レジがない未来のコンビニエンスストア「Amazon Go」の課題

2019.01.12

投稿者 : ほっしぃ

CES 2019視察のために向かったアメリカ大陸、最初はサンフランシスコに降り立ちました。ここでいくつかやっておくべきことがあったのです。そのひとつが、Amazon Goを体験することでした。到着当日に偵察に行ったところ、残念ながら営業していませんでした。

写真が不鮮明で申し訳ありません。月曜日から金曜日は午前7時から午後8時まで、土曜日は午前9時から午後6時まで、日曜日は休業のようです。私がサンフランシスコに到着したのが土曜日だったのですが、別のミッションがありサンフランシスコ市街から離れていたため、日曜日にトライしようと思ったらお休みだったというわけです。

ちゃんと下調べしておけよという批判は甘んじて受けるしかありません。しかし、私が何故調べもせずに単にいけば良いと思っていたかというと、Amazon Goは無人コンビニエンスストアという印象があったので、24時間365日営業しているものだと認識していたからです。人が介在しないで営業できるのだから、そういうことが可能になってくるのかなと思っていたわけです。

気を取り直して、翌朝に訪れました。立て看板に「Now open」と書いてあるところからも、オープンしているのかどうかが分かりにくいということがあって、オープンしているよとアピールしているのかもしれません。そして、「Now Hiring」と書いてあるのも、無人コンビニエンスストアという意味では、シュールに感じてしまいます。

中には駅の改札を思わせる大きなゲートがあります。一番右が広いのは車椅子も通り抜けられるように考えられているからだと思います。アメリカは特に、車椅子の方々が街中にたくさんいます。それだけ街が配慮して運営されているのだと思います。

しかし、このゲートが随分大げさなのはなぜでしょうか。入退場を管理したいというのはわかりますが、奥行きも含めて長く取ってありますので、入口だけでかなりのスペースを使ってしまっています。実際の役割としては、入場者がバーコードをかざして、誰が来たのかを認識するということだけです。退場するときには特にバーコードをかざすこともなく、単に出るだけですからゲートも無くても良いのではないかというくらいです。何か意図があるのでしょうから、知りたいところです。

ちなみに、これまた勉強不足を露呈してしまうので書かなくても良いのですが、Amazonのショッピングアプリで入場できるものだと思ってました。入口には一切説明が書いておらず、スタッフの人が入口に立っていて、教えてくれる仕組みです。ここで人を使うとはなかなかな仕組みです。Amazon Goに来るような人であれば、ディスプレイに動画流しておけば良いのではないかと思ったりしますが、リテラシーが高くない人にも入ってきて欲しいということなのかもしれません。

Amazonのショッピングアプリとはまったく別のAmazon Goアプリは、IDやパスワードは同じものを使うものの、2段階認証なども再度やらなければいけないので少し時間がかかります。行く方は事前にセットアップしておくことをお勧めします。

さて、晴れてセットアップが終わり、入場です。前述のように、バーコードをスキャナーで読み取らせるだけで、ゲートが開くので特に難しいことはありません。初めてSuicaを使って駅の改札を通り抜けたときのことは忘れてしまいましたが、その時のときめきは感じなかったように思います。

中に入ってみると、棚にキレイに商品が並んでいます。おそろしく整頓されているのは、カメラで商品を取った、戻したなどを認識させるのに必要なのだと思います。ここにもスタッフが一人居ました。この人は商品を陳列する担当だと思います。

写真を見てお分かりの通り、ほぼお客はいません。さきほどの写真の人が1人後から入ってきたのと、10分ほど滞在した中で来場してきたのは2, 3人程度でした。まだ知名度が低いのか、それとも怖くて入りたくないのかは分かりませんが、いずれにせよこのままでは閉店してしまうのではないかというほどの閑散ぶりです。

面白いことに、後にバックヤードからAmazonのスタッフが2人出てきたので、入口のスタッフと陳列していたスタッフを入れると4人でオペレーションをしているように見えました。他にも人がいたかどうかは分かりませんが、日本のコンビニエンスストアでも4人いるのはそれなりに大きな店舗ではないでしょうか。

特に怒られることはないだろうと思いつつも、無数のカメラを撮影するのはちょっと怖い気がしました。本当に無数のカメラがずっと監視していますが、上を見上げなければ気にならない程度に控えめではあります。オープンの時に課題となっていた、かなりの人数が同時に買い物をしたときに、すべてを正しく認識することができるのか、というのは解決したのでしょうか。

なぜか、 ショッピングバッグだけは手動でアプリ内で購入プロセスを踏まないといけない仕様になっています。商品は管理できるのに、紙バッグはできない理由はどこらへんにあるのでしょうか。まだまだ発展途上なのかもしれません。

特に買う必要はなかったものの、何か買ってみないと新しいショッピング体験はできないので、チョコレートとマグカップを購入しました。ちょっとイヂワルをして、一度バッグに入れてから戻したり、戻す場所を変えてみたりしましたが、結果としては正しく認識されていました。

ちなみに、Amazon Goショップから出るまでは、アプリ内では購入しているものを見られませんでした。まだ購入が確定していないからなのだと思いますが、そこで見えるようになっているといくら購入するのかが分かるし、忘れ物がないかなどもチェックできるのでより良いのではないかと思いました。それと、サムネイルの写真は出して欲しかったなと思いました。文字だけよりも写真があるとイメージがつきやすいです。

Amazon Goショップから出ても、すぐにはアプリに反映されず、2, 3分経過してからアプリ内で上記の表示が見られるようになりました。ゲートを出た段階で確定とするのであれば、すぐに反映してくれる方が良いですね。

全体的に、とても面白い試みで、将来的にはこうなっていくのだろうなと感じたAmazon Goでしたが、まだまだ課題はあるようです。

・スタッフが多い

私は本当に最初は無人で運営していると思っていました。しかし、実際にはレジ業務をしていないというだけで、むしろ説明する人がいたりするので人に頼ったお店でした。これだと営業時間も限らないといけないということになります。

・カメラや設備のコスト

かなり大げさなゲートと、無数のカメラのコストは一体どれくらいなのでしょうか。商品にRFタグを付ける方が実際問題コスト比較すると安くなったりするのではないかと思わせるほどの大量のカメラでした。RFタグだと確実に持って出たかどうかが分かるし、商品の認識も間違うことがないので確実な気がします。コストが10円くらいかかるということで、普及していないということでしたが、それこそAmazonの力を持ってすれば解決できそうな気もします。

・新製品の追加が難しそう

カメラ認識の問題でもあるのですが、その製品を画像認識させていかないければいけないので、簡単に新製品を入れられないように思います。

などなど、期待値が大きかったからか、気になることが多く出ててしまったAmazon Go。次回来るときにはいろいろとアップデートされていそうですね。今後に期待したいところです。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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