中国ライドシェアサービス「滴滴(ディディ)」には運転代行サービスもある

2019.05.06

ライドシェアと聞いて思い浮かべるサービスは、「Uber(ウーバー)」や「Lyft(リフト)」などが思い浮かべられるかと思います。特に、日本では二種免許を持っていない人が、有料で人を乗せるサービスをするということが認められてないために、普通免許の人が自分の車を利用して、空いた時間を使ってタクシー的な業務を行なうということができないということもあり、サービス自体があまりピンとこないかもしれません。

それが故に、日本においては目的としては車で移動したいという要求を満たすために、「タクシーを配車してくれるようなアプリ」は増えてきており、それを利用してUberも一部のサービスを行なっています。しかしながら、根本的にライドシェアとは考え方が異なるために、コスト面においても特にメリットが無いですし、タクシーが営業してないエリアでは結局のところ配車してもらえないので、これまでにあった料金やエリアの過疎化などの問題を解決するものとはいえません。

さて、中国は数年前までは、世界中で見てもタクシーを安全に利用するのが難しい国だったのではないかと思っています。私が中国に頻繁に行くようになったのが10数年前で、その頃はタクシーに乗るというのはかなりの至難の業でした。

もちろん、これは私がよく行っていた広東省深圳あたりのタクシー事情であり、私自身が体験、見聞きしたという範囲だけの話なので、これで中国を語ってはいけないのかもしれませんが、私にとっての中国はそういう印象という、個人としての感想です。

そもそも、正規に営業しているタクシーの数が相当少ないのです。現地のスタッフもいわゆる白タクシーを利用する場合が多く、その場合には料金についても不透明で、毎回交渉していくことになります。正規タクシーだったとしても、うっかりと油断してしまうとメーターを回さないで進んでしまって、到着したときに言い値で請求してくるということも多くありました。

過去に、当社社員が1人で合流することになり、タクシーに乗って集合地点に来るということがありました。その時に、そんなに遠くないのにもかかわらず300元も請求されたということで、そんなわけないでしょうと言葉が通じないながらも揉めたら100元になったよ、という話をしていたら、本当は30元くらいの料金のはずだったという笑い話が語り継がれているほどです。

基本的に、下記のような問題がありましたので、自分だけでタクシーを利用するということはありませんでした。

  • 流しのタクシーがほとんどいないので捕まえにくい
  • 会社に電話しても配車してくれない
  • 行先を中国語以外で伝えられない
  • 料金が不透明

そんなところに現われたのがUberでした。アメリカなどの国では使っていたので、非常に便利だと思っていました。前述の問題をすべて解決してくれたのです。タクシーはアプリで配車され自分の現在位置まで来てくれて、行先はマップで指定することができて、料金は最初に決めた金額のままで、なおかつ支払いは登録クレジットカードになりますので、良いことしかありません。

中国というのは少し特殊な国で(深い話をするつもりはありません)、新規のビジネス領域において海外の企業が成功することはあまりありません。前述のUberも、当初ほぼ同じサービスを後追いでしてきた中国企業である滴滴(ディディ)との競争に敗れ、結果、Uberのサービスは滴滴に吸収されることになりました。

現在では、私の知る限り大手のライドシェアサービスは滴滴しか行なっていない独占状態となっています。競争が働かないなどのマクロ的な弊害はあるとしても、私自身がタクシーに乗るということであるミクロ的なところではまったく問題がありません。

長々と書きましたが、これらの前提があってのでタイトルの話です。前半部分の前提がないとあまりこの話を理解してもらえないかなと思って書いてみました。

現地の取引先企業の社長に大量にものすごくアルコール度数の高い酒を延々と飲まされるという、接待されるのに辛いという不思議な中国あるあるの接待を受けました。その際に、私だけでなくその社長も飲んでいて、来るときに運転してきていたのでどうするのかなと思っていたら、滴滴は運転代行サービスもあるようで、車になる際に待ち構えていた人がトランクを開けて自分の電気自転車のようなものを収納して、運転して帰ってくれたのです。

飲まされてフラフラになりながらもなんとか撮影

これはものすごく便利なサービスですね。日本でも車で飲みに行って、帰りは運転してもらうという運転代行サービスはありますが、これは基本的にタクシーと同じ扱いなので二種免許が必要です。また、2人1組で車で待機していて、サービスを依頼すると2人がやってきて、1人は依頼者の車を運転し、もう1人は元の乗ってきた車を運転するという、かなりのコストをかけたサービスとなっています。

私自身は車を所有していないというのもあり、お酒を飲むときに車で行こうということも考えることがないので、運転代行サービスを利用したことがありませんが、仕組みから考えると、それなりに高価なのではないかと思います。

しかし、滴滴の運転代行サービスでは、おそらく普通免許を持っている人が待機していて、呼ばれたら折りたたみの自転車(電動かどうかは分かりませんが、すぐに移動できるという意味で電動なのかなと思いました)なりで馳せ参じ、トランクに自転車は入れた上で運転して、送り届けたらまたその自転車で帰るという仕組みです。これであれば、人件費も抑えられますし、ライドシェア的考え方でいけば、そのサービスをする人は呼ばれたときだけ、その時に行けるようであれば受諾するというだけなので、ギブとニーズがマッチして成立するサービスとなります。

便利さ、だけで考えると素晴らしいサービスで、こういうのもやっているとは知らなかったので驚きました。

日本という国ではタクシーという文化があり、そして人を乗せて営業活動するにはまず安全性ということを担保しなければいけないという意味では、ライドシェアを規制したくなるという向きはとてもよく分かります。滴滴でも、殺人事件や交通事故などたくさんの問題が発生しているようです。そのため、一概にライドシェアの方が優れているということにはならないと思っていますが、それでも、ギブとニーズをうまくマッチさせていく方法はあるのではないかと思っています。

今後、滴滴はソフトバンクと共に日本でもサービスを展開していくということなので、期待したいと思っています。

P.S.
冒頭の写真は、中国でのタクシーの写真が見つからなかったので、香港のタクシーの写真です。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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