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【原価マスクのすべて(1)】原価を販売価格にした「原価マスク」登場。日本のマスク難民を救いたい。

2020.04.28

はじめに

4月27日夜にリリースをした「原価マスク」について、私たちの予想をはるかに上回るご注文をいただき、そしてサイトへのアクセスが殺到してアクセスできなかったり、注文が上手く通らなかったり、システムが不具合を起こして注文処理におかしな点が出てしまったりと、ご迷惑をお掛けしてしまったことを深くお詫びします。

その名の通り、私たちにとって利益や人件費などの間接費、サーバーなどの費用を一切計上していないため、ひとりひとりのお問い合わせに対しての回答は控えさせていただき、製品ページでのFAQTwitterFacebookでの発信にて代えさせていただきますので、なにとぞご理解くださりますようお願いいたします。

今後、原価マスクプロジェクトについてのストーリーを数回に分けて紹介していきます。その中でも、いろいろと寄せられている疑問や質問、ご批判やご提案に対してもお答えしていこうと考えています。原価マスクにより、私たちのことを知ったという方々も多くいらっしゃると思うので、私たちや背景から説明したいと思います。

原価マスクのはじまり

私たちはスマートフォン周辺機器の企画開発、および海外ブランドの輸入販売を行なっている会社です。埼玉県新座市で2006年に創業し、現在14年目となります。自社ブランド製品については、その大半を中国・広東省深圳市もしくは東莞市というところにある工場に製造委託をしています。過去にはSIMフリースマートフォンを製造していたこともあり、中国での製造ネットワークは幅広く持っています。

SIMフリースマートフォン NuAns NEO/NuAns NEO [Reloaded]」より
現在、一番多くの数量を販売しているのが主にiPhone向けが多いのですが、スマートフォン向けディスプレイ保護ガラスです。この製品は非常に精密かつ、吸着させるような製品ですので、製造工程においてクリーンルームが欠かせません。細かなホコリなどが混入しては製品のクォリティを保てないからです。

2020年1月、新型コロナウイルス(COVID-19)の猛威が中国を襲います。日本ではまだ対岸の火事とみていた頃です。中国政府の強い規制により、工場は操業停止に追い込まれます。

旧正月に入る前まではまだそこまで深刻ではありませんでした。

工場経営は固定費との戦いです。少しでも工場の稼働率を上げ、固定設備と人件費を賄えるようにするかがポイントです。操業停止というのは最悪の事態です。

そのなか、中国政府がマスクの国内需要の高まりを受けて、マスク製造だけは行なって良い、むしろ資金援助するという話が出てきました。前述のようにクリーンルームを持っている工場は、マスクを作るのに最適な環境です。余談ですが、シャープがマスク製造をすぐに開始できたのも、元々ディスプレイや精密機器などを製造するためにクリーンルームを保有していたからです。

このような事情により、私たちが開発委託している工場はこぞってマスク製造に乗り出しました。現在私が手掛けているウェアラブルプロジェクト「weara」も開発進行が大幅に滞ってしまいました。

当初、私たちの開発委託工場がマスクを生産すること自体は、生き残るために仕方がないことだと思っていました。ただ、どんどんといろいろな会社が参入していき、通常操業も可能になってからもマスク製造に傾倒していってしまったのは非情に困りました。

私たちの需要と地元への還元はしたものの、まだまだ足りない現状

さて、4月に入ってくると中国のマスク需要に対して、中国全土でマスク生産をし始めた会社が増えたので供給が上回り始めました。ただ、そのタイミングでは逆に日本を始め、欧米でのマスク需要が爆発してきましたので、さらに需要が高まっていきました。

その中で、私たちの製造委託工場から日本ではマスクが足りないだろうから、と無償でマスクを送ってきてくれたりもしました。売ればお金になるのに、ありがたいことです。

その後、私自身もマスクを購入することができず、社員も購入することができない、当社運営のイタリアンレストランでもシェフも含めてスタッフがマスクを手に入れることができない。そういうこともあり、工場に2万枚ほど発注をしました。

これは販売する意図ではなく、単に配るつもりでした。私たちの地元である埼玉県新座市に10,000枚、新座で活動をされている介護事業されているNPO法人暮らしネット・えんに5,000枚、そして社員や関係者に配りました。

私たちだけで言えば、当面これで十分なほどです。私も含めて社員は100枚確保しましたので毎日交換しても3ヶ月持つ計算になります。

しかし、寄付をした際に話を聞くと、新座市でも介護などの現場でも、まだまだ圧倒的にマスクが足りないという話を聞きました。たかだか1万2万では足りないのだということでした。

医療関係だけでなく、介護や保育施設、学童など毎日スタッフの人数分マスクが消費されていく。訪問介護では訪問毎にマスクを交換しなければいけないのに、マスクが枯渇しているのでそれができないという現場の話を伺いました。

マスク供給を継続的に行なうために、利益は出さないけれども赤字にもしない方法

世界、日本全国を襲う新型コロナウイルスに対して、私たちができることは何か。もう少しだけマスクを仕入れて寄付を続けることも可能でした。ただ、私たちも小さな会社ですから、ずっと持ち出しでマスクを仕入れて寄付していくことはできません。新座市だけでも全然足りてないものを、日本全国で考えれば当然私たちが寄付で対応することはできません。

マスクを仕入れるルートとしてはある。これをどのように繋げようかと考えた時に、原価で販売するアイディアを思いついたのです。元々、寄付をした際には特に深く考えていなかったので、コストもしっかりと計算していませんでした。この時には仕入価格、運賃、関税などで70円程度でしたが、いろいろと手を尽くしてみるともっと安く仕入れることができるということが分かりました。

マスク自体の仕入単価、運賃、関税、倉庫手数料、カード決済手数料、消費税を考えて、税込の販売価格でおおよそ2,000円ちょっとで販売できる。これであれば、少なくとも私たちは黒字になることはなくても、大赤字になってしまうことはありませんので、需要があるかぎり続けていくことができると考えました。

突貫工事を行ない実質2日間でのリリース

4月22日にだいたいの座組を決め、社内マネージャーに告知し、正式に4月23日からプロジェクトをスタートしました。そして、中国スタッフ、マーケティングチームと一緒に作業を続けて実質2日間で立ち上げ「原価マスク」は4月27日にリリースされました。

販売価格が単価39円の通称「原価マスク」を販売 | トリニティ」より

当社では残業規制があり、基本的に2時間を越える残業はしないようにしているのですが、どうしてもこの2日間はマーケティングメンバーと共に夜遅くまで作業をしてしまいました(とはいえ、4月25日と26日の週末は稼働していません)。ただ、早くこのプロジェクトをリリースしたかった、もしも需要が多ければゴールデンウィークにも増産できるという考えもありましたので、突貫工事でのリリースとなりました。

名前もそのものの「原価マスク」なので分かりやすくて気に入っています。まだまだマスクが買えないという方がたくさんいる中で、この「原価マスク」がマスク難民を救うことができるならば嬉しい限りです。

繰り返してしまいますが、一緒に協力してくれてローンチまで頑張ってくれたマーケティングチーム、システム・サーバー担当の方(外部パートナーにお願いしています)、ありがとうございました。いきなり凄い反響で、サーバーが悲鳴を上げています。今、サーバーをアップグレードしていますので、もう少ししましたら繋がりやすくなると思います。元々、相当なアクセスでも耐えられるように用意をしていたのですが、マスク需要は半端ではありませんでした。

次回以降、原価マスクの詳細を色々と紹介していければと思っています。まずは、原価マスクのはじまりからご紹介しました。

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▶︎ 【原価マスクのすべて(1)】原価を販売価格にした「原価マスク」登場。日本のマスク難民を救いたい。(本記事)
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このブログを書いたスタッフ

プレジデント

ほっしぃ

音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。

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