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- 2024年12月
以前からずっと書きたいと思っていたことを、たまたま同じ文脈の文章を見つけたので触発されて書いておきたいと思います。日経アソシエイツという雑誌の2017年10月号に、バルミューダの寺尾氏の連載コラムがあり、そこには見出しとしてこう書かれています。
今からどこにでも行けるし、何にでもなれる
「不可能」を証明することは不可能
世界は「可能性」で満ちあふれている
素敵な言葉ですが、私の考えていたことはそこまで素敵なことというわけではなく、まったくもの作りを学んだことも、技術的なことも分からないままに、最初は台湾、その後中国、日本も含めたもの作りをするようになって、感じたことです。詳しい内容は発売中の同誌を購入して読んでみてください。
不可能を可能にすることが「もの作り」
かなり昔ですが、Jawbone JAMBOXのローンチの時にデザイナーのイブベアールも同様の事を話していて、これはどんなものでも世界共通だねということで盛り上がりました。彼も不可能と言われる困難、それをどうにかこうにか乗り越えて可能にすることが新しいものづくりだと考えていたのです。
どういうことなんだ? と思われる方もいると思います。例を挙げれば枚挙に暇が無いというくらいですが、大きく2つのことがあると思っています。
1つ目は、誰もやったことが無いことに挑戦する場合。これは容易に想像が付くかなと思いますが、何か新しい製品を作りたいと思う時、それは自分が欲しいと思うものが世の中にない時です。それが世の中に存在していれば、それを手に入れれば良いので解決方法はすぐそこにあります。しかし、世の中にないので作りたい、なった場合には作ったことがない場合があり、それは素材だったり、構造だったり、さまざまな点で見えないことが多くあります。
その場合に、特に中国とのもの作りの場合、すべてとはいいませんが、ほとんどの場合においてそんな素材はない、そんなことはできない、と「不可能」と言われます。ここで、そうですね、と引き下がってはもの作りはできません。いや、こういう素材があるので、これをこう加工したらできるのではないかとか、まったく同じではないけれどもこの製品ではこういうことが実現できているので、その過程の中でこうすればできるのではないか、とかそういう「説得」が必要となってきます。構造も同様です、まったく同じ業界のものではない製品を参考にすることが多いのですが、これの構造を工夫してこうすればできるのではないか、という話をし続けます。その後はトライ&エラーを繰り返していきます。
いつも、工場の人に言っているのは、「難しいならば、チャレンジしよう。その後に本当に本当にどんなチャレンジをした後でもできない事が判明したら、現時点では諦めよう」ということです。簡単ならば誰でも作れるので、その製品にそんなに価値はありません。もしも売れたらすぐにコピーされます。新しいものを生み出し、その結果として新しいライフスタイルをもたらさなければいけないのです。
2つ目は、経験が邪魔する「不可能」です。少しだけ1つ目とも近いのですが、この10年ほどの間に、数え切れないほどの「それは無理」という言葉を聞きました。それはその人が過去にやって失敗したのか、もしくは業界の常識なのか分かりません。ですが、私はずぶの素人なので、「いや、できるんじゃないか」と言うわけです。その後の過程は1つ目と近いのですが、こちらは結構厄介です。その人のバックグラウンドから来ている場合にはプライドもありますので、うまくやらないといけません。
ものすごく簡単な例をいえば、NuAns NEO [Reloaded]は厚みが11mmありますが、当初NuAns NEO [Reloaded]を請け負い生産してくれる会社が10mm以上の厚みのスマートフォンが今どき売れるわけがないということでもっと薄くしようと言ってきます。そこにコンセプトを延々と話し、理解してもらうわけです。
私はバルミューダの寺尾氏ほどのものづくりの結果は出していませんし、いわゆる「もの作り」というものが分かっているわけではない素人ではありますが、自分が欲しいと思うものには必死に食らいついていきたいと思っています。それが、結果不可能と思われていたことが可能になる時、を生み出す場合があると信じています。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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