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もうタイムスタンプは不要。2022年1月施行の電子帳簿保存法に対応するには。

2022.05.06

Photo by ron dyar

トリニティ株式会社では、2022年1月1日から施行された電子帳簿保存法に対応したテスト運用を同日より開始し、2022年5月1日から始まる第16期から正式に運用を開始しました。

これまでも業務効率化の一環としてペーパーレス化を推進してきました。すべての社内書類はデータとしてクラウドに保存し、申請などもGoogle Workspace(旧G Suite)を活用し、グループウェア上でデジタルにて処理をしてきました。しかしながら、税務上の処理についてはタイムスタンプの付与をはじめとするいくつかのハードルが高く、税務に関わる書類については実運用としては紙にプリントアウトした上で保存することを余儀なくされていました。

それが、電子帳簿保存法が抜本的に改訂され、2022年1月に施行された内容からすると、私たちのような中小企業においても簡単に、かつ当社においては追加投資をせずに励行することが励行することが可能となりました。

世の中では、この電子帳簿保存法をよく知らない会社に対して、あたかも自社サービスを使わないと対応できないような言い回しや、タイムスタンプを付与しないと運用できないようなセールストークにてハードウェア・ソフトウェア・クラウドサービスを売り込むようなことが見受けられます。

Photo by Quaritsch Photography

本記事では、中小企業においてもそれほど多くの追加投資なく実運用することが可能であるということを広く知らしめたいという目的で情報提供を行なうものです。ただし、税務署見解や顧問税理士の対応によって運用が異なる可能性がありますので、情報は情報として受け止めてもらいつつ、実際に運用する際には顧問税理士と相談した上で進行していただくようにお願いします。

決まり文句となり恐縮ですが、本記事によってなんらかの不都合、不利益、損失を被ったとしても当社および私が責任を負うことはできません。また、当社においても国税庁の案内をできる限り精査し、理解したと確信した上で、顧問税理士と相談して運用を決定していますが、今後税務調査を受けた際に運用の修正を指示される可能性はあります。その際には、この記事の改訂をするつもりです。あらかじめ、ご理解いただいた上でお読みください。

なお、足りてない記載もあるかもしれませんので、何かあればこの記事にコメントしていただければ加筆訂正するようにしていきます。

電子帳簿保存法抜本的改定の趣旨とは。

実はこの電子帳簿保存法の歴史は古く、Wikipediaによると最初の施行は1998年だったそうです。まだ当社も創業してない頃ですので、クラウドサービスもなければ、iPhoneすら存在していない時期から存在する法律のようです。

国税庁がウェブサイトに掲載している「電子帳舗保存法が改正されました」というタイトルの文書に2022年1月施行の電子帳簿保存法改定のポイントが記載されています。

「電子帳舗保存法が改正されました(0021005-038.pdf)」より。

相変わらずプリントアウトすることを目的としたフォーマットで、多くのことを詰め込みすぎているのでとっつきにくい文書ですが、今回の記事で紹介したいことだけピックアップします。なお、電子帳簿保存法では大きく分けて3つの区分があります。

  1. 電子帳簿等保存(コンピューターで作成したデータの保存方法ついて)
    1. 税務署長の事前承認制度が廃止されました。
      1. 事前に何か申請する必要がなく、すぐに運用開始することができるようになりました。ただし、期中で変更することができないので、期初から同じ運用で最後まで実施することが必要です。
    1. 電子帳簿の保存要件の概要。
      1. 検索要件「取引年月日、取引金額、取引先」の3つで検索できること。
  1. スキャナ保存(紙で受領したデータの保存方法について)
    1. 税務署長の事前承認制度が廃止されました。
      1. 前記と同じく、事前に申請や届出をする必要がなくなりました。
    1. タイムスタンプ要件、検索用件等について次のとおり要件が緩和されました。
      1. 今回最も重要なのが3番目の記述で、下記に抜き出しました。
        1. 電磁的記録について訂正又は削除を行った場合に、これらの事実及び内容を確認することができるクラウド等(注1)において、入力期間内にその電磁的記録の保存を行ったことを確認することができるときは、タイムスタンプの付与に代えることができることとされました。
          (注1) 訂正又は削除を行うことができないクラウド等も含まれます。
  1. 電子取引(電子的にやり取りしたデータの保存方法について)
    1. タイムスタンプ要件、検索用件等について次のとおり要件が緩和されました。
      1. スキャナ保存と同様。

ここから読み取れることは、下記の4つなのだと理解しています。そして、3番が大きな大きなハードルを取り去った項目となります。つまり、これが行なわれればタイムスタンプは不要ということです。

  1. すべてのデータはデータのまま保存すること。
  1. すべてのデータを可視化できること。
  1. 変更・削除などが行われたかどうかが記録されていること。
  1. 検索ができること。
Photo by Markus Winkler

電子帳簿保存法抜本的改定を受けての実運用。

それでは、具体的に当社で2022年1月1日から開始した運用についての紹介をします。前提として、データにタイムスタンプは付与せず、Googleドライブの特定の場所に保存し、履歴はGoogleドライブのログで確認できるようにしておく、ということです。

  1. デジタルデータはすべて、特定のGoogleドライブに保存する。
  1. ファイル名は「日付_請求書_会社名_金額」(例:20220506_請求書_トリニティ_19800)で統一する。
  1. 紙で受け取った請求書や領収書はScanSnapでデータ化し、1と2のステップを踏む。
  1. 精算書などにはGoogleドライブの該当箇所へのリンクを入れておく。

ものすごく簡単に書くと、これだけです。これならば、タイムスタンプを付与するための費用や、何かしらのシステム開発や、ソフトウェア・クラウドサービスの導入は必要ありません。日本中の企業のほとんどが対応することができるのではないでしょうか。

Photo by Luca Bravo

少しだけ運用の補足で、ポイントを社内資料で共有しておきますが、特に難しいことはありません。難しかったのは、要件を満たす運用方法を国税庁のサイトなどを確認しながら見出すことでしたが、分かってしまえば簡単なことです。

このような規定はテンプレートが「参考資料(各種規程等のサンプル)|国税庁」にて公開されているものを自社に適合させるだけで完成します。

これだけ要件を緩和してくれれば、簡単に電子帳簿保存法に則って運用して、デジタル化=効率化を図ることができると思います。税務署側からしても、税務調査などではこれまでの紙で保存されていたデータをチェックする膨大な作業が必要だったところが、検索で簡単に該当の書類を見ることができるので大きな大きな効率化になると思います。

最後に。

タイムスタンプを付与しない運用については、国税庁のサイトを精査した上で問題ないと判断していますし、下記のような記事もあったので正解だと考えています。当社ではGoogle Workspace Enterprise Standardを導入して「ドライブのログイベント」の機能で作成から変更や削除まで誰がいつどのような操作を行なったのかがログとして残るようにしてあります。

当社ではGoogle Workspaceを元々契約して利用していたため、追加コストはかからずに対応することができました。他のクラウドサービスについては調べていないのでわかりませんが、おそらく競合しているので同様の機能があるものと思われます。すでに契約されている個人事業主・法人は使われているサービスの詳細を確認しておくと良いでしょう。今どきはあまりないと思いますが、すべてローカルに保存しているとか、社内にファイルサーバーがあるという場合には、これを機にGoogle Workspaceをはじめとしたクラウドサービスの契約をするのが、電子帳簿保存法対応への近道です。

Photo by Jagoda Kondratiuk

なお、当社においても顧問税理士がまだ完璧なる自信がないということもあり、本来は紙で受け取った請求書や領収書などはデータ化したら破棄して良いとされているのですが、保存をしておく運用にしています。冒頭に記載したように、次回税務調査が入った時に、この運用で問題なく進行することができれば、安心して紙の書類を破棄することができます。

また、本運用とは直接的には関係ありませんが、会計ソフトは税理士の希望により弥生会計を使用しています。こちらは、特にこれでなければいけないということはないと思います。

当社は創業時に3名だったということもあり、コストをかけずに運用するためにもオフィスを持たずに自宅で仕事をしていました。それぞれがデータを参照するためにはすべてデジタル化して、クラウド化(当初は社内ファイルサーバーでしたが)しておく必要があったため、下地ができていたということはあります。今回の電子帳簿保存法対応でも、変更したのはわずかなワークフローとファイル名の最後に金額を入れるというルールだけでした。

冒頭に書きましたが、これだけで対応できるのに、なぜか自社サービスを導入しないと対応できないような勧誘が目につきます。また、今回の記事を書くにあたって検索してみると、電子帳簿保存法についてわかりやすく解説しているデータを提供してくれそうに見えて、登録させて営業に使うというサイトが目立ちました。ビジネス向けサイトとしてはよくあるスタイルなのだと思いますが、誘導の仕方があまり良くないと感じました。

この記事で変な勧誘に引っかからないよう、正しく運用してもらえると、時間をかけてこの記事を書いた労力も無駄じゃなかったなと自己満足することができます。もちろん、自身で調べたり、努力をしないで運用したい場合には、業者に丸投げしてやってもらうのもひとつの手です。その場合には、そのコストを負担する必要がありますので、どちらが良いかの判断はお任せします。

Photo by Sora Sagano

私としては、今回の運用により、デジタルデータをプリントしてファイリングするという謎の作業をしなくて済むので、資源と時間の無駄遣いが無くなってスッキリ爽快です。

なお、難しいことを調べてくれて、ワークフローを見直し、資料化してくれたのは当然私ではなく経営企画チームです。こうしたいということに対して、しっかりと進めてくれるチームは本当にありがたいです。トリニティは私ではなく、こういうチームが支えているのです。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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