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ネットと選挙の公平性のバランス

2009.07.22

投稿者 : ほっしぃ

毎日.jpによると、「政府は21日の閣議で、インターネット上で短い文章を投稿・閲覧するサービス「Twitter(トゥイッター)」を選挙運動で利用することについて、「公職選挙法に違反する」」との閣議決定をしたとのことです(もちろん、ツイッターなら良いというものでもありません)。また、現在の公職選挙法における総務省の見解としては、選挙期間中にウェブページやブログ、不特定多数へのメールの送信を行なうことは「文書図画を頒布し又は掲示」にあたるとしています。

と、私が書き始めると、ネット選挙を推進するエントリーのように思われるかもしれませんが、実は現状においては簡単にネット選挙解禁を推すことはできないと考えています。その最大の理由が、選挙の公平性を担保することができないということです。

ここでいう公平性とは2つの側面を持ちます。ひとつは候補者側からみた公平性です。すべての候補者は公平に有権者の判断に基づいて当選・落選を決められるべきですが、一言にウェブサイトもブログも有効な選挙活動という事になった場合、候補者の財力・人力によって差が出てきてしまう可能性が大いにあります。基本的には財力がなければ、デザインの凝った、SEOもしっかりとした、ビデオストリーミングなどの技術力をもったサイト運営をすることができません。

本来、選挙は候補者の主義・主張(政策)によって投票を促すべきであって、財力や技術力によって優劣を分けるものではありません。厳密に言えば、ネット選挙という視点を離れても、政党助成金など、政党に有利な仕組みにはなっていますが、ネット選挙の解禁を安易にしてしまうと、さらにこれが拡大していってしまうと懸念されます。

しかしながら、ネット世代の有権者の声も反映された選挙を行ないたいと考えた場合、選挙管理委員会が設置したサーバーに、決められたイメージや文章を公平に載せるということで、この懸念をある程度解決することができます。

ただ、もうひとつの側面として、有権者側の公平性も担保することができないという問題があります。現在は、選挙公報というすべての候補者に対して平等に決められた文字数、スペースの中で主張を述べたものが配布され、選挙ポスターも一定枚数に制限されたポスターが掲示され、そこで判断するわけですが、ネット選挙解禁ということになるとインターネット環境を持たない有権者には、そこで展開される主張を知るすべがないということになります。文字数が制限されていないネット上での展開では、それを見なければ知ることができない情報が多く含まれるということになり(だれも選挙公報のコピーを掲載するということを望んでいるわけではないと推察します)、候補者を判断する材料に欠けることになります。

こちらは、すべての有権者に対してネット環境を提供することができないため、根本的な解決をすることができません。個人的には、ネット選挙を推進していって欲しいとは思うのですが、かといって時代の流れに乗って安易に選挙の公平性を損なってもらいたくもないのです。

それほど多くの文献を調べた上での考察ではないため、すでに解決法が生み出されているのかもしれませんので、ご存じの方がいらっしゃったらご指摘いただけると助かります。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「 Simplism 」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は24時間365日のウェアラブルデバイス「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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2009.07.22 19:39 #1012 ながやま
#1012への返信

2009.07.22 19:39 #1012 ながやま

お金の差で差が出ないということであれば、ポスターすら禁止の方が良いですね。町の景観も壊しますし、ポスターを掲示板に貼る手間賃や交通費は公費ではないはずです。(お金や組織を持ってる人じゃないと、掲示版を網羅できない)電話代が掛かるとか言う政治家もいますが、Skypeでかけろっちゅーの。光ファイバーだけ引いて、あとは月額契約で30回線引いても、2万円ちょっとで済みます。

インターネットの取り込みに関しては、まずは選管サーバーへの選挙広報/ポスターの掲示を始めてもらうところからじゃないですかねぇ。で、広報の印刷料も減らして掲示板もあちこちに立てずに投票所内だけに置けば十分じゃないでしょうか。選挙に金がかかるってのも、選管の予算もかなり掛かってるはずです。開票も翌日にして、公務員のクソ高い時間外手当を払う必要は無いとも思います。

現在は政党の構成メンバー全員の主張を閲覧するのも不可能ですし、政党マニフェストだけを見ていても、これらのメンバーでちゃんとマニフェスト守る気があるのか?っていう判断はできませんしねぇ。

なんか政治/行政ってアホらしい経費かけすぎですよね。

2009.08.12 15:59 #1013 Hossy
#1013への返信

2009.08.12 15:59 #1013 Hossy

ながやまさん、書き込みありがとうございます。

ポスターは決められた予算の範囲内で作るのと、ポスター貼りはほとんどが支援者だけでできる範囲なので、そこに経費の差はあまり出ないのではないかと思います。むしろ、組織でお金払って貼ってもらうと公職選挙法違反になりますね。

ITを駆使した「工夫」についてはどんどんやっていくべきだと思いますし、たしかに開票は翌日でも良い気もしますね。

ただ、本文でも指摘の通り、インターネットを使用してその情報にアクセスできない人たちの方が圧倒的多数を占めるわけなので、そこへの配慮を切り捨てることはできません。

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