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いまさら書くこともありませんが、ポータブルオーディオの代名詞となったと言っても過言ではないiPodと、電話としてもインターネットデバイスとしても革命的な機能と使い勝手を誇るiPhoneですが、この2つを巡るアクセサリーメーカーの創意工夫・競争は日々激化しています。我々もその中にいるわけですが、メディアなどを見ているとどうしても一言書きたくなってしまいました。
AppleはこのiPod/iPhoneの充電や同期、制御などさまざまな信号をやり取りするDockコネクター(正式にはDockコネクタですが、私はコネクターと伸ばしたい派なので、ここでは「コネクター」と表記します)を独自に開発し、このDockコネクターを利用した周辺機器の開発をライセンス契約をしたサードパーティーに公開しており、このプログラムの総称として、「Made for iPod/Works with iPhone」があります。冒頭のロゴマークを見たことがある方も多いと思います。
この2つのライセンスは基本的に電気系の制御を伴う周辺機器に対して適用されるため、ケースは対象外となっています。一般的にはDockコネクターを使用するものを指しますが、現行iPodシリーズではイヤフォン端子を利用したマイクやリモートコントローラーにも適用されます。当社の製品である「DockStrap」はDockコネクターを利用しているものの、電気的なやり取りを行なっていないため、Made for iPod(略してMfi)の対象外となります。
さて、市場やメディアで紹介される製品を見てみると、明らかにライセンスの対象となる製品がその契約をせず、Appleによる認定を受けていない状態(当然ロゴも表記されていません)で販売されています。
なぜこのような製品が出回っているかというと、やはり価格の問題が一番大きいといえます。Appleの開発した知的所有権を使用する訳なので、ライセンス費用がかかりますので、それを支払いたくない会社が「違法に」類似品のコネクターを使用して、Appleの仕様に完全に準拠していない(と疑われる)状態で製品を作っているのです。とりあえず使えるというものは多いでしょうが、実際に仕様に沿っていない製品を使い続けた結果、iPod/iPhoneの基本仕様に影響を及ぼすこともあり得ます。当然、価格はライセンス認定製品よりは安くなりますが、だからといってこのような違法行為は許されるものではありません。
業界ではよく、ライセンス費用が高いということを言われますが、iPod/iPhoneの周辺機器でビジネスをするということは、Appleがこれまでにかけた莫大な開発費やマーケティング費などの上に乗っかっているわけで、ここでAppleへの見返りがなければ、完全にクローズドにされてしまったとしても文句は言えません。このビジネスを健全に育成するには、この周辺機器ビジネスはAppleに対してもしっかりとメリットのあるものだとする必要があるのです。
さて、本題です。オンライン、オフライン問わずにiPod/iPhoneアクセサリーを紹介する際に、この点について触れていない場合が多いのが目に付きます。特に、Mfiライセンス準拠している場合はしっかりと書いていても、準拠していない場合には、ワザとなのか触れていない場合が多いのです。
知的財産権という意味では、偽物のブランド品を販売するのとほぼ変わらない行為であるのにもかかわらず、ずいぶんと寛容な措置で、製品としても推奨するような記述も多く見られます。iPodやiPhone本体の知的財産権侵害ではないから、なのかもしれませんが、Appleに対する知的財産権損害行為としては変わらないのを認識していただきたいです。
国内でも大手オーディオメーカーや自動車メーカーなどはしっかりとライセンスを受けていますし、当社も含めて小規模な会社でもライセンスをしっかりと受けているところもありますが、ライセンス違反が蔓延ってしまうと、健全なビジネスモデルが成り立たなくなってしまうので、メディアの方々にはしっかりと区別をして紹介をして欲しいところです。
iPod周辺機器の情報サイト大手の「iPod Style」では、私が個人的にお願いをしたところ、即座にレビューの最後にライセンス取得の有無を明記するようにしてくれました(例)。前からあったのかもしれませんが、ガイドラインのページもできているようです。
このように問題意識をしっかりと持って紹介をしていただく事は、ユーザーの方々の判断基準にもなりますので、ぜひともすべてのメディアで実施していただきたいと思います。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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コメント
2009.08.15 21:49 #1031 gm
#1031への返信
2009.08.15 21:49 #1031 gm
だからこそ御社から外部バッテリーが発売されることを首を長くして待っていたのです!
2009.08.16 17:31 #1032 Hossy
#1032への返信
2009.08.16 17:31 #1032 Hossy
gmさん、書き込みありがとうございます。
待っていただいてありがとうございます。あまり詳しくは書けませんが、Made for iPod/Works with iPhoneを取得するには長い道のりがあり、そのために発売が遅れてしまうこともあるのが頭の痛いところです。
2009.08.17 22:54 #1033 iPod Style
#1033への返信
2009.08.17 22:54 #1033 iPod Style
ガイドラインは、今回の件を機に整備しました。適宜、改訂を加えて、誤解が少なくなるようにしてゆきたいと思います。
過去のレビューも、可能な限り遡って修正しておりますが、意外と多いのに驚きました。
メーカーにも何件か問い合わせましたが、製品のジャンルによっては仕方ない事情もあると言う感じを受けました。
※だからそれはいいという訳ではありませんが・・・
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