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Apple Storeにおける保護フィルムの取り扱い停止問題

2010.03.22

AppleStore01.jpg

iLoungeの記事「Apple bans protective screen film from Apple Store」(2010年3月17日付)によると、Apple直営店であるApple StoreにてiPhone/iPod touch用の保護フィルムが販売停止になるということです。以下、iLounge該当記事の抄訳です。

AppleはAppleの小売店やオンラインストアでのスクリーン保護フィルムの販売を禁止する。いくつかの会社とiLoungeが確認したところ、このポリシーは5月からケースと各々のフィルムに影響してくる。販売店などの話によると、Appleはフィルム単品はもちろんのこと、ケースやその他のアクセサリーでフィルムを一つのパッケージとして一緒に販売している商品に関しても排除すると言っているようだ。

情報筋によれば、禁止されるものには完全にクリアなもの、アンチグレア、ミラーフィルムなど保護を目的とするものから装飾的なすべてのタイプのスクリーン保護フィルムが含まれるとのことだ。各種iPod、iPhone、iPadやMac用保護フィルムの売上に影響するだろう。ある販売店が推測するに今回の禁止騒動は、引っかき傷が商品のプラスチック部分やスクリーンを長年傷つけてきたにもかかわらず、Appleのマーケティングがスクリーンの耐久性をほのめかしていると見ていてる。

多くのメーカーはApple Store以外の流通ルートからも販売しているが、Apple Storeでの売上は重要な売上の一部を構成しており、Appleのこの動きはApple Store以外のアクセサリー市場にも波及すると考えられいる。現在Apple StoreでのiPodやiPhoneの1番人気は保護ケースで、iPhoneとiPod合わせたアクセサリーの総合ランキングでも6、7番にあり、需要があっても、Apple向けにはフィルムなしを他のお店用にはフィルムのものを各種に対応したものを作らないかもしれない。

iLoungeは主要なフィルム製造メーカーのPower Supportから今回の件についての詳細をお願いしたところ、この新しいポリシーについて知っているがそれ以上ではない他のケースメーカー同様コメントなしであった。しかしながら、MirageMirror Screen Protectorを販売するXGearはAppleの今回の禁止にかかわらず、「市場にあまり変化はなく、私たちの見解ではこれから進んでいくための新しい扉を開いてくれる。」とコメントした。

たしかにApple StoreのiPhoneアクセサリーのランキングを見るとPower Support社の保護フィルムが7位にランキングされています(2010年3月22日現在)。1位〜6位までがすべてApple純正アクセサリーで占められていることを考えると、実質トップセラーであるといえます。

ちょっとメインテーマから外れますが、古くからApple周辺機器を作ってきた日本のPower Support社がアメリカのApple Storeでトップセラーブランドになっている(レビューの内容も非常に良い)というのは、同じ日本の会社として非常に喜ばしく、誇りを持てることだといえます。良い製品というだけでなく、パッケージを含めたブランディングもしっかりと確立しているというのは、もちろん並大抵の努力ではできなかったと思いますが、最終的に誰もが知っていてクォリティの高いブランドになっているというのは凄いことで、できれば我々のSimplismブランドもこのようなステージに上がりたいと思います。

さて、保護フィルムの販売停止問題ですが、保護フィルムだけでなく、ケースに含まれるものも含めて販売を停止するということですから、現在ほぼすべてのケースが保護フィルムを同梱しているため、ほとんど全部のケースが対象になります。

実際問題として、保護フィルムは必要か否かという議論になると、私としては高価な製品でしかもディスプレイが一番高い部品であることも考えると、保護フィルムを貼ることは重要なことだと考えています。iPhone 3GSから特殊コーティングもされてスムーズに、かつ細かい傷はほとんど付かなくなっています。しかしながら、たとえば落とすなどの衝撃を与えた際にはひび割れなどは起こってしまいます。これが保護フィルムによって100%回避できるわけではありませんが、少なくとも当社で販売しているような3Hグレード(堅さの等級で数値が大きくなるほど堅くなります)のフィルムでは相当の衝撃を吸収できるといえます。

実のところ、AppleとApple Storeはまったく独立した採算性を採っているため、この措置によってApple Storeの売上が急激に落ちたとしてもApple本体の方にはあまり影響がありません(会社全体としての決算は影響しますが製品開発やセールス、マーケティング部門としては関係がありません)。したがって、iLoungeの記事にもあるように、Appleの製品は保護フィルムがなくても強固で、必要性がないということをアピールする上では、直営店であるApple Storeが保護フィルムを販売していることは辻褄が合わないということなのかもしれません。

サードパーティービジネスとして考えた場合、この措置は非常に大きな問題を孕んでいます。iLounge記事にあるXGearという会社はあまり影響がないようなコメントをしていますが、特にアメリカのApple Storeは数が多いため、販売チャンネルとしては非常に大きな勢力ですから、ここに販売できないというのは大きな損失になります。そして、現在ケースを販売してるメーカーでも、保護フィルムを同梱しているところは保護フィルムを抜いて納品し直さなければいけません。実際に、「入れ換え」をするのか「順次仕様変更」されるのかは定かではありませんが、一般的にこれほどの大きな変更がある場合、価格も変わるでしょうから、限られたスペースで2種類を同時に販売することは難しいということもあって、「入れ換え」が選択される場合が多いです。

現在、アメリカの最大の家電量販店「Best Buy」など、Apple Store以外に販売チャンネルを持っているメーカーは転売することも可能でしょうが、そうでないところは大量の不良在庫を抱えてしまうことになります。また、保護フィルム自体の需要はあまり変わらないということを考えると、Apple Storeと一般の店舗とで製品ラインナップを変える必要が出てきます。そうなると、2倍の型番と在庫を管理する必要が出てくるので、ビジネスのオペレーションがこれまでよりも難しくなることは確実です。

では、我々のSimplismブランドが今後アメリカ市場に展開する場合にはどのように影響があるかと考えると、前述のように難しいオペレーションを強いられることは確実です。ただし、ある意味、これまでのラインナップがリセットされるわけですから、新規参入の芽が少し出てきているともいえます。その意味ではビジネスチャンスがあるのではないかと考えています。しかしながら、このような突然、しかもトップセラーのカテゴリーの販売についての方針が一気に変わってしまうリスクというのはしっかりと認識しておく必要があるでしょう。

なお、今回の措置はiPhone/iPod touch用としていますが、当然iPad用にも適用されるのが自然だと思いますので、これからの製品開発にも少し気をつける必要があります。また、タッチパネルを利用しない、iPod nanoやiPod classicには適用されないということですからこれらの対応製品には影響がありません。

日本においては、Apple Storeはトップブランドイメージはあるものの、7店舗だけの展開であるため、この決定が日本に適用されたとしてもそれほど多くの影響を及ぼすことはないでしょう。しかし、Apple Store限定販売の製品などは困ってしまうかもしれません。

今回の決定は、製品としてのiPhoneやiPod touch、iPadなどのことを考えると、Appleとしては理にかなったものであるといえますが、我々のようなサードパーティーには厳しいものでした。ただし、それでも工夫をしていくことによって、逆に伸ばしていくことができるとも感じていますので、ただ嘆くのではなく、我々としてはこれをチャンスとして利用していきたいと考えています。

このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「 Simplism 」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は24時間365日のウェアラブルデバイス「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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