- 11月
- 2024年12月
iPadの5月10日の予約販売に関する情報がソフトバンクから出てきました。この中で2点驚くべきことがありました。
なんといっても驚かされたのがソフトバンクからの発表が土曜日、しかもアップルから正式な価格が発表される前に出てきたことです。普通に考えて、先般の「流通改革」なども話題になったように、基本的には唯我独尊を貫くAppleのスタンスから考えるとiPadを販売するキャリアだといえども自社よりも先に発表を許すというのはよっぽどのことであると推測されます。明日の5月10日にいくらで予約が開始されるのかということがアップルから(もちろん家電量販店からも)はアナウンスされないまま(5月9日午前10時段階)なのに、ソフトバンクショップ経由での販売価格は料金プランも含めて発表されているわけです。
さらに、iPad 3G版がSIMロックされた状態で販売をされるということです。Appleの発表でもSIMロックされていないということで日本でもDoCoMoを含む複数キャリアでのデータ通信サービスが期待されていましたが、現時点においてはその夢は潰えたといえます。元々、DoCoMoの社長がいろいろiPadについて事前に話をしていたところから、Appleとの正式な交渉はできていない「リップサービスによるアピール」である可能性が高いというのが大方の予想でした(実際に交渉中だったとすれば、それについて話すことはあまり考えられないからです)が、まさかSIMロックされて販売されるとは誰も予想していなかったのではないでしょうか。
なぜならば、iPhoneも今後SIMロックされない状態で販売される方向にありそうだという話もありつつ、iPadはその布石としてSIMロックされずに販売され、キャリアに縛られずに販売台数を伸ばすことができるわけで、特に日本でいえばDoCoMoユーザーをターゲットにできるという意味ではDoCoMoからiPadを販売するという契約ができなかったとしてもその門を閉ざすわけではないので「ご自由どうぞ」ということで、キャリア間では激しく競争が始まるのでしょうが、Appleとしては競争してiPadの販売促進をしてもらえるわけですし、電波のカバーエリアに関してもDoCoMoという強力なネットワーク基盤を使えるわけですから、確実にiPadの幅を拡げることになります。
私自身も、DoCoMoからSIMが出てくれば、iPhoneがソフトバンクであることからDoCoMoを選択するつもりでいました。
さて、この2点を考えた時に、ソフトバンク孫氏の驚くべき交渉力に舌を巻かざるを得ないわけです。Appleというおそらく現時点において世界中でも屈指の勢いがあって妥協する必要もなく、タフな相手に対してこれだけ良い条件を引き出すことができているというのは、少なからずAppleのビジネスの近くでビジネスしている身としては「すごい」の一言です。Apple CEOのSteve Jobs氏との交友関係は古くから知られていますが、それだけでここまでの好条件を得られるのでしょうか。普段、どのような話をしているのかとても興味深いです。
最後に、今回のことで懸念されるのは、いろいろな思惑が交錯しての結果であろうとは思うのですが、料金プランや販売店情報など含めてかなりわかりにくいことが、iPadを気に入ったとして購入する段になって「なんだか面倒くさい」となって敬遠されてしまうのではないかということです。ソフトバンクの情報だけによれば、iPad WiFiモデルを購入するにもクレジットカードなどが必要ですから、「面倒くさい」となりかねません。
iPadはこれまでにない素晴らしいデバイスで、大きな可能性を秘めているので、なるべくその魅力だけで販売できるように複雑なシステムや制限を設けないで欲しいと思います。
追記:
ここまで書いてきてふと思いつきましたが、正式に発表されているわけではありませんが、今回のiPadはソフトバンクが販売元となって家電量販店などにも「卸す」という意味なのでしょうか。そうでなければ、なぜアップルではなくてソフトバンクのサイトに販売店情報が掲載されているのか。また、そう考えるとアップルより先に発表したことも納得できるといえます。つまり、価格決定権はソフトバンクにあり、アップルもソフトバンクの卸先のひとつ、と考えることも可能です。
しかし、そうなるとさらにソフトバンクの好条件は「ものすごい」ということになります。
もちろん、これは少ない情報の中での推測ですので、5月10日にポロッとアップルから違う価格で出てくる可能性も否めません。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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