- 9月
- 2024年10月
HDMI Switherの需要が大いに増えてきているという現状を把握した上で、すでにいくつかのメーカーから発売されているSwitcherと何が違うのかというところに入りたいと思います。
・最新のHDMI規格バージョン1.3a対応
一番大きな違いとしては、このHDMIバージョン1.3a(以下、1.3a)に準拠したHDMI Switcherであるということです。この1.3aは製品としてはPlaystation 3を皮切りに今年になって多くの機器がこの1.3a対応となってきています。今年の冬モデルでは多くの機器の「ウリ」がこの1.3aとなっています。
ここで少しだけこの1.3aについての解説をしておきます。
★
前回説明したHDMIには仕様策定時期と含まれる機能によってバージョンが分かれています。古くは1.0から1.1、1.2と続いて現在の最新バージョンが1.3となります。また、非常に細かな改訂という意味で末尾にaと付いているバージョンも存在します。現在では1.3aとなっています。
この1.3aの大きな特長としては、より色深度を拡張した「ディープカラー」、広いカラースペースを実現する「xvYCC」、より高音質を実現する「Dolby TrueHDおよびDTS-HD Master Audioのサポート」、映像と音声の同期を自動的に合わせる「リップシンク」などが挙げられます。
これらは使用機器のすべてが1.3対応でなければ実現できません。もちろん、HDMIには後方互換性というものがしっかりと用意されているため、映像や音声自体を出すことは可能ですが、前述のような「より高画質、高音質」を望むためには1.3での伝送が必要となるわけです。
出力プレーヤーが1.3対応で前述のような機能を含んでいても、途中の機器(SwitcherやAVアンプなど)が1.3に対応していない場合には、それ以前の仕様(たとえば1.2)に落とした状態で伝送されるため、ディスプレイ側が1.3に対応していたとしてもフルスペックでの鑑賞を行なうことができないというわけです。
★
現在、市場に多く出回っているHDMI Switcherのほとんどはバージョン1.2対応(以下、1.2)の製品で、残念ながらこれらを使用すると前述のようにフルスペックでの鑑賞ができないということになります。利便性を高めるためのSwitcherですが、これを使うことによって機能を最大限に生かすことができなくなってしまうようでは本末転倒となってしまいます。
もちろん、以前から販売しているため、1.2の時代では最新であったわけなので、これらのSwitcherが悪いというわけでは決して無く、1.3の時代がやってきたということになり、それに対応した製品が必要になってきているのです。
では、1.3で最新というけれども、また1.4や1.5が出てくるでしょう、というご指摘もごもっともです。当然、1.4が出てきた際には1.3相当での信号伝送は可能ですが1.4に含まれる新機能を実現できる可能性は低いと言えます。しかしながら、現在策定されている1.3では2.0と呼ばれても良かったのではないかというくらいの大幅な改訂がなされており、HDMI規格策定の団体からも「当分の間この1.3の仕様で需要を満たすことができる」とアナウンスされています。
現在、1.3以上の規格策定の話はまったく出てきておらず、出てきた後に規格策定、それに対応した製品発売という流れには数年かかると見込まれます。また、前述のように1.3では将来を見越した仕様設計がされているため、現在のデジタルテレビやハイエンドコンテンツであるBlu-rayやHD DVDなどの仕様は完璧に満たしています。新しい規格が望まれるのは、現在の規格ではカバーできないメディアが現われた場合であると考えると、当面の間1.3より上の仕様というのは需要がないのではないかと思われます。つまり、Blu-rayやHD DVDの次世代規格の発売まで必要がないのではないかということです。ようやく普及が拡がってきたこれらのメディアが来年や再来年に変わるとは到底考えられません。
もちろん、デジタル技術の革新はまさにドッグイヤーなので、数年先のことを予想するのは不可能に近いともいえるため、私がこう書こうとも来年にBlu-ray Extremeが出ないとも限りません(笑)。ただ、現在の状況だけ考えれば、1.3の製品を買っておけばまず間違いないと言えるでしょう。
少し長くなってしまいましたので、Simplism HDMI Switcherの特長について、別エントリーで続けたいと思います。
…つづく。
あわせて読みたい
このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
コメントを投稿
ログイン
登録
他のサービスIDでログイン
Log in with Facebook Log in with Twitter Log in with Googleログインせずに投稿する場合には名前とメールアドレスを入力してください。
管理者の承認後、コメントが表示されます。