場に認知されたブルーライトについてエントリーします。
そもそも、携帯電話が発するブルーライト、とは何者なのでしょうか。携帯電話に限らず光を使ったディスプレイは必ずブルーライトを発していて、特に携帯電話では目に近いところや、寝る前の暗い中で見たりすることでダメージを与えると言われています。
最近ではブルーライトの害は相当に研究が進み、実際に目に対するダメージや、睡眠障害などの論文が出てきています。実害については論文に任せるとして、ここではブルーライトのカット率について解説します。
みなさんが何となくお店で見つける「ブルーライトカット」「ブルーライト低減」スマホ用保護フィルムですが、大体の製品に、「ブルーライト〇〇%カット」などと記載されているのを見ると思います。
ブルーライトカット率の数字の謎
では実際に購入しようとなった時に、この数字を見て、どのような基準として選べばいいのでしょうか。
通常では、カット率は「約30%カット」や「約40%カット」という数字ですが、大きいものでは「90%カット」というものもあります。
この数字は何を表しているのか。そもそも大きいほうがいいのか、スマホの表示画面にどの程度の影響があるのか、なかなか分かりにくい状況だと思います。
そこで、まずは「ブルーライトは何なのか」について解説をいたします。
光の波長
人間が目で見ることできる光色(可視光線)は、波長で決まっています。
大体、380nmから780nmの間の波長が、人間の目に見える範囲とされています。波長が高いと赤色になり、赤より高くなると「赤外線」という領域になります。
逆に波長が低いと紫色になり、紫より低いと「紫外線」、UVと言われる波長になります。さらに低くなると、レントゲンで使うX線などになっていきます。
私たちが表記で使っているブルーライトの定義としては、可視光線の中で、380nmから480nmの間を指すのが一般的です。
ブルーライトの「カット率」
さて、ブルーライトの波長域について説明したところで、ここからが本題になります。スマホの保護フィルムによるブルーライトのカット、とは、380nmから480nmの間でどれだけカットしているか、ということになります。
表に表すとこのようになります。黒いラインがカット率を表し、横方向の波長ごとにどれだけカットしているのか、を表しています。
このラインをよく見てもらえるとわかるのですが、ブルーライトをカットする、ということは、紫外線に近く目に見えにくい380nm付近を大きくカットし、ブルーとして認識されやすい450nm近辺からカット率がぐっと下がり、ブルーライト範囲外ではほぼ0%、カットしていないということになります。
これは、実際に保護フィルムを貼り付けて、ブルーライトをカットしているのに、どうしてブルーは見えているのか、という回答にもなります。「より紫外線に近い領域を大きくカットしているから」ということになります。
詳しくは後述しますが、ブルーライトをちゃんとカットしつつも、表示品質には大きく影響を与えないためでもあります。
「ブルーライト90%カット」とは、どういうことなのか
私たち保護フィルムメーカーでは、ブルーライトカットの競争が進み、「数字を大きく表示する」というメーカーが出てきています。売り場には「90%カット」、などと大きく謳っている製品もたくさんあります。しかしこれは、私としては「嘘ではないが、表現が足りない」と考えています。
嘘ではない、というのはどうことなのでしょう。先ほどの表に、A, B, C, Dの位置でカット率を見てみましょう。
紫外線に近いA地点において、380nm付近では確かに100%に近いカット率を出しています。しかしながら、B地点あたりからカット率は急激に落ち始めます。そしてブルーライトカット領域内である、C地点の近くにいくと限りなく0%に近づいています。
つまりこの場合、ブルーライトカットを表記するのであれば、「380nmで90%カット、480nmでは0%」と表現しないと正確ではないのです。
本当にブルーライトの波長全域で90%もカットしてしまっていたら、それはブルー成分が全部失われ、おそらく緑の領域まである程度カットしてしまっていることになり、写真などもまったく別のものに見えてしまうでしょう。
例えばこういう海の写真などは、Photoshopで青色成分を抜くと、このようになってしまいます。
私たちが採用する、カット率の表現方法
では上記を踏まえて、どのように表記するのが一番正確な表記方法でしょうか。
このグラフのように、カットしている領域と光が透過している領域で分かれるため、この領域の大きさを表現するのが一番正しいと考えています。そのため私たちは、380nmから480nmの間の波長ごとのカット率を平均した数字をカット率として、発売したばかりのAQUOS R3、Xperia向けのガラスからそのように表記しています。
カット率の大小について
ブルーライトのカット率は大きい方が目に優しいのですが、その分、表示品質も劣化していきます。何%が推奨、ということはないのですが、例えば暗闇の中で使うことが多かったり、刺激に弱い子供が使う場合などは大きなカット率の方が良いであろう、とは思われます。
もし、カット率の大きなものが欲しいときに、90%カットの表記の製品があるのであれば、心配があればメーカに対し、「380nmから480nm(ナノミリ)の波長での平均のカット率を教えて欲しい」とお問い合わせいただければ、より正確に比べることができると思います。
▼追記
2021年のiPhone 13シリーズ対応製品発売以降、黄色くならないブルーライト低減保護ガラスをリリースしております。目の疲れは気になるけれども、表示画面の色をなるべく変えたくない、という方に、新しいブルーライトカット保護ガラスをおすすめいたします。
詳しくは、「まったく新しいブルーライトカット、iPhone 13用保護ガラスについて」のブログをご覧ください
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開発
ようへい
開発、生産工程に関わる。家具メーカーのセールス時代に星川と出会い、意気投合してトリニティに転職。製品開発で中国に何度も通ううちに辛い食べ物に覚醒。隙があれば食べ物にハバネロソースをかけてしまうため、周囲から嫌がられている。
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